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 AI・ビッグデータ活用システムを激変させる”コンポーザブルインフラ”の魅力 〜どうする?オンプレミスのモダナイゼーション〜

AI・ビッグデータ活用システムを激変させる
”コンポーザブルインフラ”の魅力

ビッグデータやAIに代表される、大量のリソースを要求するワークロードのために、近年「コンポーザブルインフラ」という新たなインフラの形態が提唱されている。コンピューティングとストレージ、ネットワークの各リソースを分離してプール化し、柔軟に割り振って物理インフラとして構成できるというものだ。その新たなインフラソリューションを、日本では4社が手を組んで市場に提供しようとしている。

クラウドにロックインされがちなモダンアプリケーションの課題

 今や多くの企業が、ビッグデータやAIに代表される最新のデジタル技術を活用し、ビジネスを変革しようとしている。こうした、「モダンアプリケーション」とも呼ばれる新たなワークロードの多くは、大規模なリソースが必要となる場面が多い上に、要求されるリソース量が状況により変動することも少なくない。そのため、しばしばパブリッククラウド上で運用されている。

 クラウドならコンピューティングとストレージのリソースを柔軟に変化させることができ、リソース要求に合わせた運用により投資を抑えることができる。またクラウド事業者がモダンアプリケーション向けのフレームワークを提供していることも多く、本番システムが稼働する環境としても、パブリッククラウド利用の価値がある。その反面、リソースを大量に使用すればコストがかさみ、実ビジネスに活用するとなれば損益分岐点が厳しくなってしまう。また、別のクラウド事業者やオンプレミス環境にデータを移そうとすれば、その転送で高額の課金が発生する場合もあり、ロックインされかねないという問題点も指摘されている。

 一方、オンプレミス環境でモダンアプリケーションのインフラを構築する場合、比較的低コストな汎用サーバを多数積み上げるような形態が広く用いられてきた。そもそもビッグデータ用ミドルウェアは、こうしたスケールアウト構成を採用することで、初期コストを抑えながら大規模なリソースを実現しようと開発されてきたものだ。

 ただし、単純なスケールアウト構成では、記憶領域としてサーバ内蔵ストレージを使うためリソース比率を変えることが容易でなく、実運用においてはオーバープロビジョニングを生じがちだ。この課題に対し、比較的柔軟に構成を変更できるようにしたアプライアンス製品も登場しているが、そのようなハードウェアの選択肢は限られる上に、全体的に見て割高な傾向がある。そしていずれにせよ、オンプレミス環境での既存の選択肢は、個別ワークロードごとにサイロ化しやすく、なかなかリソースの無駄は減らせない。

大規模リソースを柔軟に割り振るコンポーザブルインフラ

 モダンアプリケーションをオンプレミスで運用しようとするユーザーが期待しているのは、大規模リソースを柔軟に提供できるオンプレミスのプラットフォームだ。近年、この期待に応えるべく、オンプレミス環境でスケールアウトを実現しつつ、クラウドに近い柔軟性を実現するインフラとして、「コンポーザブルインフラ」が提唱されるようになってきた。コンピューティングとストレージ、ネットワークの各リソースを分離してプール化し、それらを柔軟に割り振って物理インフラを構成(Compose)できるというものだ。そしていくつかの企業が、実際のインフラソリューションを市場に登場してきている。

 その一つが、米国で2013年に創業したDriveScaleだ。2018年8月には日本支店を設立し、アジア太平洋地域のビジネスを本格的に始動した。日本支店代表で、米国本社の執行役員でもある五味俊治氏は、同社のソリューションについて「ベアメタルクラウドのスケールアウトを実現し、モダンアプリケーションをパブリッククラウドからオンプレミスに回帰させるもの。インフラのリソースプールから、各アプリケーションに必要なリソースを切り出し、2分で構成できる俊敏性があります」と説明する。

 DriveScaleでは、このような機能を実現するソフトウェアを開発・販売しており、ハードウェアには汎用サーバなどを用いることになる。そして2019年3月には、Dell Technologiesが同社をティア1のエンタープライズインフラ・グローバルパートナーに認定し、Dell TechnologiesのハードウェアソリューションとDriveScaleのソフトウェアの組み合わせをグローバルで展開し始めた。

 コンポーザブルインフラ用途で特に有力とみられるDell Technologiesのハードウェア製品が、モジュラー型インフラストラクチャ「Dell EMC PowerEdge MX」だ。シャーシ内にコンピューティング、ストレージ、ネットワーキングの各モジュールを組み込んで構成することにより、優れた拡張性や技術アップデートへの対応を実現した。PowerEdge MXにも高度な統合管理ソフトウェアが組み込まれており、かなり柔軟な構成を可能にしているが、そこにDriveScaleのソフトウェアを組み合わせることで、本物のコンポーザブルインフラになるというわけだ。

PowerEdge MXの特徴記事はこちら

 “Dell Technologiesビッグデータ日本代表チーム”の顔として知られる、Dell Technologies エンタープライズ ソリューションズ & アライアンス部 BigDataビジネス開発マネージャーの堀田鋭二郎氏も、本ソリューションに期待する一人だ。

Dell Technologies
エンタープライズ ソリューションズ & アライアンス部
BigDataビジネス開発 マネージャー
堀田鋭二郎氏
Dell Technologies
エンタープライズ ソリューションズ & アライアンス部
BigDataビジネス開発 マネージャー
堀田鋭二郎氏

 「PowerEdge MXのハードウェアそのものが高効率である上に、さらにリソースを効率的に使えるDriveScaleのソフトウェアを組み合わせたことで、日本市場において初めて、コンポーザブルインフラを徹底して実現できるソリューションとなっています。ユーザーは、パブリッククラウドと同様のアジリティを得られる上に、パブリッククラウドに比べ最大約75%のコスト削減が可能になるでしょう」と、堀田氏は語る。

日本市場では2社のソリューションに代理店とSIも加わった4社体制で展開

 DriveScaleのソフトウェアとDell Technologiesのハードウェアによるコンポーザブルインフラソリューションは、日本市場ではさらにディストリビューターとインテグレーターが加わった4社体制で展開されるという。

 まずDell Technologiesでは、堀田氏らビッグデータチームのほか、サードパーティ製品を担当する人材も加わって、本ソリューションの展開を推進していくという。

 Dell Technologies ISG事業統括 システム周辺機器部 ビジネス開発マネージャーの江籠圭介氏は、こう語っている。

Dell Technologies
ISG事業統括 システム周辺機器部
ビジネス開発マネージャー
江籠圭介氏
Dell Technologies
ISG事業統括 システム周辺機器部
ビジネス開発マネージャー
江籠圭介氏

 「パートナー製品担当としては、自社製品だけではニーズを満たせないようなケースに対し、適切なパートナー製品を選定、提案していくことが求められます。Dell Technologiesのコアポートフォリオは大変幅広いと自負しておりますが、そこにDriveScaleが新たに加わることは、弊社のラインナップを拡張、補完し、より一層ソリューション体系が強化されます」

 インテグレーターとして関わるのは、丸紅情報システムズ(以下MSYS)だ。同社では、シリコンバレーに駐在員を置き、現地スタートアップ企業などの先進テクノロジーやその商材について積極的に情報収集を行っている。その活動の中で、DriveScaleにも早くから注目し、日本支店ができる前から熱心にアプローチしていたという。

 IT基盤製品などの新規事業企画を担当する、IT基盤ソリューション事業本部 プロダクトマーケティング部長の岩佐大樹氏は、「お客様にとって重要なワークロードに対して先進のソリューションを具現化するにあたり、それぞれがノウハウを持つパートナーとの連携を目指しました。Dell Technologiesとは長年に渡り基盤ソリューションにて協業していることもあり、密接に協力しつつ日本市場でのDriveScaleソリューションの展開を行っていくことにしました。当社ではストレージ関連のビジネスに長年携わってきた経験などもありますので、そういったノウハウも含めてお客様へ最適なソリューションをお届けしたいと思います。」と語る。

丸紅情報システムズ
IT基盤ソリューション事業本部
プロダクトマーケティング部長
岩佐大樹氏
丸紅情報システムズ
IT基盤ソリューション事業本部
プロダクトマーケティング部長
岩佐大樹氏

 シリコンバレーと日本との間で情報共有を行いながら、早くからDriveScaleに注目し、日本市場への展開に関わっている。駐在員も経験したIT基盤ソリューション事業本部 ストレージソリューション営業部 営業一課長の荻布哲士氏もその一人だ。

 「ビジネス開発の役割でこれまで注目していた商材を、今年からは日本の顧客に提供していく立場となりました。当社はDell Technologies Forumにも毎年協賛・出展しており、堀田さんもそこで知り合っています。Dell TechnologiesとDriveScaleの組み合わせに可能性を感じていたので、そこに我々も協力していきます」(荻布氏)

丸紅情報システムズ
IT基盤ソリューション事業本部
ストレージソリューション営業部
営業一課長
荻布哲士氏
丸紅情報システムズ
IT基盤ソリューション事業本部
ストレージソリューション営業部
営業一課長
荻布哲士氏

 一方、ディストリビューター(代理店)として加わるのはマクニカだ。同社の社内カンパニーで、半導体からソフトウェアまで多彩な先進製品を取り扱う技術商社のアルティマカンパニーが、DriveScaleと代理店契約を締結している。

 マクニカ アルティマカンパニー 第1統括部 システムイノベーション部 第2課の辻翔平氏は、「我々は五味さんとも以前から仕事での付き合いがあり、DriveScaleが日本支店を立ち上げる際に訪問し、シナジー効果が高いと判断してDriveScaleとの契約を締結しました。ビッグデータなど新しいワークロードに対しては、Dell Technologiesが日本市場でも豊富な実績を持っており、既にアメリカでのDriveScale社との導入実績もあるDell Technologiesと協業の相談を致しました。弊社の立ち位置としてはDell TechnologiesやMSYSへの営業・技術支援及び保守サポートを中心として、日本市場での展開を後押ししていきます」と説明する。

マクニカ
アルティマ カンパニー
第1統括部
システムイノベーション部
第2課
辻翔平氏
マクニカ
アルティマ カンパニー
第1統括部
システムイノベーション部
第2課
辻翔平氏

 4社では現在、定期的に会合を開いて、DriveScaleソリューション日本展開のための協力体制を確立すべく、それぞれの役割分担や具体的なビジネスに向けた話し合いを進めているという。

 「具体的な取り組みの内容を発表できるのはこれからですが、まずはデータセンターを主なターゲットとし、そこからエンタープライズへ広げていくような流れになるでしょう。今後1年間で、20社ほどのユーザーに提供していきたいと考えています」(五味氏)

DriveScale
日本支店 代表/米国本社 執行役員
五味俊治氏
DriveScale
日本支店 代表/米国本社 執行役員
五味俊治氏
図:DriveScaleおよび各社の、ユーザーに対するポジション 図:DriveScaleおよび各社の、ユーザーに対するポジション
※クリックすると拡大画像が見られます

モダンアプリケーションの大規模ユーザーにオンプレミスへの回帰という道を開く

 最後に改めて、4社の協力体制で提供されるDriveScaleソリューションの価値についてまとめておこう。本ソリューションが価値を発揮するのは、やはり記事冒頭で説明したような、いわゆるモダンアプリケーションのインフラだ。例えば以下のようなアプリケーションに効果を発揮する。

図:DriveScaleが効果的なアプリケーションの例 図:DriveScaleが効果的なアプリケーションの例
※クリックすると拡大画像が見られます

 その多くはデータ集約型であり、既存アプリケーションでは使わないような大規模インフラを必要とするものだ。マクニカ アルティマカンパニー 第1統括部 システムイノベーション部 課長の北島佑樹氏は、「DriveScaleの特徴は、『コンポーザビリティ』『スケーラビリティ』、そして『エコシステム』の3つに集約されると考えています。ハイパースケールに強いソリューションであり、デジタルトランスフォーメーションに取り組むユーザーに最適と言えるでしょう」と説明する。

マクニカ
アルティマ カンパニー
第1統括部
システムイノベーション部
課長
北島佑樹氏
マクニカ
アルティマ カンパニー
第1統括部
システムイノベーション部
課長
北島佑樹氏

 MSYS IT基盤ソリューション事業本部 ストレージソリューション営業部 コンサルタントの浦川隆弘氏も、これまで企業が数多く構築してきたエンタープライズアプリケーションのインフラとは大きく異なる存在だと強調する。

 「アプリケーション側からインフラを考えたとき、仮想化だけではいずれ対応できない領域が出てくると考えていました。その領域に対応するのが、このDriveScaleです。エンタープライズワークロードには仮想化が適しているように、ビッグデータ、リアルタイムなイベント処理などに対応する新たなワークロードにはコンポーザブルインフラこそが最適な組み合わせです。もちろん現在マーケットとして盛り上がっているコンテナのアーキテクチャーにもDriveScaleは対応していますので今後のシステム基盤としても十分な価値があります」(浦川氏)

丸紅情報システムズ
IT基盤ソリューション事業本部
ストレージソリューション営業部
コンサルタント
浦川隆弘氏
丸紅情報システムズ
IT基盤ソリューション事業本部
ストレージソリューション営業部
コンサルタント
浦川隆弘氏

 DriveScaleでは米国において、50ノード以上のサーバを運用しているユーザーなら、移行によりメリットを感じられるとしている。すでに米国などで多くの実績があり、例えば大手デジタル広告代理店は、既存のスケールアウト構成サーバで稼働させていたビッグデータアプリケーションを、DriveScaleで構成したインフラに移行し、サーバ設定工数や運用工数、これまで無駄になっていたリソース、そしてデータセンター費用など、さまざまな削減効果を得ているという。

 「さらに、私たちが提案するPowerEdge MXとの組み合わせなら、ハードウェアもソフトウェアも徹底して効率化できます。クラウドに対し5年間で総額5000万円以上のコストを費やしているようなユーザーなら、DriveScaleソリューションの方が有利と言えるでしょう」(堀田氏)

 「クラウドでのモダンアプリケーション運用には、さまざまな課金がつきまといます。そのコスト高に悩むユーザーに、オンプレミスへの回帰という道を提供していきたいのです。また、高額なDBアプライアンスなどにロックインされていたユーザーなどにも朗報と言えるでしょう」(五味氏)

 ソフトウェアベンダー、ハードウェアベンダー、ディストリビューター、インテグレーターの4社が協力することで、日本市場に本物のコンポーザブルインフラをワンストップで提供するこの取り組みは、スピード感を持ってモダンアプリケーションをフル活用したい企業にとって、大きな福音といえるだろう。

提供:Dell Technologies
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