昭和医科大学(東京都品川区/学長:上條由美)の研究グループは、白ワイン製造時に発生する未利用資源「ワイン残渣(ポマス)」に含まれるポリフェノールに着目し、紫外線照射によって従来にない新規構造を有する抗酸化物質の創出に成功しました。
本研究成果は、廃棄されていた資源の高付加価値化に加え、創薬や機能性素材開発への応用が期待されます。なお、本技術は特許出願済みです。
■研究の背景
ワイン製造過程で生じるブドウ残渣(ポマス)は、ポリフェノールを豊富に含むにもかかわらず、その多くが廃棄されている未利用資源です。特に白ワイン残渣にはフラバン-3-オール類(エピカテキンなど)が多く残存しており、その有効活用が課題となっていました。
ポリフェノールは、植物が紫外線などの環境ストレスから身を守るために産生する成分であり、その構造変換による機能性向上が注目されています。
■研究内容
本研究では、白ワイン残渣由来の主要成分であるエピカテキンに紫外線を照射することで、新規化合物(Compound X)を創出しました。
構造解析の結果、この化合物は、bicyclo[2.2.2]octane型骨格を有する新規ポリフェノール構造であることが明らかとなりました。
さらに、ESR法による評価により、既知の抗酸化物質(ビタミンC、ビタミンE、EGCgなど)と比較して、低濃度領域において高いヒドロキシラジカル消去活性を示すことが確認されました。
■研究のポイント
未利用資源(白ワイン残渣)から新規機能性物質を創出
紫外線照射による「光誘起構造変換」という新しい手法
従来にない三次元構造(bicyclo骨格)を持つポリフェノール
既存抗酸化物質と比較して高い抗酸化活性を示唆
特許出願技術としての産業応用の可能性
■意義と今後の展開
本研究は、天然物を抽出するだけでなく、光エネルギーを利用して分子構造を変換し、新たな機能性物質を創出する可能性を示すものです。
本技術は、酸化ストレス関連疾患を対象とした医薬品分野をはじめ、機能性食品や化粧品分野などへの応用が期待されます。
また、未利用資源の有効利用という観点から、持続可能な社会の実現への貢献も期待されます。
■学会発表について
本研究成果は、日本薬学会第146年会(2026年3月26日~29日:大阪)にて発表され、新規ポリフェノール化合物の構造および機能性に関して、多くの研究者から高い関心が寄せられました。
■研究成果の公表情報
【論文タイトル】
Creation and Functional Evaluation of a Novel Antioxidant Compound via UV-Induced Structural Transformation of Epicatechin from White Wine Pomace
【著 者】
Mana Tsukada, Yuki Odanaka, Yuka Koike, Masaya Fujishiro, Takehiko Sambe, Kiyoshi Fukuhara
【掲載誌】
ACS Omega(2026年1月5日掲載)
【DOI】
10.1021/acsomega.5c10089
【掲載URL】
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【研究助成】
本研究は、日本学術振興会(JSPS)科学研究費助成事業(若手研究)の支援を受けて実施されました。
■知的財産
本研究に関連する技術は、国際特許出願(WO-A1-2025/150492)として公開されています。
■社会実装に向けた取り組み
本研究成果は、大学発ベンチャーである株式会社旗ケ岡ネイチャー研究所において、機能性素材としての応用可能性の検討が進められています。
詳細は以下をご参照ください。
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■利益相反(COI)
本研究に関連する技術について、著者の一部は大学発ベンチャー企業と関係を有しています。
■研究代表者:塚田愛講師のコメント
本研究は、未利用資源と光エネルギーを活用した新たな分子創出技術を提示するものであり、特許出願技術として、創薬・機能性素材分野への応用展開が期待されます。
▼本件に関する問い合わせ先
昭和医科大学 統括研究推進センター 講師
塚田 愛
TEL: 03-3784-8019
E-mail: m-tsukada@med.showa-u.ac.jp
▼本件リリース元
学校法人 昭和医科大学 総務部 総務課 大学広報係
TEL: 03-3784-8059
E-mail:press@ofc.showa-u.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター (リンク »)
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