次世代DWH「SAP HANA」の実力を検証

TCO低減の実現

編集部:ここまでの話でSAP HANAの効果は理解できました。一方でDWHの大量データをすべてメモリ上に展開するとなると、多くの物理メモリを搭載したサーバが必要となり、高額になるとの懸念もあります。

椛田:それは大きな誤解です。先にも触れたとおり、DWHのプラットフォームをSAP HANAに移行することにより、インデックスやデータマートが不要になり、その分のデータが大きく削減されます。また、SAP HANAは「カラム型」(※)のデータベース構造を採用しているので、データ圧縮に優れます。さらにSAP独自の圧縮技術によってデータベースのサイズをさらに小さくすることが可能です。

編集部:具体的にDWHのサイズをどこまで圧縮できるのですか。

堀之内:従来のRDBで構築されたDWH環境では、データベース容量の大半がインデックスで占められているケースもあります。あるお客様の事例では、データサイズの8割~9割強のデータがインデックスでした。そのため実際に試算してみると約1TBのDWHが64GB以下のデータサイズまで圧縮できることがわかりました。(事例3参照)。

事例3:SAP HANAによるインデックスの削減 事例3:SAP HANAによるインデックスの削減
※クリックすると拡大画像が見られます

編集部:なるほど。そのくらいまでデータサイズを抑えることができれば、特別なサーバを用意しなくても大丈夫なのでDWHのSAP HANAへの移行コストも低く抑えられますね。

椛田:そうなんです。最近では、大手のお客様のみならず、中堅・準大手のお客様からの引き合いが増えています。さらにSAPは先ごろ、SAP HANAのエントリー版として「Edge Edition」をリリースしました。使用可能なメモリの上限が「128GB」に設定されていますが、SAP HANAの主要機能が使用可能です。我々は、このリリースによって、SAP HANAによる中堅・準大手のお客様におけるDWH革新の流れが一層加速されるものと期待しています。

堀之内:既存のRDBベースのDWHからSAP HANAへの移行のハードルもかなり低くなりました。たとえば移行コストを含めた3年間のTCO(総所有コスト)は、従来のRDBを使い続ける場合に比べ平均で7割程度に抑えることも可能です。

※カラム型(列型):この構造のデータベースでは、テーブルデータを列単位に分割して格納する。そのため集計処理などが速く、同一列内では同一データの繰り返しが多くなることから、圧縮もしやすいといった特徴がある。

HANAへの移行にプラスアルファの価値「予測分析」

編集部:今日、データ活用の新たな方向性として、「予測分析」を行いたいというニーズも拡大しているのではないですか。


富士通株式会社
統合商品戦略本部
ビジネスアプリケーション推進統括部
アナリティクスソリューション推進部
マネージャー
堀江 将氏

堀江氏(以下、敬称略):リアルタイムの先には、将来どうなるか、どう行動するのが最適かという「予測」「最適化」があります。マーケティングや需要予測などを行う各現場では、業務改善型の取組みから業務イノベーション型の取組みへと軸足が移りはじめています。

編集部:何がイノベーション実現のポイントだと考えられていますか。

堀江:主役は分析の専門家ではなく、業務を一番知っている現場です。業務現場自らが、機械学習による分析のTry & Learnをすばやく繰り返せることがポイントです。SAP HANAには、予測分析ライブラリが組み込まれているため、メモリ上に展開された大量のリアルタイムデータを使って、機械学習・自動モデリングの機能による予測分析が実行可能となります。

両社の強みを生かしお客様の課題解決に挑み続ける

編集部:最後に、富士通のSAP HANAソリューションならではの強みについてお聞きしたいのですが。

堀之内:すでに当社では、DWH環境のSAP HANAへの移行/導入で多くの実績を積み上げ、豊富なノウハウとスキルを蓄積しています。また、SAP HANAをベースにした予測分析については、富士通社内でも活用を進めており、そこで得た業務適用ノウハウもお客様に積極的にフィードバックしています。したがって、お客様それぞれの実情や要望に最適なソリューションを提案・提供できると自負しています。

編集部:SAPと富士通のパートナーシップについてはどうなのでしょうか。

堀之内:SAP HANAを巡る富士通とSAP社の協業関係は古く、SAP HANA製品化の前段階からSAP社と技術連携を行っており、SAP HANAの新規ソリューションの先行検証もSAP社と共同で実施しています。日本とドイツに「Fujitsu HANA Demo Center」を構え、実機とお客様データを用いた検証(PoC)を通じて多くのお客様にSAP HANAの効果を体感いただき、導入が進んでいます。

 富士通は、SAP HANAを多くの先進的なユーザに導入してきました。今後も、最新テクノロジーを活用し、より広範な規模と業種・業態のお客様のDWH改革とデータ活用を通じて、ビジネスイノベーションをバックアップしてまいります。

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