「情報通信白書」最新版を読む

「情報通信白書」最新版に見るICTの現在(前編)--世界で戦うには何が必要か - (page 2)

田島逸郎

2014-10-03 07:00

 途上国でのICT普及は著しく、2014年にはインターネットで100人あたり32.4人、携帯電話で90.2契約となっている。携帯電話は多くの発展途上国を含む地域で販売が伸びており、特に中国やインドなどではスマートフォンが急激に販売を伸ばしている。


「住民100人あたりの携帯電話契約数」
出典:「平成26年版情報通信白書」(総務省)
原出典:ITU「Global numbers of individuals using the Internet, total and per 100 inhabitants, 2001-2014」

 アフリカでも携帯電話の普及率が84.9%で、スマートフォンが携帯電話出荷台数の18%を占めている。アフリカ資本の携帯電話メーカーも隆盛しており、インフラの事情(第2世代携帯電話が多い)や、電力事情などに考慮した端末も販売されている。

 途上国では、ICTが生活に欠かせないインフラとなりつつあり、社会のさまざまな課題を解決している。出稼ぎ先からの送金にはモバイル送金が広く使われるようになり、2300万人が利用するようになっている。また、「Massive Open Online Courses(MOOCs)」というオンライン教育プラットフォームが途上国に高等教育の機会を与えており、日本を含んだ世界の大学が講座を開講している。

 アフリカでは農業が急激に成長しているが、特に情報流通の観点でICTが活用されている。農業従事者、消費者、仲買人が価格情報を入力、提供できる「Rural eMarket」や、家畜の飼育や売買情報を提供する「iCow」などのサービスが利用されている。また、深刻となっているHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の問題についても、通院の情報を提供する「TxtAlert」など生活に密着した治療や薬に関する情報提供などの“モバイルヘルス”が活用されている。


「TxtAlert概要」
出典:「平成26年版情報通信白書」(総務省)

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