三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 菰田正信)およびセンスウェイ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 神保雄三)は、千葉県の柏の葉スマートシティでIoTの普及・活用を目指す「柏の葉IoTビジネス共創ラボ」においてスマートオフィス・ワーキンググループを設立し、その第一弾の取組を開始いたしました。
本プロジェクトは、安心・安全なオフィス空間の提供を目途とし、柏の葉スマートシティのイノベーション創出拠点である「KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」(以下、KOIL)の執務空間内で、コワーキングオフィスの換気状況、在席状況、トイレの空き状況の可視化、および体温・マスク着用検知のシステム導入を行うもので、新型コロナウィルス感染拡大の現下においても有用な取り組みです。センスウェイが提供するIoT通信プラットフォームサービス「SenseWay Mission Connect」とMicrosoft Azureを活用することで1台のIoTゲートウェイで複数フロアをカバーすることが可能になり、センサーを通じて集めた様々なIoTデータを一つのクラウドサービス上で、一元的に管理、閲覧可能としたのが特徴です。
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SenseWay Mission ConnectとMicrosoft Azure によるKOIL IoT統合管理システム
本プロジェクトにおいて、三井不動産はフィールドとなるKOILでの実証実験環境の提供と現場での実現サポートを行い、センスウェイはセンサーとネットワークを組み合わせたIoTソリューションを提供いたします。このプロジェクトの推進により、両社が参画企業となっている柏の葉IoTビジネス共創ラボとしての活動も加速していきます。
各取り組みは2020年9月より順次開始しており、今後は、今回の実証の結果も踏まえながら、柏の葉エリア所在または三井不動産運営の他物件への導入も検討してまいります。
【各取り組みの概要】
(1)オフィス換気状況の可視化
室内の二酸化炭素濃度を計測して濃度ごとに色別に表示し、適切な換気タイミングを可視化します。
執務空間内に設置した複数の温度・湿度・二酸化炭素の計測センサーから集めたデータをSenseWay Mission ConnectとMicrosoft Azureの連携によりクラウドへ集約し、データの可視化を行っています。KOILの1階入口と6階KOILパークに設置されたデジタルサイネージへ表示し、リアルタイムで確認できるようにすることで、施設管理者による適切なタイミングでの換気の実施など、安全なオフィス環境の維持に活用することが可能になるとともに、利用者の方々への個室利用の際の注意喚起にもつながります。
今後は、同画面をKOIL利用者が閲覧可能な会員限定サイトにて、パソコンやスマートフォン上でも閲覧できるアプリケーションの提供を行う予定です。また、換気状況のデータを蓄積し、他のセンサーによる会議室の利用状況データと合わせることで、面積当たり上限人員数の設定や利用間隔の管理効率化による快適なオフィス空間の維持につなげることを目指します。
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執務空間内に設置した温度・湿度・二酸化炭素の計測センサー
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換気状況を可視化し、KOIL内のサイネージや会員専用ページで確認可能
なお、柏の葉IoTビジネス共創ラボでは、環境ワーキンググループにおいても、参画企業であるセンスウェイおよび京葉ガスの協働プロジェクトとして、2020年5月より、柏の葉スマートシティの商業施設「柏の葉T-SITE」における温度・湿度・二酸化炭素の計測を行い、館内の換気状況可視化による空調管理ソリューションの実証実験を推進しています。
(2)コワーキングオフィスにおける在席状況の可視化
コワーキングオフィスの座席利用状況や会議室の空き状況を、KOILの1階入り口と6階KOILパークに設置されたデジタルサイネージへ表示し、リアルタイムで確認できます。
デスク裏面に設置したセンスウェイ独自開発の人感センサーが座席の着席者の有無を検知し、集めたデータをSenseWay Mission ConnectとMicrosoft Azureの連携によりクラウドへ集約し、データの可視化を行っています。センスウェイ独自開発の人感センサーは、着席・離席の検知だけでなく「人がその場に居続けること」までセンシングできるのが特徴であり、より精度の高いデータ集積が見込めます。
施設管理者側においても、コワーキングオフィスの稼働率の高い座席やその時間・曜日や、予約された会議室の実際の稼働状況等も把握でき、将来的には座席の配置計画等への活用が可能となります。
今後は、同画面をKOIL利用者が閲覧可能な会員限定サイトにて、パソコンやスマートフォン上でも閲覧できるアプリケーションの提供を行うことで、利用者が混雑を避けることを可能とします。
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座席利用状況が色別で表示され、雑度・空き状況が確認可能
(3)トイレ空き状況の可視化
トイレ個室の空き状況を、KOILの1階入り口と6階KOILパークに設置されたデジタルサイネージへ表示し、リアルタイムで確認できます。
トイレの個室ドアに設置した人感センサーがトイレの空きを認識し、データをSenseWay Mission ConnectとMicrosoft Azureの連携によりクラウドへ集約し可視化を行います。
施設管理者向けの画面では、トイレの各個室の利用時間も把握できるため、効率的な清掃タイミングの調整、体調不良者の発見、長時間滞在者に対する対処に繋げることが可能となります。
今後は、同画面をKOIL利用者が閲覧可能な会員限定サイトにて、パソコンやスマートフォン上でも閲覧できるアプリケーションの提供を行うことで、利用者が混雑を避けることができるよう利便性向上を図ります。
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KOIL内のセンシングデータを表示するサイネージ
(4)サーモカメラによる入館者の体温・マスク着用検知
エッジAI技術を搭載したサーモカメラ「EG-Keeper」をKOIL入口に設置し、入館者の迅速な検温のほか、マスク着用の有無を判別する実証実験を実施します。
本取り組みで採用しているサーモカメラは、超高速エッジ・コンピューティングによるAI機能を内蔵し、わずか0.3秒で体温を測定してディスプレイに表示します。また、本カメラの測定精度は実際の皮膚表面の体温との誤差が±0.2℃に留まるなど非常に高性能であり、マスク着用の有無も同時に判断することが可能です。なお本カメラは、赤外線センサーとLED照明によって暗所でも使用可能であり、マスクやヘルメット着用時でも検温が可能です。
設置する施設の特性によっては、マスク非着用の場合または高熱体温の場合のアラート等による発信も可能であるため、入場制限が必要な施設における無人対応での活用も期待されます。
今後は、柏の葉IoTビジネス共創ラボに参画する柏魚市場株式会社においても、従業員の検温・マスク着用確認の自動化と、収集データのクラウドへの送信により、従業員の健康管理に繋げる取り組みも検討されています。
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KOIL入口に設置されたサーモカメラ
■「柏の葉IoTビジネス共創ラボ」および「イノベーションフィールド柏の葉」について
柏の葉スマートシティでは、世界の課題解決型街づくりのモデル構築を目的に、「環境共生」「健康長寿」「新産業創造」の3つのテーマのもと、柏市や三井不動産が中心となり公民学連携でスマートシティ構想を推進しています。
新産業創造のテーマのもと、2018年6月には「柏の葉IoTビジネス共創ラボ」(幹事企業・事務局:三井不動産ほか)が設立され、個別のワーキンググループに参画する企業により、柏の葉エリアに構築されたIoT実証フィールド環境を活用したIoT技術の普及や活用、IoTビジネスの機会創出を目指してさまざまな実証実験に取り組んできました。
柏の葉IoTビジネス共創ラボでは、今回のプロジェクトの他にも様々なIoTの取り組みを「公・民・学」連携で幅広く実施しており、今回の取り組みについても柏の葉エリア内外において横展開していく予定をしております。
柏の葉スマートシティでは、「柏の葉IoTビジネス共創ラボ」における取組みを含み、AI・IoTおよびライフサイエンス・メディカルの2分野にフォーカスを絞り、柏の葉の街を舞台にした実証プロジェクトの受け入れを一括して行う「イノベーションフィールド柏の葉」(【WEB】 (リンク ») )にて、新たな製品・サービスを共に生み出していく実証プラットフォームを幅広く民間企業に提供しています。
本プロジェクトは、「イノベーションフィールド柏の葉」の実証プラットフォームを活用した「柏の葉IoTビジネス共創ラボ」のプロジェクトとして位置づけられています。
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イノベーションフィールド柏の葉の実証フィールドマップ
■三井不動産グループのSDGsへの貢献について
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三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわちESG経営を推進しております。当社グループのESG経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society 5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。
*なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における4つの目標に貢献しています。
目標3 すべての人に健康と福祉を
目標8 働きがいも経済成長も
目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう
■三井不動産のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組み
三井不動産のグループ長期経営方針「VISION 2025」で掲げた「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」を実現すべく、グループ全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。2021年2月には、「事業変革」「働き方改革」、それらの実現のための「推進基盤」の各領域について、注力テーマと推進事例をまとめた「2020 DX白書」も公開しています。
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■センスウェイ株式会社について
センスウェイは IoT に必要な通信方式である長距離・低消費電力の LPWA の LoRaWAN????を使った IoT プラットフォームサービス「SenseWay Mission Connect」を提供しています。センスウェイの持つ LoRaWAN の技術力を背景に、IoT データの利活用によって、三密を回避するための新型コロナ対策ソリューションや企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。
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