オープンシステムのノウハウ活用して重い業務に耐えうるシステムを作れるという強み--NEC - (page 3)

田中好伸(編集部)

2007-09-10 08:00

 OSSは確かに発展してきてはいるものの、これまでUNIXサーバでこなしていたシステムの規模をOSSだけで運用し続けるには、やはり問題があるという証左だ。ユーザー企業の信頼を勝ち取る一手段として、NECでは、商用ミドルウェアとの組み合わせを提言しているのである。

クラッシュダンプ機能の強化はコミュニティーとの協業

 (3)の社会インフラを中心とした基幹系システムでは、UNIXをベースにしたシステムで、NECが培ってきた“オープンミッションクリティカルシステム(Open Mission Critical System:OMCS)”のノウハウと組み込み系やHPCの領域の技術を、Linux基盤の基幹系システム構築に適用するというものだ。NECは、これを「エンタープライズLinuxソリューション for MC」としている。

 Linuxを基盤にしたミッションクリティカル(MC)なシステムについて同社ではこれまでも、取り組みを続けてきているが、このエンタープライズLinuxソリューション for MCでは、プラットフォーム、SI、サポート・サービスの3点でソリューションを強化しているという。

 プラットフォームの点では、OS自体のMC性を強化するために、Linux開発コミュニティーとの協業を展開してきている。Linuxのファイルシステムである「ext3」での最大サイズ拡大やクラッシュダンプ機能「Kdump」の機能強化は、コミュニティーとの協業で行われたものであり、RHEL 5の機能強化に貢献しているという。また、今後は次期Linuxカーネルの可用性・運用性の各機能を、コミュニティーやディストリビュータなどと協業しながら強化していく方針を明らかにしている。

 SIの点では、「構築Suite」による基幹系システムを構築していく。構築Suiteは、先に紹介した構築Suite OSS+と基本は同じようなものだが、大きく異なるのが、DBサーバに「Oracle Database 10g」を、APサーバにNEC製の「WebOTX」を用いることができるという点だ。これも、信頼性という視点で商用ソフトが優れているとNECが判断したためである。

 HA(High Availability)サポートでは、サーバからOS、ミドルウェア、ストレージに至るまでシステム全体をサポートするというものであり、予防保守の「プロアクティブサービス」と障害復旧の「リアクティブサポート」の二つを組み合わせて、システム全体の高可用性をサポートしようというものだ。プロアクティブでは、遠隔地からの24時間365日体制でのハードウェア障害監視などが、リアクティブでは、障害が実際起きた際に技術者が優先して原因究明を行い、回避策を提供するということも提供されるという。

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