東京地下鉄株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役社長:山村 明義、以下「東京メトロ」)と三菱電機株式会社(本社:東京都千代田区、執行役社長:漆間 啓、以下「三菱電機」)は共同で、鉄道用「同期リラクタンスモーターシステム:SynTRACS(R)」について、営業運用による長期評価試験を行い、省エネ化が可能であることを確認しました。営業運用により、鉄道用の同期リラクタンスモーターの省エネ効果を定量的に確認したのは、「世界初」となります。
東京メトロと三菱電機は、更なる省エネ性能の向上を目指し、これまで高出力化が困難であったリラクタンストルクのみで駆動し省エネ性能が高い「同期リラクタンスモーター:SynRM」と、それを制御するインバーターで構成される「同期リラクタンスモーターシステム:SynTRACS(R)」を、日比谷線13000系車両に試験搭載し、夜間走行にて実証試験を行い、実際の鉄道車両で運用可能であることを確認してまいりました。
今回、本システムを試験搭載した日比谷線13000系車両にて、新たに営業運用における消費電力量評価などの長期評価試験を行い、誘導モーターシステムと比較して約18%の省エネ化が実現可能であることを確認しました。営業運用により鉄道用の同期リラクタンスモーターの省エネ効果を定量的に確認したのは、世界で初めてとなります。世界最高レベルの効率を実現可能なシステムのひとつとして今後、新造車両や大規模リニューアル工事車両へ本システムの導入を可能とすることで、鉄道車両のさらなる省エネ化に貢献してまいります。これからも、あらゆる場面で先端技術の開発・採用等の創意工夫により、鉄道業界全体の更なる発展に貢献していくとともに、更なる省エネ化を強く推進し、CO2の削減に積極的に取組み、「安心で持続可能な社会」の実現を目指してまいります。
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同期リラクタンスモーターシステム(SynTRACS(R))の営業運用における長期評価試験詳細
1. 長期評価試験の概要
試験車両 日比谷線13000系車両2両(1編成7両中の2両)
搭載機器 同期リラクタンスモーター(Synchronous Reluctance Motor: SynRM)4台
(定格出力250kW、モーター重量562kg)
SiCパワーモジュール適用インバーター1台
評価期間 2021年12月27日~2022年2月12日の期間(約1か月半)で営業運用
(積算走行距離 11,157km)
※長期評価試験は、現在も継続中
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2. 同期リラクタンスモーターについて
回転子鉄心内の磁気抵抗差によって生じる磁極との相互作用で発生する「リラクタンストルク」で駆動します。鉄道車両に広く採用されている誘導モーターと比較して、回転子の発熱損失が小さく、効率や質量特性に優れることが特徴です。
3. 長期評価試験結果
今回の長期評価試験では営業運用におけるSynRM搭載車両の積算電力量を測定し、原単位※1を算出しまし た。本システムの省エネ効果を確認するため、南北線9000系大規模リニューアル工事車両に搭載している誘導モーターシステムと比較し、約18%の省エネ化が実現可能であることを確認しました。
※1 電車を単位距離動かすために必要な電力量を示す値
※2 各システムの搭載車系の車重が異なるため、9000系大規模リニューアル工事車両の車重に変換した際の
原単位にて比較を実施
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プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
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