デル・テクノロジーズとVMwareが共同で設計・開発するHCI（Hyper Converged Infrastructure）アプライアンスの「Dell VxRail」（以下、VxRail）は、その革新的な技術力と高い信頼性で、世界中で高く評価されている。とりわけ日本市場においては、顧客に密着したVxRailのサポート体制が強みとなっており、国内のITインフラを広く支えている。
日本におけるサポート体制について、デル・テクノロジーズ株式会社 ISG リモート ・フィールド サポートサービス HCI & Cloud Solution マネージャー 上村 秀樹氏と、ストレージプラットフォームソリューションシステム本部 アドバイザリーシステムエンジニア 市川 基夫氏に話を聞いた。
デル・テクノロジーズ株式会社
ISG リモート ・フィールド サポートサービス
HCI & Cloud Solution マネージャー
上村 秀樹氏
デル・テクノロジーズ株式会社
ストレージプラットフォームソリューションシステム本部
アドバイザリーシステムエンジニア
市川 基夫氏
クラウド時代に日本市場で確かな存在感を示すVxRail
VMware 製品による仮想化環境を強化するためにデル・テクノロジーズとVMwareが共同で設計・開発した“唯一無二”のHCIシステムであるVxRailは、データセンター内の仮想化基盤やVDI領域はもちろんのこと、今やクラウド環境や非データセンターのエッジ環境まで幅広く導入されているHCIアプライアンス。長い歴史を有するVxRailだが、もともとはHCI市場の黎明期に、「VSPEX BLUE」の後継機として誕生し、当初はEMCブランドのもとに展開され、その後「Dell VxRail」としてブランディングが刷新されていった。
「当初は、開発基盤や社内システムでの利用が主でしたが、徐々に公共セクターやテレコム業界など、より幅広い分野で本番環境も含めた利用においても市民権を獲得していきました。特にマルチクラウドやハイブリッドクラウド環境への適応性に優れている点や、安心・安全に使えることなどが高く評価されており、日本市場においてもその地位は着実に高まり続けています」（上村氏）
デル・テクノロジーズ×VMwareの知見と技術力が結集した唯一無二のHCI
このように日本市場で確かな地位を築きつつあるVxRailだが、そのサポート体制には他社にない独自性と唯一性がある。いくつかあるサポートチームの中で、日本のVxRailサポート部隊を統括するのが上村氏だ。上村氏はDELLとEMCの統合後、国内最初のVxRail専任テクニカルサポートチーム立ち上げにエンジニアとして加わり、現在はマネジメントの立場でVxRailという製品に携わっている。上村氏の率いるVxRailサポート部隊は、技術的な支援はもちろんのこと、国内顧客との密接なコミュニケーションにも重きを置いている。
VxRailは国内で盤石なサポート体制を整えているが、もちろんグローバルなデル・テクノロジーズとしても、VxRailの安全性と信頼性を重要視しており、製品の機能面だけでなく、安心して利用できる環境の構築に注力している。
安心・安全なITインフラを支えるVxRailサポートの5つの特徴
日本市場におけるVxRailの評価を大いに高めている充実したサポート体制であるが、その特徴と強みは大きく5つに分類される。
1つ目は、「24時間365日の専任サポート」だ。日本国内の専任チームにより、日本の顧客に特化したサポートを、24時間365日提供できる体制が整っている。このアプローチにより、日本のユーザーの声を直接聞き取り、迅速かつ的確な対応が行えるとともに、日本のお客様特有の事情を汲み取れる体制を敷いている。
2つ目は「シングルコンタクトサポート」の提供である。顧客の問題をハードウェアとソフトウェアといったレイヤーごと分割してたらい回しにするようなことはせず、ワンストップで一元的に対応することができる。これもまた、専任のサポートチームが存在し、かつバックエンドで各専任エンジニアと連携しながら、ハードウェアレイヤーから仮想レイヤーまでを複合的にサポートしているからこそだと言えるだろう。
「障害の原因がハードウェアに起因するのか、それともソフトウェアに起因するのか、それを判断するだけでも大きな手間になります。先にも述べましたが、VxRailは、デル・テクノロジーズとVMwareの共同開発のアプライアンスであるため、サポート部隊にもハードウェアとソフトウェアの両方の知識が求められます。もちろんVxRailサポート部隊は、両方の知識を高いレベルで兼ね備えているため、お客様の負担を減らしながら、迅速な問題解決を実現します」（市川氏）
3つ目は「無償のリモートアップグレードサービス」だ。このサービスでは、アップグレードに伴う問題が発生した場合であっても、アップグレード専門チームとサポートチームが密に連携しながら、アップグレード専門スタッフが顧客にコンタクトを取り、代わりに迅速かつ適切なアップデートを実施する。
「日本のお客様の特徴としてアップグレードの適用に対して慎重な姿勢であることが挙げられます。とりわけ本番環境へのアップグレードではその傾向が顕著です。そのため、製品を開発・販売するベンダー自らが無償でアップグレードを代行するというのは、大きな安心感につながっているようです。実際、ここ数年は日本のお客様環境の6割強にリモートアップグレードサービスを利用いただいており、安定したバージョンアップを実現しています」（上村氏）
VxRailの差別化ポイントの1つとして、常に検証済みの構成が保証されている点が挙げられる。各モジュール間のコンパチビリティ（互換性）など、通常は多大な時間と労力を要するさまざまな検証作業を、すべてデル・テクノロジーズ側がバージョンリリースごとに数万時間もの広範囲なテストを実施したうえでパッケージ化しているのである。「これにより、VxRailは、完全にインテグレートされたハードウェアとソフトウェアのフルスタックのアップグレードを、常に検証済みの状態を保証した形で提供することができます。だからこそアップグレード時の工数を大幅に軽減しながら安心して利用でき、ユーザー企業だけでなくその運用管理を担うSIerにとっても大きなメリットとなっています 。」（市川氏）
4つ目は、「VMwareとのシンクロリリース」にある。vSphere、vSANなどVMware側コンポーネントにのメジャーリリースに対して、基本的に1ヶ月以内にそれに対応するVxRailの新バージョンをリリースしている。さらに、緊急性の高いセキュリティ脆弱性に対するパッチが提供された場合などは、より短期間で対応バージョンがリリースされる。つまり、VxRailは、最新のテクノロジーやセキュリティに対応し、かつそれを常に検証済みの状態でいち早く市場に提供しているHCIアプライアンス製品であるということだ。
「VMwareとの継続的な共同開発だからこそ、常に最新のトレンドを取り入れたサポートを可能としています。VxRailに関わることであれば、約95％は国内のVxRailサポートによって解決できると自負しております」（上村氏）
基本的には1次サポートであるVxRailサポート部隊で対応できるため問題解決スピードが早い
最後の特長は「最適化された統合UI」である。VMware vSphereにより構成された仮想環境を操作するためのGUIインターフェイスであるvSphere Clientにデプロイ・アップグレード・監視・保守などを実施できるVxRail Managerがプラグインとして実装されている。これにより、ハードウェアステータスだけでなく障害イベントも閲覧ができるようになる。
「VMware vCenterからハードウェア関連情報を可視化できるため、vSphere仮想化基盤を運用していたユーザーが容易に運用、管理でき、新しい機能や操作を覚える必要がありません。これもデル・テクノロジーズとVMwareの共同開発ならではのメリットと言えます」（市川氏）
ハードウェアとソフトウェアの両面のイベントを管理できる統合管理UI
変わらぬVxRailサポートで日本のDXを支援
今後VxRailは、さらなる進化を遂げることが期待されている。これにあたりユーザーの成熟度が高まるにつれて、より高度化したニーズに応えるサポート体制は、日本企業のビジネス成長に寄与することだろう。
いまやvSANベースのHCIの圧倒的なシェアを誇るVxRail。DellのHCIポートフォリオ全体としてもVMware社のvSANビジネスの約40%(※)を占めている点も両社間の今後の強固な関係維持の安心材料と言ってもよいだろう。
（※）VMware, Inc. - 10K - Annual Report - March 28, 2023 (fintel.io)
このように、VxRailの強力なサポート体制は、日本市場におけるITインフラの運用に大きな影響を与えていると言える。企業は、高度な技術サポートを受けながら、自社のビジネスニーズに合わせた最適なIT環境を構築、運用できるようになり、迅速に市場の変化に対応し、イノベーションを推進していくことができるだろう。
「今後もVxRailは、技術の進化に合わせた包括的なサポートを提供し、日本のIT市場での地位を確固たるものにしていきながら、日本のお客様のさらなる成長と発展の一助となることを目指していきます」（上村氏）
