ネットワンシステムズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:竹下 隆史)は、文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」の加速に向けた、福島市立学校48校(小学校29校、中学校19校)のSD-WAN環境を構築しました。本環境は4月から稼働しています。
今回整備したSD-WAN環境では、各校からインターネットに“直接かつ安全”に接続する「ローカルブレイクアウト(LBO)によるダイレクトインターネットアクセス(DIA)環境」を実現しています。これによって、インターネットへの通信速度を向上させ、教育用デジタルコンテンツの体感速度の向上を通じて、効果的な授業体験を実現しています。
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■背景
福島市立学校では、「GIGAスクール構想」に向けて約2万人の児童・生徒にタブレット端末を配布し、4月からインターネットを活用した新しい授業形式「福島型オンライン授業」を開始しています。
一方で従来、各校からインターネットに接続する際は、セキュリティ強化のためにWAN及びデータセンターを経由しており、新しい授業による通信量の増加によって帯域の逼迫が課題でした。
■本環境の特長
本環境は、「Cisco SD-WANソリューション」によって構成されており、授業で発生するインターネット通信を統制することで、逼迫の解消・体感速度の向上を実現しています。
- 教育コンテンツ向け通信:授業で多く活用するWebサイト(例:教育用動画サイト、授業支援ソフト、調べ学習、他)の通信は、ローカルブレイクアウト機能によってWAN及びデータセンターを経由することなく、新たに用意したインターネット回線から直接接続するダイレクトインターネットアクセス環境を実現し、教育用デジタルコンテンツの体感速度を向上
- 特定のインターネット向け通信:データセンターを経由する必要があるWebサイトは、従来同様にWAN経由でデータセンターへ接続し、堅牢なファイアウォールを介して固定IPアドレスによってインターネットに接続することで安全性および身元を担保。上記のローカルブレイクアウトによって帯域に余裕があるため、本通信においても教育用デジタルコンテンツの体感速度を向上
さらに、セキュリティの強化と運用負荷の軽減に向けて、以下を実現しています。
- 各校に設置したSD-WANルータは高度なファイアウォール機能も有しており、各校に専用のファイアウォール製品を用意することなくセキュリティ対策を実装可能
- 各校に設置したSD-WANルータは、専用の管理クラウドから一元管理可能で、アプリケーションの帯域制御やセキュリティ設定の変更などを現地に赴くことなく適用し、運用負荷を軽減
なお、今回のSD-WAN環境の整備では、コスト最適化の観点で、福島市立学校全68校の中で児童・生徒の数が多い48校にSD-WANによるローカルブレイクアウトを適用し、他20校は帯域に余裕が生じたWAN及びデータセンター経由でインターネットを利用する形式としています。
■お客様コメント
福島市教育委員会 学校教育課長 鴫原 理 様から次のコメントを頂いております。
「福島市では、GIGAスクール構想による端末整備を行うにあたり、約2万台の端末がインターネットに接続しても授業に支障が出ることなく、安定して使用出来るネットワーク環境が必須と考えておりました。しかしながら、既存のネットワークは、全ての通信がデータセンターを経由することから、データセンターがボトルネックになるのではないかと危惧しておりました。また、データセンターの機器を増強しても今後ICT機器の通信量が増加した場合、追加の整備が必要になるなど追加コストも大きな課題でした。その解決策として、ネットワンシステムズ様から提案のあったSD-WANによるローカルブレイクアウトを採用しました。福島市では『福島型オンライン授業』と銘打ち、積極的なICT機器の利活用を推進しております。今後のICT機器の利活用に柔軟に対応出来る本ネットワークシステムは、今後の福島市の教育ICTの安定した基盤となることと期待しております。」
ネットワンシステムズ株式会社について
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