●LINEOWarp!! について
LINEOWarp!! (以下、Warp!!) は、組込み Linux を熟知したリネオが開発し、2008 年より提供している組込み Linux(R)/AndroidTM を搭載する機器向けの各種 SoC(System on Chip) に対応した高速起動ソリューションです。
通常では数十秒から一分以上かかる組込み Linux 機器の起動時間を、十数秒から数秒に短縮することができます。
Warp!! は、ハイバネーション方式を採用し、スナップショットイメージからシステムメモリを一挙に復元することで、起動高速化を実現しています。
●RZ/Five について
RZ/Five MPUは 64ビットRISC-V CPU(AX45MP Single)を搭載し、動作周波数は1.0 GHz、16 ビット DDR3L/DDR4 インターフェースを内蔵しています。また、 Gbit-Ether 、CAN、及び、 USB 2.0 などの多くのインターフェースも備えており、エントリークラスの社会インフラ用途ゲートウエイ制御機器や産業用途ゲートウエイ制御機器などのアプリケーションに最適です。
●RISC-Vアーキテクチャについて
RISC-V はカリフォルニア大学バークレイ校で開発が開始された、比較的新しいオープン標準の命令セットアーキテクチャ (ISA) です。その特長は、モジュラー式の ISA であり、中核となる基本命令セットに加えて、目的に応じて拡張機能命令セットを取捨選択できます。これにより、プロセッサを小さく実装することが可能です。また、オープンソースライセンスなのでライセンスフィーがかからず、設計についても制限なく自由に作ることができます。
その自由度の高さが注目を集めており、RISC-V CPU の市場規模は今後ますます増大すると予想されています。
リネオでは、今後も Warp!! の RISC-V ボードへの対応を進めてまいります。
●RZ/Five への対応について
■Warp!! 対応機器情報
ボード : Renesas RZ/Five Evaluation Board Kit(RTK9743F01C01000BE)
SoC : Renesas RZ/Five (AndesCoreTM AX45MP) 1GHz
Storage : eMMC HS200
Boot loader : OpenSBI 1.0, U-boot 2020.10
Linux kernel : Version 5.10.83-cip1-riscv-renesas
■Warp!! Boot と Normal Boot の比較表
Warp!! 起動では、通常起動の 14.47 秒に対し、3.65 秒と約 4 分の 1 の起動時間を実現しています。
今回の Warp!! 対応により、電源 OFF の状態から素早く機器を立ち上げることが可能となるため、通信の待機中にはバッテリーを消費せず、データ通信を行うタイミングで瞬時に通信の確立ができるようになります。これにより、バッテリーの軽量化や消耗を押さえることが可能になります。
●RZ/Five と Wrap!! が急成長する RISC-V エコシステムを促進
ルネサスのエンタープライズ・インフラ・ソリューション事業部の事業部長である加藤茂樹氏は次のようにコメントしています。
「リネオソリューションズの Wrap!! が、ルネサスの RZ/Five のサポートを開始することを嬉しく思います。ルネサスとリネオソリューションズは、これまでも Linux の高速起動を実現するため長年に渡って協力してきましたが、今後 RISC-V ベースの MPU でも、多くのお客様に起動時間『数秒』というメリットを享受頂けることを楽しみにしています。」
●関連リンク
■リネオソリューションズ株式会社
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■LINEOWarp!!
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■RZ/Five
(リンク »)
●本プレスリリースに関するお問い合わせ先
リネオソリューションズ株式会社
メール:press@lineo.co.jp
※本プレスリリースに記載されている会社名、製品名、サービス名は、当社または各社、各団体の商標もしくは登録商標です。
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