日本SIGのオープン化やOSSコミュニティとの協調路線を表明したリバティ・アライアンス

山下竜大(編集部) 2007年06月14日 22時52分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 リバティ・アライアンスは6月14日、最新の技術動向や採用事例、日本SIG(Special Interest Group)のオープン化など、日本市場における新たな運営方針についてプレス向けに紹介する説明会を開催した。

 2007年の注力分野としては、「普及促進」「オープン化の推進」「他の技術やコミュニティなどとの協調」の大きく3つ。リバティアライアンスにおける普及促進では、Web2.0環境におけるアイデンティティ管理に対応するほか、内部統制や保守運用など、現場のニーズに即した仕様の策定、相互運用性試験へのオンラインによる参加などを推進する。

リバティの高橋氏 リバティ・アライアンスの共同議長である高橋健司氏。

 また、オープン化の推進では、リバティ・アライアンスに対応したオープンソースソフトウェア(OSS)を開発するためのコミュニティ「openLiberty.org」を開設したほか、日本SIGをオープン化することでSIGの活動を公開し、会員以外も参加できる環境を整えている。また、新たに公開メーリングリストでの議論の場を提供する。

 さらに、他の技術やコミュニティなどとの協調では、リバティ・アライアンスとは独立した組織である「Concordia Project」を展開。インターネットにおけるアイデンティティ管理の相互運用性を目指している。

 リバティ・アライアンスの共同議長である高橋健司氏(日本電信電話 情報流通プラットフォーム研究所)は、「日本におけるアイデンティティ管理において、これまでは技術中心の取り組みだったが、今後はビジネスや生活、社会、規制など、幅広く議論を展開できる場を提供していきたい」と話す。

 今後は、セミナーや討論会の開催、Wikiを活用した情報交換、事例や白書の作成および公開、海外の仕様や白書の翻訳、公開メーリングリストでの議論などを実施していく計画。2007年10月26日には、世界各国で展開されているリバティ・アライアンス主催イベント「Liberty Alliance Day 2007」も開催される。

 高橋氏は、「日本語で、情報交換ができ、議論できることが日本SIGの存在意義だ。特に、Web2.0の分野は、まだまだセキュリティ上の問題を数多く抱えている。そこで、Web2.0的なビジネスを展開しているベンチャー企業に参加してほしい」と話している。

 一方、注目技術とその方向性としては、Concordia Project、アイデンティティ・ガバナンス、アイデンティティ・プロビジョニングの3つのプロジェクトを推進している。

 Concordia Projectは、CardSpaceやOpenID、OSSコミュニティなどと、幅広く協力することで、リバティ・アライアンス仕様に基づいて、相互運用性を確立することを目的としている。プロジェクト名の“Concordia”とは、ローマ神話で、合意、理解、夫婦間の調和の神を意味するという。

リバティの五味氏 リバティ・アライアンスの共同議長である五味秀仁氏。

 リバティ・アライアンスの共同議長である五味秀仁氏(NEC サービスプラットフォーム研究所)は、「Concordia Projectを推進することで、開発コストの削減やさらなる開発生産性の向上、オープンソースの促進、新たな市場の創出などの効果が期待できる。また今日、さらに明日の開発者に安心感を提供できる」と話している。

 また、アイデンティティ・ガバナンスは、内部統制やコンプライアンスの強化を目的とした属性情報の取り扱いに関する技術仕様。さらに、アイデンティティ・プロビジョニングは、アイデンティティ情報の一括作成や一括連携のための技術使用。標準化団体であるOASISの「SPML(Service Provisioning Markup Language)」の機能が拡張されている。両仕様とも近く一般公開が予定されている。

 そのほか日本の事例として、情報通信研究機構(NICT)の委託研究が紹介されている。具体的には、「異なるCA間の認証ローミング技術に関する研究開発」。2007年4月に新規メンバー企業としてリバティ・アライアンスに参加を表明した三菱電機が中心となって認証方式を開発し、デモンストレーションも公開した。2005年度、2006年度の2年計画で実施されている。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連キーワード
セキュリティ

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]