実は着実な進化を重ねていた--リモートからOS再セットアップも!
もしかしたら、インテル® vProTM テクノロジーについて「でも導入が面倒なんでしょ?」といった思い込みを持つ人がいるかもしれないが、それはおそらく過去の印象だ。実は着々とアップデートを重ね、非常に実用的で実力のあるものに成長している。特にリモート管理を実現する機能が2010年に搭載されてからは、利用価値が一段と高くなった。
具体的にインテル® vProTM テクノロジーで何ができるのかを紹介しよう。まず、先に挙げたようなブルースクリーン状態やWindows起動前状態などのトラブルに対応できる。
これはインテル® vProTM テクノロジーがマザーボード上にセットされているもので、OSより下のレイヤーで動くためだ。そのため、BIOSに問題がある場合、リモートで直接BIOS画面を確認しながら作業することができる。たとえばデルのPCならば電源投入直後に表示されるデルのロゴから、リモートで見ることができてしまうのだ。これで非常に多くのトラブルに対応可能になる。
遠隔地のドライブをマウントすることもできる。たとえば何が原因で起動しないのかわからない場合、IT管理者の手元にあるマシン等が持つドライブをマウントして起動することも可能だ。OSイメージを流し込んで再セットアップすることもできる。これによって状況が改善することも当然あるが、これで解決できなければHDDの問題であると切り分けられることの効果も大きい。もちろんHDD換装となればIT管理者の出張が必要になるが、事前に状況を確認して新たなHDDを持って行くことができるということになり、ムダがない。
トラブル対応も電源管理もリモートで実現
また、電源管理ができることの価値も大きい。まず、電源が完全に切れた状態からの起動も可能だ。起動するだけならばWake On LANという方法もあるが、実はWindowsが正常終了しなかった場合、次の起動がWake On LANでは行えない。確実にリモートで電源をオンにできることで、休日や夜間に全拠点のPCを遠隔地から操作し、強制的にアップデートの適用や、設定変更を行うことも可能だ。当然電源オフにもできるから、電源をオフにせずスリープ運用している社員がいても、強制的にシャットダウンさせられる。
導入にあたっては、まずクライアントPCがインテル® vProTM テクノロジーに対応していることが必要だ。対応しているならば、BIOS設定でDisableになっていても、リモートでEnableにすることが可能だ。管理のためのツールもインテルが提供している。これまで利用してきた管理ツールと組み合わせて利用することで、IT管理者は効率的な管理を実現することができるのだ。
OS起動不可でもリモート操作が可能な仕組み
このようにOSの下の階層でME(マネージメントエンジン)が動くため、OSフリーズ時でもNICドライバ不調でも、リモートでの遠隔操作が可能になる。
そのため、このような状況でもIT管理者はリモートで操作が可能!