研修必須化は3割未満、9割以上の企業で途中帰任発生
2025年9月30日
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ビジネス特化型オンライン英会話サービス「Bizmates」を提供するビズメイツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鈴木 伸明 、以下「当社」)は、海外赴任者を輩出している日本企業(従業員数500人以上)の人材育成・研修担当者400名を対象に 「日本企業における『海外赴任前研修』の実態調査」を実施しました。
その結果、研修を必須化している企業は3割未満にとどまり、さらに個人任せや未実施も3割超に上るなど、研修体制の整備には大きなばらつきがあることが明らかになりました。また、9割以上の企業で途中帰任が発生しており、その主因は「語学力不足」ではなく「文化適応の失敗」や「現地コミュニケーション不全」でした。さらに「海外赴任を希望する人材の減少」「若手世代の海外志向の低下」が最大の課題として挙がり、語学研修だけでは不十分である実態が浮き彫りとなりました。
本調査を通じて、「異文化理解研修」を軸に据えた実践的な研修体系の強化と、海外赴任を魅力あるキャリアとして捉えられる仕組みづくりが、日本企業のグローバル人材戦略において急務であることが示されました。
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■調査概要
調査名:日本企業における「海外赴任前研修」の実態調査
調査方法:IDEATECH提供のリサーチマーケティング「リサピー®︎」を用いたインターネット調査
調査期間:2025年9月9日〜同年9月10日
有効回答:海外赴任者を輩出している日本企業(従業員数500人以上)の人材育成・研修担当者400名
※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。
■4割以上の企業が年間「101名以上」の海外赴任者を輩出、幅広い企業で人材派遣が進展
「Q1.お勤め先では、年間で何名程度海外赴任者を輩出していますか。」(n=400)の回答では、「101名以上」が44.3%で最多となり、次いで「11~50名」が21.8%という結果になりました。かつては大手企業を中心に行われていた海外赴任ですが、現在は多くの企業が一定規模以上の人材を継続的に派遣しており、幅広い企業で海外人材配置が進展している実態が浮き彫りになりました。
また、政府統計やJETRO調査でも、日本企業の現地法人の売上や設備投資は拡大傾向にあり、新興国を中心に事業拡大意欲が際立つことが報告されています。こうした背景を踏まえると、今回の調査結果は、海外事業を成長戦略の中核に据える企業姿勢を裏付けるものといえます。(※1)
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■海外赴任の平均派遣期間は「3~5年未満」が約4割で最多、事業展開や人材育成に中期スパンを確保
「Q2.お勤め先の海外赴任者の平均的な派遣期間を教えてください。」(n=400)の回答では、「3~5年未満」が38.6%で最多となり、「5年~10年未満」が21.8%、「1~3年未満」が18.5%と続きました。この結果から、多くの企業が3年以上の中期的な派遣を前提としており、現地での事業展開や人材育成には一定の時間をかける必要があると認識している実態が浮かび上がりました。特に「5~10年未満」や「10年以上」といった長期派遣も3割を超えており、海外赴任が一過性ではなく、組織的な経験蓄積や現地ネットワークの形成を重視した施策であることがうかがえます。
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■赴任者の選抜基準の上位は「語学力」「職務経験」「リーダーシップ」がほぼ同率、総合的な人材力を重視
「Q3.海外赴任者の選抜基準において最も重視している点を教えてください。」(n=400)の回答では、「語学力」15.9%、「職務経験・専門スキル」15.9%、「リーダーシップ」15.5%がほぼ同率で上位を占めました。続いて「コミュニケーション能力」13.8%、「ストレス耐性」13.5%が挙げられています。
この結果から、海外赴任者には語学力だけでなく、専門性・統率力・人間関係力・メンタル耐性といった多面的な資質が求められていることが浮き彫りになりました。単に「語学ができる」だけでは不十分であり、現地組織を牽引し、異文化環境で成果を出せる総合的な人材力こそが選抜基準の中心になっているといえます。
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■最も求められる英語スキルは「プレゼン能力」、マネジメントや交渉対応も重視
「Q4.海外赴任者に最も求められる英語スキルは何だと思いますか。」(n=400)の回答では、「プレゼンテーション能力」が25.4%で最多、「部下やチームに対するマネジメント力」23.0%、「会議や交渉での発言力」19.0%と続きました。
この結果は、海外赴任において単なる日常会話ではなく、ビジネスの現場で成果を出すための実践的な英語力が重視されていることを示しています。基礎的な英語スキルは前提条件とされ、そのうえで現地での事業提案や本社への報告を説得力をもって行う力、チームをリードする力が求められている実態が浮かび上がりました。一方で、「雑談や共感を通じて信頼関係を築くコミュニケーション力」が9.3%と低く、軽視されがちな傾向が見られます。しかし、Q5(早期帰任理由)で上位に挙がった「現地スタッフとのコミュニケーション不足」や「異文化不適応」を踏まえると、こうした非公式な場面でのコミュニケーション力の不足は、早期離脱リスクにも直結する課題であると言えます。
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■早期帰任の主因は「文化適応の失敗」「現地スタッフとの関係不全」—9割以上の企業で発生
「Q5.過去3年間に任期途中で帰国した海外赴任者がいた場合の主な理由」(n=400)では、「現地の文化や価値観になじめなかったため」35.0%、「現地スタッフとのコミュニケーションがうまくいかなかったため」33.8%が上位となりました。一方で「語学力が不十分で業務に支障が出たため」は18.8%にとどまり、語学力そのものよりも、異文化適応力や人間関係構築力の不足が早期帰任の主要因となっている実態が明らかになりました。「日本式の働き方に固執して現地のやり方に適応できなかったため」26.0%という回答も4人に1人の割合で見られ、日本のビジネス慣習をそのまま持ち込むことの限界を示しています。さらに、「帯同家族が生活や教育環境に適応できなかったため」17.5%という家族要因も無視できず、赴任者本人だけでなく家族を含めた包括的な支援の必要性が示唆されました。
なお、「該当なし(途中帰任者はいない)」は8.8%にとどまり、実に9割以上の企業で早期帰任者が発生していることも確認されました。
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■海外赴任前研修、「必須研修の全員受講」は3割未満、個人任せおよび未実施で3割超
「Q6.海外赴任前研修について、最も近い運用状況をお選びください。」(n=400)の回答では、「会社が複数の研修を提示し、個人が選択して受講している」が36.4%で最多、「会社が必須の研修を用意しており、全員が受講している」は28.0%にとどまりました。「基本的に個人の自主学習に任せている」24.3%や「未実施」7.5%もあり、体系的な研修体制が整備されている企業は限定的であることがわかります。特に、年間100名以上の赴任者を輩出する企業が4割を超える中で、必須研修の実施率が3割未満という状況は、派遣規模は拡大しているものの人材育成の仕組みが追いついていない現状が浮き彫りになりました。【画像: (リンク ») 】
■研修内容の上位は「安全対策」「語学」「異文化理解」、一方で家族支援やメンタル面は2割程度にとどまる
Q6で、海外赴任前研修を必須化または選択制で実施している企業(n=258)に対し、主な研修内容を尋ねたところ、「治安や危機管理などの安全対策研修」が59.3%で最多、次いで「語学研修」55.0%、「異文化理解研修」49.6%が続きました。一方で、「帯同家族向け研修」20.2%、「健康管理やメンタルヘルス研修」19.4%にとどまり、赴任者本人以外へのサポートは不十分であることが確認されました。
安全対策研修が最も高い実施率となっている背景には、近年の国際情勢の不安定化やテロリスクの高まりがあると考えられます。しかし、早期帰任理由(Q5)では、安全面よりも文化適応やコミュニケーションの問題が上位となっており、研修内容と実際のニーズにミスマッチが生じている可能性が示されています。
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■研修開始時期は「3か月前~半年未満」が最多、準備期間にばらつき
Q6で、海外赴任前研修を「必須化」または「選択制で実施」している企業(n=258)に対し、研修開始時期を尋ねたところ、「3か月前~半年未満」40.8%が最多、次いで「半年前~1年前未満」31.0%となりました。一方で「1か月未満(直前を含む)」も2.3%存在し、十分な準備期間が確保されていないケースも見受けられます。研修開始時期のばらつきの背景には、各企業の海外赴任に対する計画性や重要度の違いがあることが考えられます。こうした結果は、より戦略的な人材育成計画の必要性を示唆しています。
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■研修予算は「10万円以上~50万円未満」が7割超、投資額の頭打ちも
Q6で、海外赴任前研修を「必須化」または「選択制」で実施している企業(n=258)に対し、1名あたりの平均予算を尋ねたところ、「10万円以上~30万円未満」37.6%、「30万円以上~50万円未満」34.1%となり、合計で7割以上が10~50万円の予算を投じていることがわかりました。一方、「50万円以上」の予算を確保している企業が11.6%にとどまり、研修投資が一定水準以上に拡大していない実態も確認されました。ただし、矢野経済研究所の調査(※2)によれば、企業向け研修サービス市場は2025年度に6,130億円と拡大が予測されており、全体としては成長を続けています。こうした背景を踏まえると、企業にとって重要なのは単に予算を増やすことではなく、限られた投資をどう配分し、成果に直結する質の高い研修を実現するかという点です。
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■語学研修の実施形態、約7割が「オンライン英会話」
Q7で「語学研修」と回答した企業(n=142)に対し、実施形態を尋ねたところ、「オンライン英会話」66.9%が最多で、次いで「eラーニング」40.8%、「短期集中コーチングサービス」「通学型スクール」各39.4%が続きました。時間や場所の制約を受けにくいオンライン形式が中心となる一方で、「公開講座・セミナー」29.6%などの対面型研修は、ネットワーキングや情報共有の場として依然重要です。矢野経済研究所の調査でも示されているように、オンラインやeラーニングの普及は研修市場の成長を支える要因となっており、企業はコスト効率と研修の実効性をどう両立させるかが課題となっています。
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■トレーニー制度の導入は37.0%、代替プログラムを含めると8割以上が人材育成に投資
「Q11.グローバル人材育成の一環として、トレーニー制度を導入していますか。」(n=400)では、「導入している」37.0%、「導入していないが、社外研修機関や教育プログラムを導入している」46.7%となり、合計で8割以上の企業が何らかの形でグローバル人材育成に取り組んでいることがわかりました。
トレーニー制度は、実際の海外現場での実務経験を通じて人材を育成する効果的な手法として知られていますが、導入率が4割未満にとどまるのは、コストや運用の複雑さが障壁となっている可能性があります。また、代替プログラムを含めると8割超という数字は一見高い数値であるものの、「導入していない」9.5%の存在は、グローバル展開を進めながらも体系的な育成を行えていない企業が一定数あることを示しています。さらに、本調査で9割以上の企業に早期帰任者が発生している実態を踏まえると、座学中心の研修に加え、実務経験を通じた実践的な育成機会の拡充が急務といえるでしょう。
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■自由回答で自由回答で浮き彫りになった最大の課題は「海外赴任そのものへの意欲低下」
「Q12.海外赴任前研修や海外赴任人材の育成・選抜において感じている課題」(n=400)の自由回答では、198件の回答が寄せられました。最も多かったのは「人材確保・意欲」に関する課題43件で、希望者の減少や若手の海外志向の低下など、海外赴任そのものへの意欲低下が最大の課題であることが明らかになりました。
次いで「異文化適応・コミュニケーション」28件、「適性評価・人選」24件、「語学力」19件「研修体制・費用対効果」17件と続き、語学以外の要素がより重要視されていることが裏付けられました。
<カテゴリー別回答>
・人材確保・意欲(43件):希望者が少ない/若手の海外志向の低下/適任者がいない/駐在員の高齢化と固定化
・異文化適応・コミュニケーション(28件): 異文化に馴染めるか/現地での生活・慣習の違い/現地スタッフとの協働や関係構築の難しさ
・適性評価・人選(24件):適性の見極めが困難/ストレス耐性の判定が難しい/選抜基準の硬直化/人材の能力差
・語学力(19件):語学力が低い/英語が上達しない/実務能力が高くても語学が壁
・研修体制・費用対効果(17件):研修代が高価/形式的で実戦的でない/費用対効果が不明/教育が浸透しない
・その他(67件): 治安への不安/帰任後の離職/家族のサポート不足(※「特になし」が大半)
■まとめ
本調査は、海外赴任者を輩出している日本企業(従業員数500人以上)の人材育成・研修担当者400名を対象に、日本企業の海外赴任前研修の実態と課題を明らかにすることを目的に実施しました。
結果として、年間100名以上の赴任者を送り出す大規模なグローバル展開が進む一方で、必須研修を全員に受講させている企業は3割未満、個人任せや未実施も3割を超えるなど、研修体制の整備には大きなばらつきが見られました。
また、任期途中での帰任者が9割以上の企業で発生している実態も確認され、その理由として「文化適応の失敗」や「現地スタッフとのコミュニケーション不全」が「語学力不足」を上回る結果となりました。これは、従来の語学研修だけでは十分でなく、異文化理解研修こそが現地適応と早期帰任防止の核心であることを示しています。
さらに自由回答では、「海外赴任を希望する人材の減少」「若手世代の海外志向の低下」が最大の課題として挙がりました。グローバル展開が進む中で、海外赴任を「魅力あるキャリアパス」と認識してもらえるよう、異文化体験を通じた前向きな成長機会の提供や、帯同家族を含めた生活・教育環境の支援を充実させることも不可欠です。
今後は、語学中心の従来型から転換し、異文化理解を軸に、現地スタッフとの協働スキル、適性評価の高度化、帯同家族支援を含む包括的な研修体系を構築することが求められます。そのうえで、海外赴任を「挑戦したい」「成長できる」と思える環境を整えることが、早期帰任を防ぎ、持続的なグローバル人材育成を実現する鍵となるでしょう。
※1: 経済産業省「海外事業活動基本調査(2023年度実績)
(リンク »)
日本貿易振興機構(JETRO)「2024年度 海外進出日系企業実態調査(全世界編)」
(リンク »)
※2: ※矢野経済研究所「企業向け研修サービス市場に関する調査(2025年)」
(リンク »)
≪調査結果のご利用にあたって≫
本調査結果や掲載データをご紹介いただく際は、出典として「ビズメイツ株式会社」のクレジットを明記いただきますようお願いいたします。
また、ウェブサイトやオンラインメディアでのご利用の場合には、以下のリンクも併せてご掲載ください。
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■ビズメイツ株式会社について www.bizmates.co.jp (リンク »)
当社は2012年の創業以来、「もっと多くのビジネスパーソンが世界で活躍するために」をミッションに掲げ、語学事業と人材事業を通じて、人と企業のグローバル化を支援し、その成長を加速させるソリューションを提供しています。
語学事業では、ビジネス特化型オンライン英会話サービス「Bizmates (リンク ») (ビズメイツ) (リンク ») 」、英語コーチングサービス「Bizmates Coaching (リンク ») (ビズメイツコーチング) (リンク ») 」、および外国人向けビジネス特化型オンライン日本語会話サービス「Zipan (リンク ») (ジパン) (リンク ») 」を展開。人材事業では、グローバル人材と日本企業をつなぐ人材紹介サービス「G Talent (リンク ») (ジータレント) (リンク ») 」、およびグローバル人材の日本での転職支援プラットフォーム「GitTap (リンク ») (ギットタップ) (リンク ») 」を運営しています。
2023年3月に東京証券取引所グロース市場に上場(証券コード:9345)。人と企業がともに成長できる多様で豊かな社会の実現のために、テクノロジーを駆使しイノベーションを生み出すテックソリューションカンパニーを目指し、さらなる価値向上に挑戦し続けます。

2025年9月30日
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ビジネス特化型オンライン英会話サービス「Bizmates」を提供するビズメイツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鈴木 伸明 、以下「当社」)は、海外赴任者を輩出している日本企業(従業員数500人以上)の人材育成・研修担当者400名を対象に 「日本企業における『海外赴任前研修』の実態調査」を実施しました。
その結果、研修を必須化している企業は3割未満にとどまり、さらに個人任せや未実施も3割超に上るなど、研修体制の整備には大きなばらつきがあることが明らかになりました。また、9割以上の企業で途中帰任が発生しており、その主因は「語学力不足」ではなく「文化適応の失敗」や「現地コミュニケーション不全」でした。さらに「海外赴任を希望する人材の減少」「若手世代の海外志向の低下」が最大の課題として挙がり、語学研修だけでは不十分である実態が浮き彫りとなりました。
本調査を通じて、「異文化理解研修」を軸に据えた実践的な研修体系の強化と、海外赴任を魅力あるキャリアとして捉えられる仕組みづくりが、日本企業のグローバル人材戦略において急務であることが示されました。
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■調査概要
調査名:日本企業における「海外赴任前研修」の実態調査
調査方法:IDEATECH提供のリサーチマーケティング「リサピー®︎」を用いたインターネット調査
調査期間:2025年9月9日〜同年9月10日
有効回答:海外赴任者を輩出している日本企業(従業員数500人以上)の人材育成・研修担当者400名
※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。
■4割以上の企業が年間「101名以上」の海外赴任者を輩出、幅広い企業で人材派遣が進展
「Q1.お勤め先では、年間で何名程度海外赴任者を輩出していますか。」(n=400)の回答では、「101名以上」が44.3%で最多となり、次いで「11~50名」が21.8%という結果になりました。かつては大手企業を中心に行われていた海外赴任ですが、現在は多くの企業が一定規模以上の人材を継続的に派遣しており、幅広い企業で海外人材配置が進展している実態が浮き彫りになりました。
また、政府統計やJETRO調査でも、日本企業の現地法人の売上や設備投資は拡大傾向にあり、新興国を中心に事業拡大意欲が際立つことが報告されています。こうした背景を踏まえると、今回の調査結果は、海外事業を成長戦略の中核に据える企業姿勢を裏付けるものといえます。(※1)
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■海外赴任の平均派遣期間は「3~5年未満」が約4割で最多、事業展開や人材育成に中期スパンを確保
「Q2.お勤め先の海外赴任者の平均的な派遣期間を教えてください。」(n=400)の回答では、「3~5年未満」が38.6%で最多となり、「5年~10年未満」が21.8%、「1~3年未満」が18.5%と続きました。この結果から、多くの企業が3年以上の中期的な派遣を前提としており、現地での事業展開や人材育成には一定の時間をかける必要があると認識している実態が浮かび上がりました。特に「5~10年未満」や「10年以上」といった長期派遣も3割を超えており、海外赴任が一過性ではなく、組織的な経験蓄積や現地ネットワークの形成を重視した施策であることがうかがえます。
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■赴任者の選抜基準の上位は「語学力」「職務経験」「リーダーシップ」がほぼ同率、総合的な人材力を重視
「Q3.海外赴任者の選抜基準において最も重視している点を教えてください。」(n=400)の回答では、「語学力」15.9%、「職務経験・専門スキル」15.9%、「リーダーシップ」15.5%がほぼ同率で上位を占めました。続いて「コミュニケーション能力」13.8%、「ストレス耐性」13.5%が挙げられています。
この結果から、海外赴任者には語学力だけでなく、専門性・統率力・人間関係力・メンタル耐性といった多面的な資質が求められていることが浮き彫りになりました。単に「語学ができる」だけでは不十分であり、現地組織を牽引し、異文化環境で成果を出せる総合的な人材力こそが選抜基準の中心になっているといえます。
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■最も求められる英語スキルは「プレゼン能力」、マネジメントや交渉対応も重視
「Q4.海外赴任者に最も求められる英語スキルは何だと思いますか。」(n=400)の回答では、「プレゼンテーション能力」が25.4%で最多、「部下やチームに対するマネジメント力」23.0%、「会議や交渉での発言力」19.0%と続きました。
この結果は、海外赴任において単なる日常会話ではなく、ビジネスの現場で成果を出すための実践的な英語力が重視されていることを示しています。基礎的な英語スキルは前提条件とされ、そのうえで現地での事業提案や本社への報告を説得力をもって行う力、チームをリードする力が求められている実態が浮かび上がりました。一方で、「雑談や共感を通じて信頼関係を築くコミュニケーション力」が9.3%と低く、軽視されがちな傾向が見られます。しかし、Q5(早期帰任理由)で上位に挙がった「現地スタッフとのコミュニケーション不足」や「異文化不適応」を踏まえると、こうした非公式な場面でのコミュニケーション力の不足は、早期離脱リスクにも直結する課題であると言えます。
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■早期帰任の主因は「文化適応の失敗」「現地スタッフとの関係不全」—9割以上の企業で発生
「Q5.過去3年間に任期途中で帰国した海外赴任者がいた場合の主な理由」(n=400)では、「現地の文化や価値観になじめなかったため」35.0%、「現地スタッフとのコミュニケーションがうまくいかなかったため」33.8%が上位となりました。一方で「語学力が不十分で業務に支障が出たため」は18.8%にとどまり、語学力そのものよりも、異文化適応力や人間関係構築力の不足が早期帰任の主要因となっている実態が明らかになりました。「日本式の働き方に固執して現地のやり方に適応できなかったため」26.0%という回答も4人に1人の割合で見られ、日本のビジネス慣習をそのまま持ち込むことの限界を示しています。さらに、「帯同家族が生活や教育環境に適応できなかったため」17.5%という家族要因も無視できず、赴任者本人だけでなく家族を含めた包括的な支援の必要性が示唆されました。
なお、「該当なし(途中帰任者はいない)」は8.8%にとどまり、実に9割以上の企業で早期帰任者が発生していることも確認されました。
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■海外赴任前研修、「必須研修の全員受講」は3割未満、個人任せおよび未実施で3割超
「Q6.海外赴任前研修について、最も近い運用状況をお選びください。」(n=400)の回答では、「会社が複数の研修を提示し、個人が選択して受講している」が36.4%で最多、「会社が必須の研修を用意しており、全員が受講している」は28.0%にとどまりました。「基本的に個人の自主学習に任せている」24.3%や「未実施」7.5%もあり、体系的な研修体制が整備されている企業は限定的であることがわかります。特に、年間100名以上の赴任者を輩出する企業が4割を超える中で、必須研修の実施率が3割未満という状況は、派遣規模は拡大しているものの人材育成の仕組みが追いついていない現状が浮き彫りになりました。【画像: (リンク ») 】
■研修内容の上位は「安全対策」「語学」「異文化理解」、一方で家族支援やメンタル面は2割程度にとどまる
Q6で、海外赴任前研修を必須化または選択制で実施している企業(n=258)に対し、主な研修内容を尋ねたところ、「治安や危機管理などの安全対策研修」が59.3%で最多、次いで「語学研修」55.0%、「異文化理解研修」49.6%が続きました。一方で、「帯同家族向け研修」20.2%、「健康管理やメンタルヘルス研修」19.4%にとどまり、赴任者本人以外へのサポートは不十分であることが確認されました。
安全対策研修が最も高い実施率となっている背景には、近年の国際情勢の不安定化やテロリスクの高まりがあると考えられます。しかし、早期帰任理由(Q5)では、安全面よりも文化適応やコミュニケーションの問題が上位となっており、研修内容と実際のニーズにミスマッチが生じている可能性が示されています。
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■研修開始時期は「3か月前~半年未満」が最多、準備期間にばらつき
Q6で、海外赴任前研修を「必須化」または「選択制で実施」している企業(n=258)に対し、研修開始時期を尋ねたところ、「3か月前~半年未満」40.8%が最多、次いで「半年前~1年前未満」31.0%となりました。一方で「1か月未満(直前を含む)」も2.3%存在し、十分な準備期間が確保されていないケースも見受けられます。研修開始時期のばらつきの背景には、各企業の海外赴任に対する計画性や重要度の違いがあることが考えられます。こうした結果は、より戦略的な人材育成計画の必要性を示唆しています。
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■研修予算は「10万円以上~50万円未満」が7割超、投資額の頭打ちも
Q6で、海外赴任前研修を「必須化」または「選択制」で実施している企業(n=258)に対し、1名あたりの平均予算を尋ねたところ、「10万円以上~30万円未満」37.6%、「30万円以上~50万円未満」34.1%となり、合計で7割以上が10~50万円の予算を投じていることがわかりました。一方、「50万円以上」の予算を確保している企業が11.6%にとどまり、研修投資が一定水準以上に拡大していない実態も確認されました。ただし、矢野経済研究所の調査(※2)によれば、企業向け研修サービス市場は2025年度に6,130億円と拡大が予測されており、全体としては成長を続けています。こうした背景を踏まえると、企業にとって重要なのは単に予算を増やすことではなく、限られた投資をどう配分し、成果に直結する質の高い研修を実現するかという点です。
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■語学研修の実施形態、約7割が「オンライン英会話」
Q7で「語学研修」と回答した企業(n=142)に対し、実施形態を尋ねたところ、「オンライン英会話」66.9%が最多で、次いで「eラーニング」40.8%、「短期集中コーチングサービス」「通学型スクール」各39.4%が続きました。時間や場所の制約を受けにくいオンライン形式が中心となる一方で、「公開講座・セミナー」29.6%などの対面型研修は、ネットワーキングや情報共有の場として依然重要です。矢野経済研究所の調査でも示されているように、オンラインやeラーニングの普及は研修市場の成長を支える要因となっており、企業はコスト効率と研修の実効性をどう両立させるかが課題となっています。
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■トレーニー制度の導入は37.0%、代替プログラムを含めると8割以上が人材育成に投資
「Q11.グローバル人材育成の一環として、トレーニー制度を導入していますか。」(n=400)では、「導入している」37.0%、「導入していないが、社外研修機関や教育プログラムを導入している」46.7%となり、合計で8割以上の企業が何らかの形でグローバル人材育成に取り組んでいることがわかりました。
トレーニー制度は、実際の海外現場での実務経験を通じて人材を育成する効果的な手法として知られていますが、導入率が4割未満にとどまるのは、コストや運用の複雑さが障壁となっている可能性があります。また、代替プログラムを含めると8割超という数字は一見高い数値であるものの、「導入していない」9.5%の存在は、グローバル展開を進めながらも体系的な育成を行えていない企業が一定数あることを示しています。さらに、本調査で9割以上の企業に早期帰任者が発生している実態を踏まえると、座学中心の研修に加え、実務経験を通じた実践的な育成機会の拡充が急務といえるでしょう。
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■自由回答で自由回答で浮き彫りになった最大の課題は「海外赴任そのものへの意欲低下」
「Q12.海外赴任前研修や海外赴任人材の育成・選抜において感じている課題」(n=400)の自由回答では、198件の回答が寄せられました。最も多かったのは「人材確保・意欲」に関する課題43件で、希望者の減少や若手の海外志向の低下など、海外赴任そのものへの意欲低下が最大の課題であることが明らかになりました。
次いで「異文化適応・コミュニケーション」28件、「適性評価・人選」24件、「語学力」19件「研修体制・費用対効果」17件と続き、語学以外の要素がより重要視されていることが裏付けられました。
<カテゴリー別回答>
・人材確保・意欲(43件):希望者が少ない/若手の海外志向の低下/適任者がいない/駐在員の高齢化と固定化
・異文化適応・コミュニケーション(28件): 異文化に馴染めるか/現地での生活・慣習の違い/現地スタッフとの協働や関係構築の難しさ
・適性評価・人選(24件):適性の見極めが困難/ストレス耐性の判定が難しい/選抜基準の硬直化/人材の能力差
・語学力(19件):語学力が低い/英語が上達しない/実務能力が高くても語学が壁
・研修体制・費用対効果(17件):研修代が高価/形式的で実戦的でない/費用対効果が不明/教育が浸透しない
・その他(67件): 治安への不安/帰任後の離職/家族のサポート不足(※「特になし」が大半)
■まとめ
本調査は、海外赴任者を輩出している日本企業(従業員数500人以上)の人材育成・研修担当者400名を対象に、日本企業の海外赴任前研修の実態と課題を明らかにすることを目的に実施しました。
結果として、年間100名以上の赴任者を送り出す大規模なグローバル展開が進む一方で、必須研修を全員に受講させている企業は3割未満、個人任せや未実施も3割を超えるなど、研修体制の整備には大きなばらつきが見られました。
また、任期途中での帰任者が9割以上の企業で発生している実態も確認され、その理由として「文化適応の失敗」や「現地スタッフとのコミュニケーション不全」が「語学力不足」を上回る結果となりました。これは、従来の語学研修だけでは十分でなく、異文化理解研修こそが現地適応と早期帰任防止の核心であることを示しています。
さらに自由回答では、「海外赴任を希望する人材の減少」「若手世代の海外志向の低下」が最大の課題として挙がりました。グローバル展開が進む中で、海外赴任を「魅力あるキャリアパス」と認識してもらえるよう、異文化体験を通じた前向きな成長機会の提供や、帯同家族を含めた生活・教育環境の支援を充実させることも不可欠です。
今後は、語学中心の従来型から転換し、異文化理解を軸に、現地スタッフとの協働スキル、適性評価の高度化、帯同家族支援を含む包括的な研修体系を構築することが求められます。そのうえで、海外赴任を「挑戦したい」「成長できる」と思える環境を整えることが、早期帰任を防ぎ、持続的なグローバル人材育成を実現する鍵となるでしょう。
※1: 経済産業省「海外事業活動基本調査(2023年度実績)
(リンク »)
日本貿易振興機構(JETRO)「2024年度 海外進出日系企業実態調査(全世界編)」
(リンク »)
※2: ※矢野経済研究所「企業向け研修サービス市場に関する調査(2025年)」
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語学事業では、ビジネス特化型オンライン英会話サービス「Bizmates (リンク ») (ビズメイツ) (リンク ») 」、英語コーチングサービス「Bizmates Coaching (リンク ») (ビズメイツコーチング) (リンク ») 」、および外国人向けビジネス特化型オンライン日本語会話サービス「Zipan (リンク ») (ジパン) (リンク ») 」を展開。人材事業では、グローバル人材と日本企業をつなぐ人材紹介サービス「G Talent (リンク ») (ジータレント) (リンク ») 」、およびグローバル人材の日本での転職支援プラットフォーム「GitTap (リンク ») (ギットタップ) (リンク ») 」を運営しています。
2023年3月に東京証券取引所グロース市場に上場(証券コード:9345)。人と企業がともに成長できる多様で豊かな社会の実現のために、テクノロジーを駆使しイノベーションを生み出すテックソリューションカンパニーを目指し、さらなる価値向上に挑戦し続けます。

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