広がる協業の輪
デルではかねてから、SAPソリューションラボ／SAPコンピテンスセンターを（デル東日本支社の）「 Dell EMC Customer Solution Center (CSC) 」内に設置している。SAPソリューションラボではインテル® Xeon® プロセッサーを搭載したSAP HANAアプライアンスを利用したシステムのデモ／検証環境を顧客やパートナー企業に向けて無償で提供しており、SAPコンピテンスセンターは、SAP本社と直結した技術支援センターとして機能している（図6参照）。
図6：SAPソリューションラボ、SAPコンピテンシーセンターの機能
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こうしたSAPソリューションラボ／SAPコンピテンスセンターの技術支援体制を後ろ盾にしながら、デルは2016年4月、SAP HANAやSAP S/4HANAに関するテクニカルコミュニティ「Dell EMC Engineered Club for SAP HANA」も立ち上げた（図7参照）。このコミュニティは、SAP HANAソリューションの最新情報・技術情報などを共有する場だ。すでに約40社のパートナー企業（SIer／ISV）が参加している。
Dell EMCでは昨年、協業パートナーとDell EMC XtremIOをベースでSAP HANA on VMware vSphere 6の運用ベストプラクティスに向けた共同検証、 SAP S/4HANAの高可用性検証、SAP HANA Dynamic Tiering共同検証、MIRACLE System Saviorを用いた SAP HANA環境のシステムバックアップとリストアの検証などSAP HANA、SAP S/4HANAの次世代IT基盤のベストプラクテスに向けた様々な取り組みを実施している。
図7：Dell EMC Engineered Club for SAP HANAの概念図
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「Dell EMC Engineered Club for SAP HANAでDell EMCが追求しているのは、SAP HANAの威力を最大限に引き出し、かつコストパフォーマンスに優れたリファレンスモデルを作り上げ、パートナー企業と共有することです。この種のリファレンスモデルは、Dell EMCの力だけでは作れず、我々とパートナー企業の技術・ノウハウ・経験を結集することが不可欠です。こうしたオープンなエコシステムを通じて生まれたベストプラクティスの中から、お客様に最適なソリューションを選択していただく。それがDell EMCが目指す世界です」（菅谷氏）
ビジネス環境の目まぐるしい変化に対応するには、データを通じて現状を迅速にとらえ、将来を予測し、適切なアクションにつなげることが必要とされ、それがリアルタイム経営の潮流を生み、加速させている。今後も、広範なデータ、あるいはビッグデータを収集・分析・活用する速力を上げ、ビジネス上の成果へと結び付けようとする動きは一層活発化するのは間違いなく、その流れの中で、SAP HANAに対する需要と期待も膨らんでいくはずである。
とはいえ、基幹システムやビジネス分析のデータ基盤をSAP HANAへ切り替えるには乗り越えるべきハードルがいくつかあり、SAP HANAの導入で期待どおりの効果を得るには、検証・経験によって裏打ちされたシステム作りの技術、ノウハウが必要とされる。Dell EMCは、パートナー企業と密接に連携しながら、そうした技術とノウハウ、製品を一体化させ、顧客企業のシステム改革を成功に導こうとしている。また近い将来、ビッグデータ活用／アナリティクス（将来予測）の成功ノウハウも日本の企業に提供していくという。
Dell EMCのSAP HANAソリューションが、リアルタイム経営実現の最適解としてユーザーの裾野を広げていく可能性は高い。
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飛躍的な生産性を
