Windows Server 2003のサポート終了(2015年7月)まで1年を切り、同OSで稼働するシステムの更新はまったなしの段階に来ている。だが、単にOSをアップグレードすればいいわけではない。仮想化やクラウド、ビッグデータ、IoTなど、この10年間で生じたITの変化に対応しつつ、どうやってコストダウンを実現するか。独自のアーキテクチャで柔軟なIT基盤を提供するシスコシステムズの「Cisco UCS」シリーズは、将来的なITの変化に対してもIT投資を保護することができるサーバ製品だ。
ITのストラテジーの変化
Windows Server 2003が登場してからの10年間において、システム構築に関わる大きな変化の一つが仮想化の普及だ。Windows Serverでもバージョン2008からハイパーバイザの「Hyper-V」が搭載され、サーバの処理能力の向上やネットワークとストレージの帯域の拡大を背景に、仮想化によるサーバの集約はごく普通のことになっている。サーバに始まった仮想化は、ストレージやネットワークにも波及し、現在ではパブリックおよびプライベートのクラウドというかたちでコンピューター・リソースを抽象化して運用することが可能になった。
仮想化技術はコンピューター・リソースの高効率な運用を可能にするものの、Windows Server 2003時代のオンプレミス・システムを運用しているIT部門にとっては、そのストラテジーのギャップがOS乗り換えに伴う不安材料として重くのしかかっているのが現状だ。
また、乗り換えに伴うコストに対して、経営側の理解がなかなか得られないという話も聞く。OSのサポート終了が意味するところは、今年4月のWindows XPのサポート終了である程度は認識されているものの、外部からのアクセスがない社内サーバならそのまま使い続けても問題ないのではないか、という誤解もいまだに見られる。結果として、大幅なコストダウンやビジネス貢献といった乗り換え効果を示さなければ、予算を付けてもらえないというIT部門も多い。
中村智氏
シスコシステムズ合同会社
APJデータセンターバーチャライゼーション
UCSビジネス日本担当
こうしたITを取り巻く環境の変化について、シスコシステムズの中村智氏は次のように語る。
「従来のITは、自動化とコスト削減が主な役割でしたが、ビジネス環境がめまぐるしく変化する現在では、ビジネスの変更に素早く対応して新しいビジネス創出に貢献できることがITに求められるようになっています。シスコシステムズでは、こうした新しいITのあり方を『Fast IT』と呼んでいます」
ビジネスに貢献できるITには、「Fast IT」が必要