EMCジャパンは12月18日、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを統合したクラウド構築サービス「EMC Enterprise Hybrid Cloudソリューション（EHCソリューション）」の提供を開始する。
プライベートクラウドを構築する企業を対象に、テスト済みのソフトウェア、統合されたインフラ、セルフサービステンプレートとワークフローで定義されたサービスなどEHCとして認定されたシステムに対して、EMCカスタマーサービスが単一窓口でサポートする。
システム導入を短期化
EMCジャパンの執行役員 システムズエンジニアリング本部長を務める飯塚力哉氏
EMCジャパンの執行役員 システムズエンジニアリング本部長を務める飯塚力哉氏は「従来は数カ月、長ければ半年かかっていた導入までの期間を4週間に短縮する」と話す。
スタート段階ではVMWareの技術を採用したSDDC（Software Defined DataCenter） Editionを提供する。さらに、2015年には「Microsoft Edition」「OpenStack Edition」を追加する。
EHCソリューションは「新しいビジネスニーズに素早く対応し、資源の有効活用、見える化とコントロールを実現するといった要素に対応するために、このタイミングで新製品をリリースする必要があると考えた」（飯塚氏）と、激しく変化するビジネス環境に対応する新ソリューションとして提供するとEMCは説明する。
特徴として、導入前にテスト、セルフサービスを実施するためのセルフサービステンプレート、オーケストレーションのワークフローが設定され、工場出荷時とパートナー出荷時に構成されたものを提供する。独自設定を望むユーザーには、ユーザー独自のアドオンモジュールを用意する。
サービスを強化
プロフェッショナルサービス本部サービスラインマネジメント部の部長を務める坂上知見氏
EHCソリューションの導入をサポートするために新たに提供するのが「EMC Hybrid Cloud Service」だ。
プロフェッショナルサービス本部サービスラインマネジメント部の部長を務める坂上知見氏は「当社のサービス部門には、保守を担当するカスタマーサービス、コンサルティングを提供するプロフェッショナルサービス、教育を実施するエデュケーションサービスがあり、3つが一体となる」と説明する。
EMC Hybrid Cloud Serviceでは具体的に、導入前に既存の環境にどのように手を入れていくのかの検討、新技術の評価支援、実機検証、導入構成の確定といったEHCアーキテクチャおよびデザインサービス、詳細設計、インストールテスト、既存環境からの移行などのEHCインプリテーションサービスなどを提供する。
また、導入後の最適運用のために、仕組みを作り、チーム能力を向上させることを目的とした最適なクラウド運営設計、継続的な改善提案を行うEHCオプティマイゼーションサービス、運用定着化の支援、運用の内製化を支援するEHCオペレーションサービスも提供する。さらに、エデュケーションサービス、カスタマーサービスも展開する。
導入検討段階前の支援としても、顧客のステージに合わせた最適な支援を行う。「IT TRANSFORMATION WORKSHOP」は、自社の変革が他社の先を行っているのか、遅れをとっているのか、今後の技術トレンドや他社の事例はどうなっているのか、プロジェクト促進要因となるような主要な優先項目など、戦略の明確化を支援する。
また、「Cloud Advisory Service」では、システムの棚卸しとクラウド活用方針を定義するために、システムの棚卸、適材適所の検討、活用フェーズにおいても選定基準策定、配置先の検討などを実施する。
またEducation Serviceとして現在提供中の教育コースに加え、「EMC Enterprise Hybrid Cloud Federation SDDC Edition Fundamentals」「EMC Enterprise Hybrid Cloud with VMware Operations」という新しいコースを今後提供する予定としている。
