サーバだけではない、"ネットワークも仮想化する"とはどういうことか
「フリービットクラウド VDC PRO」の"VDC"とは「Virtual Data Center」の略である。つまりデータセンターを丸ごと仮想化したサービス、ということだ。サーバーだけではなくネットワークも仮想化していることが、他のクラウドと大きく違う特長である。では、ネットワークを仮想化しているとはどういうことなのだろうか?
通常、データセンター運営の場合、セキュリティを設定するには事業者または当事者がUTM機器を購入しデータセンターまで赴き設置する。そのため設定に時間がかかり、人が対応するためお金もかかる。
クラウド化したところで、他社であればセキュリティ設定さえ変更できないこともあるだろう。ところが、フリービットクラウドVDC PROではこのUTM機能も仮想化されているのである。UTM機能も仮想化されていることによって、下記のようなメリットが生まれる。
第1は、詳細なセキュリティ設定が自身で設定可能なことだ。ファイアウォール、アンチウイルス、アンチスパム、IPS(不正侵入防御)など、セキュリティに必要不可欠な各機能が個別に割り当てられるとともに、ファイアウォール管理画面もそのまま利用できるのも特徴だ。
さらにVPNの接続設定までできる。他社クラウドではオプション扱いになっていることが多いVPN接続が、管理画面ひとつで設定できることは驚きである。
また、仮想UTM機能を備え、各ユーザ企業や部門ごとに独立した機能・ポリシーの設定や運用が可能な上に、L2のスイッチングハブ機能とL3ルーティング機能を論理化しているため、多量の仮想マシンが立ち上がっていてもWeb管理画面上で瞬時にネットワーク構成を変更することができる。さらに、標準でL4ロードバランサ、オプションではL7ロードバランサが利用可能になっている。
第2は、仮想化されたUTM機能により、プライベートセグメント(VLAN)が3つまで作成可能になることである。これによってさらにセキュアなシステム運営をすることができる。
既存の複雑なシステムも各セグメントに配置が可能で、それぞれにセキュリティ設定やVPN接続ができるためよりセキュアな運営ができるのだ。さらに、複雑だった既存システムのネットワークが一元管理できるようになる。後述するオリンパス株式会社の事例で詳しく説明する。

フリービットクラウド VDC Proの技術的特徴
さらに、仮想環境と物理環境との"ハイブリッドクラウド"にも対応し、フリービットのデータセンターに専用線を引き入れて、クラウドと隔離されたハウジングラック内の自社持ち込み機材に接続し、そこからデータセンター内では構内回線でクラウド環境に連携するサービスも提供している。ハウジングラックは1U単位で借りることが可能だ。
また、標準でVPN機能が備わっており、既存システムとの部分的な連携や拠点間でのレプリケーションをセキュアに行うことが可能。各企業の現状のシステムに応じた柔軟な対応で行うことができる。さらに万が一大規模な災害が発生した場合でも、東京⇔大阪間で拠点間クローン機能を利用することも可能。なお、今後は海外事業者様向け拠点として、香港にもデータセンターを開設予定だ。

DDCで作業負担を軽減しつつ高い管理性と操作性を実現

第1Customer Communication部 中山雄太氏
そして、2000年の創業以来インターネットインフラの構築・運用を行っているフリービットが、そのノウハウや経験を活かしてクラウド基盤の運用を行っていることは最大の特長である。
「フリービットの潤沢なISPインフラリソースを活用したキャリアグレードな高信頼サービスが強み」と述べる同社の中山雄太氏は、その詳細を次のように説明する。
「全国300社のISP、3000社以上の法人ユーザーも利用するフリービットの潤沢なISPインフラリソースを活用した高信頼サービスというのが強みです。全てのシステムが二重化で冗長構成になっており、耐障害性を高めてクラウドの安定稼働を実現し、高水準のSLAを保証しています」
他社クラウドからのリプレイスによって、30%のサーバー減設が可能な場合も
フリービット社の独自の調査結果では、ベンチマークを行った某クラウド企業とフリービットクラウドVDC(以下、FBC)の仮想マシンインスタンス性能(シングルスレッド・マルチスレッド・Memory・Disk(Rand R/W)・ MySQL)を比較した結果、全ての項目において、FBC新環境の性能が上回る結果となり、単純計算ではあるが、5台につき1、2台以上のサーバーを減設しコスト削減できる可能性がある調査データも出ているようだ。

図 FBCと他社クラウドサービスとのCPUベンチマーク結果と評価