ハイパーコンバージドインフラ(HCI)は、すでにIT基盤の主流となりつつある。一般的なサーバー更新サイクルを考えると、これまでの仮想化基盤からHCIへ移行しようとする企業は今後まだまだ増えるであろう。HCI市場を代表する、Dell EMCとNutanixの両社から話を聞いた。
多彩なHCI製品をサポートするDell EMC
ITプラットフォームは、ある程度のサイクルで大きな変遷を繰り返してきた。過去十数年をみても、3階層アーキテクチャから仮想化、そしてソフトウェアデファインドによるHCIへと、その姿は変化している。最近では、HCIが急速に出荷を伸ばし、主流の座にのし上がってきている。
いよいよ本格的なHCI時代に突入した現在、業界最強のHCI製品ポートフォリオを持つのがDell EMCだ。同社のHCI製品として、「VxRail」、「VxRack SDDC」、「vSAN Ready Node」、「VxFlex (ScaleIO)」、「XCシリーズ(Nutanix)」、「S2D Ready Node」など、ラックスケールからアプライアンス、そして「Ready Node」と呼ばれる認定HCI構成までの幅広いラインアップを提供し、多彩な選択肢をユーザーに提供している。
また、各HCIソリューションについても、ワークロードや規模に応じてさまざまなモデルを展開していることも強さの秘密だ。例えば、VMware環境に特化し、インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載したHCIアプライアンス「VxRail」では、エントリーモデル、パフォーマンス最適化モデル、ストレージ容量最適化モデル、VDI最適化モデルなどで幅広い企業ニーズにこたえている。
Dell EMCが強いのはHCIラインアップだけではない。IDCの調査によると、ハイパーコンバージドシステム市場におけるCompany別のシェアでは、同社は2017年の年間ワールドワイド実績で出荷額・台数・容量いずれも1位という3冠、出荷台数でみれば11四半期連続No.1と、圧倒的な強さを誇る。
Dell EMCインフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部の岡野家和氏は、次のように語っている。
「このHCIソリューションのハードウェアはいずれも当社のPowerEdgeサーバーを基盤としていますが、我々はx86サーバーにおいても出荷額・台数とも世界No.1。つまりDell EMCは、世界一採用されているサーバーを基盤とした、世界で最も採用されているHCIのベンダーということになるのです。日本市場における当社の2017年実績も、グローバルの動向に近く、x86サーバーは前年比17%増、コンバージドインフラ(CI)とHCIでは4倍という成長を達成しました」(岡野氏)