モバイルを意識した正常進化
――「Citrix XenApp 7.5」の優位性
既存のWindowsアプリケーションを、プラットフォームが異なるデバイスで利用するには、個々のプラットフォームに合わせてアプリケーションを変更する必要がある。こうした際に有用なのが、アプリケーション仮想化ソフトの「Citrix XenApp (以下、XenApp)」だ。最新版であるXenApp 7.5は、MacOSやiOS、Androidを含む、30種類を超えるOSに対し、Windowsアプリケーションを最適化された形で配信できる。
また、パフォーマンスも従来版と比較し、大幅に向上した。「Citrix HDX Mobile」技術により、Flashなどのマルチメディアコンテンツ、コラボレーション、USBデバイス、3D グラフィクスなども、高品位なユーザー体験の提供が可能となっている。さらに、不安定なモバイルのネットワーク環境を意識した最適化なども、パフォーマンス強化の一翼を担っている。
もう1つ特筆すべきは、クラウド環境への展開も容易さである。「Citrix CloudPlatform」や「AWS(Amazon Web Service)」などのクラウドに、直接プロビジョニングを行うことができるため、オンプレミスと同じ手順で展開が可能だ。短期間でのリソース増強や災害復旧、事業継続性に関連するオンデマンドのキャパシティ追加など、パブリック・クラウドを利用する場合には有効な機能だろう。初期投資を最小化するという観点からも、そのメリットは大きい。
※クリックすると拡大画像が見られます
※クリックすると拡大画像が見られます
XenApp7.5の導入前と導入後の画面比較。ユーザービリティを損なうことなく利用できる
VDIで高パフォーマンスと集約率、セキュリティ強化も実現
――「Citrix Desktop 7.5」で生産性向上
展開コストやセキュリティの観点から、特定のアプリケーションのみ仮想化環境で利用しているユーザーも多いのではないだろうか。アプリケーション仮想化の延長線上として、デスクトップ仮想化(以下、VDI)を検討している企業も少なくないと聞く。
実は、Windows Server 2003からの移行は、今までXenAppのみを利用していたユーザーが、XenDesktopへ"アップグレード"する絶好のタイミングだ。VDI導入により、さらにリッチで柔軟性の高い環境を享受できる。
たとえばXenDesktop 7.5では、NVIDIA社の「GPU仮想化」技術との組み合わせで、高いパフォーマンスと集約率を両立することが可能になった。実際、3D CADを日常的に使用する製造業の現場でもXenDesktopは導入されている。
さらに、もともと機密情報や知的財産をデータセンターで一元管理することで、情報漏えい対策として有効であったが、より幅広いアプリケーションやデータを扱うことができるようになった。たとえば、製造業においてはCADで扱われる設計データは重要な知的財産であるが、これらもモバイル環境で安全に扱うことができるようになり、セキュリティを強化しつつ、生産性が大きく向上することが期待できる。