CQC、英国ケンブリッジ市 2021年5月27日発表 – ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティング(Cambridge Quantum Computing、以下CQC、CEO:イリアス・カーン)は、量子モンテカルロ積分を高速化する新しいアルゴリズムを発見したことを発表しました。これにより、量子優位性に到達するまでの開発期間を短縮することが出来る可能性が生まれるとともに、特に金融業界における量子コンピュータの重要性を明示しました。
モンテカルロ積分は、サンプルを平均化することによって確率分布の平均値を数値的に推定する手法です。金融リスク分析、医薬品開発、サプライチェーン物流など、ビジネスや科学の多岐に渡る分野で活用されています。しかし、従来のシステムでは、結果を得るまで何時間も計算を行わなければならないケースが見られます。現代世界を支える汎用性の高い計算であるが故に、重要な課題でもあります。
CQCは、上級研究員のSteven Herbertが発表した査読前論文に紹介されているアルゴリズムを応用して、問題解決を図りました。この査読前論文では、どのようにしてこれまでの計算手法における従来の課題が解決され、完全な二次的量子優位性(quadratic quantum advantage)を達成出来るのかについて説明しています。
プレプリントリポジトリarXivに掲載されている論文は、以下ウェブサイトからご覧いただけます。
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Herbertは次のように述べています。「この新しいアルゴリズムは、量子モンテカルロ積分における進歩であると考えています。NISQ時代のみならず、それ以降の量子計算においても応用が可能です。」彼は続けて、「私たちは、これまで理論上にしか過ぎなかった、量子計算による高速化を実現できると期待しています。この度の発見により、これまでの量子モンテカルロ積分(QMCI)のアルゴリズムでは避けられなかった、膨大な計算オーバーヘッドを回避することが可能になると考えています。」と述べました。
ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティングのCEOであるイリアス・カーンは、次のように述べています。「この度の成果は、CQCの科学者たちによって実現されたブレークスルーであり、金融業界をはじめとする多くの産業にとって大きな価値を生むものと確信しています。ここ最近の弊社研究チームによる発表は、量子計算における当社の取り組みの革新性を示すものです。」
以上
ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティングについて
ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティング(CQC)は、世界をリードする量子コンピューティング・ソフトウエア企業です。ケンブリッジ(英国)、サンフランシスコ、ロンドン、東京のオフィスに、60人の博士号保有者を含む100人近い科学者を擁し、世界中に大きな影響を与える量子技術の商業化ツールを構築しています。
CQCは、量子ソフトウエアにおいて、とりわけ量子開発プラットフォーム(tket)、量子化学分野のエンタープライズ・アプリケーション(EUMEN)、量子機械学習(QML)、量子自然言語処理(QNLP)及び量子サイバー・セキュリティー・デバイス(IronBridge TM)などを提供する専門知識を有しています。
ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティング・ジャパン株式会社は、その日本法人です。
ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティングの詳細については、www.cambridgequantum.com を参照ください。
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