■ STM32H5デバイスの製品ライフサイクル
STM32H5の製品ライフサイクルには、セキュリティ層が追加されており、ユーザーはデバイスをさまざまな製品状態に移行させることでセキュリティのオン/オフを行うことが可能です。本例では、STM32H503デバイスをプロビジョニングし、パスワードを使用したデバッグ認証、リグレッション、製品状態の変更を通してセキュリティを有効にする手順を紹介します。
■ PEmicroのCycloneプログラマーおよびPROGACMPによるプログラミング
PEmicroのCycloneプログラマーは、STM32H503デバイスの量産プログラミングに最適なツールであり、セキュリティ設定を含むプロビジョニングをサポートします。また、PROGACMPプログラミングソフトウェアを使用することで、セキュリティ設定を行ったデバイスの効率的なプログラミングとデバッグを実現できます。
◆Debug Authentication with Cyclone
現在、PRODUCT_STATEがCLOSEDとなっている場合、デバイスへのアクセスを回復するにはデバッグ認証が必要です。Cycloneプログラマーを使用する場合は、次の手順を行います。
[Power and Communication]タブを選択し、「Allow Regression」にチェックを入れます。
先に作成したuser_passwordを入力します。
その後、PRODUCT_STATEが開いていない場合、プログラミングの試行時にフルリグレッションが行われます。この処理には、すべてのユーザーフラッシュとオプションバイトが含まれますが、OTP(One-Time Programmable Memory)は含まれません。
◆Debug Authentication with PROG
PEmicro Connection Managerを使用してPROGでデバッグ認証を行う場合、以下の手順に従ってください。
「Mass erase upon connection to target」にチェックを入れ、その後「Security Settings」を選択します。
ダイアログボックスが表示されたら、「Allow Regression」にチェックを入れ、先にboard_passwordを作成する際に使用したuser_passwordを入力します。
「OK」をクリックして接続します。
リグレッションが成功すると、マス消去が実行され、ユーザーはアルゴリズムを選択するためのウィンドウが表示されます。この時点でPRODUCT_STATEはOPENとなります。
■ お問い合わせについて
STMicroelectronicsのSTM32H503デバイスおよびPEmicroのセキュリティプロビジョニングツールに関するご質問や詳細については、ポジティブワン株式会社までお気軽にお問い合わせください。
【P&Eマイコンシステムズ社について】
P&Eマイコンシステムズ社は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州に本社を構える老舗の開発ツールベンダーです。1981年に世界初の汎用EPROMプログラマを開発し、それ以来業界のトレンドセッターとなっています。プロダクションプログラマ用Cycloneは、高性能で設定が容易、多彩な制御と自動化のオプションを備えたスタンドアロンのインサーキットプログラマとして知られています。また、MULTILINKデバッグプローブは優れた性能と幅広い互換性を提供し、多くのマイクロコントローラメーカーをサポートしています。
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