ダイビル株式会社(社長:丸山 卓 本社:大阪市北区、以下ダイビル)の100%子会社Daibiru USA, LLC(代表: 上條 恵二郎 本社:デラウェア州ウィルミントン、以下Daibiru USA)と住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)の100%子会社Crescent Communities, LLC(CEO: Brian Natwick 本社:米ノースカロライナ州シャーロット、以下Crescent)は、米ジョージア州アトランタ近郊でESGに配慮したオフィスを開発します。
3階建ての木造オフィス棟と駐車場棟を新築するほか、既存校舎・体育館の2棟をオフィスに改修します。木造オフィス棟は鉄骨(S)造・鉄筋コンクリート(RC)造・鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造に比べ建築時のCO2排出量を減らし、木材の炭素固定効果により脱炭素に寄与します。地域の歴史・文化的な意義のある既存建物を改修して、その社会的価値を保存・承継します。既存建物の改修・再利用により解体・新築する場合に比べCO2排出を抑制します。
総事業費は約80百万USD(約111億円※1)で2024年4月の完成を目指します。
■プロジェクト概要
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1950年に教育水準向上のため設立されたアフリカ系アメリカ人向けの学校跡地を再開発します。土地・建物は教育委員会から取得し、既存の校舎・体育館をオフィスに改修するとともに、マスティンバー構造※2の3階建て木造オフィスと駐車場棟を新築します。土地・建物がもつ歴史的価値の保存や後世への継承にも寄与する社会的意義の大きいプロジェクトです。Daibiru USA、Crescent、地元の不動産開発業者KB Venture Partners, LLC(代表者:Fred Kay/Bruce Fernald 本社:米ジョージア州アトランタ)が共同出資するSPC(特別目的会社)が開発し、住友林業の100%子会社SFCアセットマネジメント株式会社(社長:吉澤 雄次郎 本社:東京都千代田区)が本プロジェクトの取り纏めを行います。
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既存建物の改修ではレンガ造りの外観の特徴を活かしつつ、バルコニー、窓、屋外の共用空間・共用施設などを整備。歴史・文化的価値を保存しながら、解体・新築に比べ建築時のCO2排出量を削減します。新築建物はDLT※3やGLT※4などのマスティンバーを採用し木質感があふれる内装にします。S造・RC造・SRC造に比べ資材の製造・輸送時、建築時のCO2排出を減らし、長期間炭素を固定します。CO2排出量を見える化するソフトウェア「One Click LCA※5」による試算では、一般的なSRC造での新築に比べ、建築時のCO2排出量を約950トン削減できるほか、建材等に用いる木材がCO2換算で約1,320トンの炭素を固定できる見込みです※6。
環境認証(LEED※7)やウェルネス認証(Fitwel※8)の取得も目指し、ESGを重視するテナントに社会的・環境的な付加価値の高いオフィスを提供します。テレワークが普及しオフィスの在り方が見直される中、敷地内に人々が集うコラボレーションスペースや緑地を配置し、フィットネスセンターなどの共用施設も充実。組織や個人の創造性・生産性向上を促す「クリエイティブオフィス」を目指します。
■開発エリア概要
(リンク ») アトランタ中心部から車で北へ約30分のアルファレッタ市に位置し、アトランタ中心部と北部を繋ぐ主要道路へのアクセスも良好で交通利便性に優れています。アルファレッタ市はアトランタ都市圏で近年最も活況なオフィスマーケットの一つです。その中心は約800戸の住居、約47,000㎡の商業施設、約70,000㎡のオフィス(入居率100%)が備わる大型複合施設Avalonで、今回の開発エリアはAvalonの徒歩圏内にあります。
本プロジェクトは国内外でオフィスビルを開発・保有するダイビルのESGを意識した取り組み及び新たな市場展開に対するニーズと、国内外で木造中大規模建築の開発を進める住友林業のビジョンが一致し実現しました。今後も両社の特徴や知見を活かして、国内外での協業を検討していきます。
※1. 1USD=139.06円(2022年11月28日の為替レートで計算)
※2. 複数の木材を組み合わせて成形した比較的質量の大きいエンジニアードウッド(マスティンバー)を利用した構造。
RCや鉄骨と比べて工期の短縮や建物の軽量化が可能であることから、理想的な建築材料として北米で注目されています。
また、サステナブルな資源である点や炭素固定効果によって脱炭素に貢献する点も評価され、大規模建築物への活用も進んでいます。
※3. Dowel Laminated Timberの略。接着剤やくぎを使用せずに木材を積層した100%木質部材。
※4. Glued Laminated Timberの略。集成材の柱梁。
※5. 住友林業が日本単独代理店契約を締結したソフトウェア。建設にかかる原材料調達から加工、輸送、建設、改修、廃棄時のCO2排出量(建てるときのCO2排出量)
を精緻に算定できる。関連リリース: (リンク »)
※6. デザイン段階における概算数量に基づく試算となるため、実際の施工物件と数値結果が変動する可能性があります。
※7. USGBC(US Green Building Council)が開発及び運用を行っている、建物と敷地利用についての環境性能評価システム。
※8. 米国連邦政府調達局(GSA)と疾病管理予防センター(CDC)が主導で開発した建物利用者の健康、労働環境等を評価・認証する仕組み。
■開発イメージ
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※詳細は本プロジェクトの特設サイトをご覧ください( (リンク ») )。
■物件概要
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■Daibiru USA, LLC社概要
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■Crescent Communities, LLC概要
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■KB Venture Partners, LLC概要
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