みずほ信託銀、不動産仲介システム刷新--Dynamicsで集約進める

ZDNET Japan Staff

2014-11-21 13:09

 みずほ信託銀行は4月、業務効率向上のための基幹システム改革の一環として、不動産仲介業務システムを「Microsoft Dynamics CRM」で刷新した。行内に分散していたファイルサーバやメールシステムを1つのCRMシステムに集約し、情報活用の迅速化とシステム連携基盤を確立。柔軟な顧客対応を実現する狙いがある。

 不動産仲介業務では、市場の動向を見据えながら顧客の希望に合った物件を提案するため、情報活用における俊敏性が不可欠という。それを実現するため、軸となる不動産仲介システムをDynamics CRMで全面的に刷新した。

 同行は、銀行、信託、証券を連携した企業経営とコーポレートガバナンスを目指しているみずほフィナンシャルグループの一角と位置づけられており、基幹システム刷新の大規模なプロジェクトが進行中という。

 一方で、リーマンショック以降ガバナンスの強化が求められるようになっており、不動産仲介システムの刷新も、その取り組みの延長上の取り組みだ。

 直接のきっかけはハードウェアの老朽化と保守への懸念だった。ただ、旧システムは入力項目が多すぎるなどユーザビリティに問題が多く、現場のユーザーから敬遠されていたという。結果として、各自が持つ情報をグループウェアやファイルサーバ上にため込み、行内に散在したままになってしまい、非効率的な運用になっていた。

 システム刷新の検討が始まったのは、2012年6月。開発目標や要件の洗い出し、開発方針の策定と並行して、当初はフルスクラッチ開発やパッケージ製品などさまざまな開発、導入の手法が検討されたという。同7月以降は、営業のマネージャーや担当者を対象にしたヒアリングが始まり「データ管理の適正化」「効率的なコミュニケーション方法の確立」といった具体的な開発方針が固まった。同12月からは、Dynamics CRMの活用を前提とした基本計画に着手した。

 最終的にDynamics CRMを採用した理由として、主な開発要件がパッケージの基本機能でカバーできること、導入実績の多さ、Officeとの連携が容易であることなどを挙げている。

 運用面でも改善があった。システム全体をデータセンター内にホスティングしているため 、安定性や可用性が向上した。さらに不動産仲介業務には不可欠の、堅牢な情報セキュリティが担保されたとしている。

システム構成図
システム構成図

 サービスインから半年が過ぎ、既に現場のユーザーからはさまざまな改善、新規要望が出てきているという。こうした声にも、旧システムのころに比べ、はるかにスピーディに対応できるようになったとのこと。

 今回の不動産仲介システムでの実績を踏まえ、今後はDynamics CRMをさらに広い範囲に展開する考えだ。行内には、他にも不動産業務にかかわるさまざまなシステムが「サイロ型」に構築されているとのこと。これらを集約、再構築することで管理の一元化とコストの低減を図るとしている。

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