CTO Straight Talk Tokyo 2017:プラットフォームビジネスは従来型の企業にも大きな潮流をもたらす

エイチシーエル・ジャパン(HCL)は11月10日、「製品ベンダーのためのプラットフォーム戦略 ~ Finding Platform in Your Product」をテーマにしたイベント「CTO Straight Talk Tokyo 2017」を開催した。基調講演には、中央大学 社会情報学専攻 教授の飯尾淳氏が登場し、「プラットフォーム ビジネスとオープン戦略」と題して講演した。

 飯尾氏は、「プラットフォームビジネスは、ビジネスの直接的なプレイヤーとなるのではなく、サードパーティにビジネスの"場"を提供するビジネスである。特長は、ITで付加価値を創造していること、多数のプレイヤーを抱えていること、バックエンドにデータ収集の仕組みを持っていることの大きく3つである」と語る。

飯尾淳氏
中央大学 社会情報学専攻 教授の飯尾淳氏

 プラットフォームビジネスの成功事例として、楽天市場がある。楽天市場では、「ショッピングモール」という場を提供し、実ビジネスは各店舗が行う。楽天は、モールの管理やコンサルティングなどのサービスを提供する。楽天のビジネスの最大のポイントは、楽天市場の利用者の購買データを持っていることである。

 飯尾氏は、「特に近年では、楽天カードのビジネスに注力している。理由は、購買データの収集である。クレジットカードを提供することで、楽天市場だけでなく、リアルの店舗の購買データも収集できる」と話す。

今後のビジネスで重要になる「オープン戦略」

 プラットフォームビジネスの最大のポイントは、「オープン」であることだ。オープン戦略は、古くからある概念。1990年代初頭には、「ネオダマ(ネットワーク、オープンシステム、ダウンサイジング、マルチベンダー」という、IT化をけん引するキーワードが流行した。このワードが表すように、ITがオープンであることで互換運用性の確保やコスト削減が期待できる。それでは、他のオープン戦略についてはどうか。

 「オープン戦略には、オープンソースソフトウェアやオープンデータ、オープンイノベーションなどがある。オープンイノベーションは、カリフォルニア大学バークレー校のヘンリー・チェスブロー教授が提唱した概念。ほかの組織が持つアイデアや技術を取り入れ、協調的に革新的なビジネスを進める取り組みである」(飯尾氏)。

 たとえば、社外資源を積極的に活用することで、短期間で効率的に研究開発をしたり、経営資源が不足している企業が自らの技術を核として早期に成長を図れたりする。このとき、どれだけ魅力的なAPIを提供できるかが重要になる。魅力的なAPIを提供することで、多くのパートナーにプラットフォームを活用してもらうことができる。

 飯尾氏は、「プラットフォームビジネスの成功の鍵は、質の高い、イノベイティブなプレイヤーを数多く集めること。そのためにはITの活用による効率化と付加価値の提供が鍵になる。また、オープンな戦略で、製品提供だけでなく、ソリューションを提供することが活路を開くことになる」と話している。

過去5年で時価評価額を1500億ドル増やした企業は6社

 特別講演には、HCLテクノロジーズ EVP, Engineering R&D ServiceのRajiv Shesh氏が登場。「製品を進化させるプラットフォーム ~新たなビジネスの視点」をテーマに講演した。現在、HCLは、32カ国でビジネスを展開、さまざまな業種・業態にソリューションを提供している。前年比成長率は12%で、その売り上げは約75億ドルに達する。日本市場でも、すでに20年の実績がある。

Rajiv Shesh氏
HCLテクノロジーズ EVP, Engineering R&D ServiceのRajiv Shesh氏

 Rajiv氏はプラットフォームエコノミーの台頭を次のように語る。「過去5年で、時価評価額を1500億ドル増やした会社は6社しかない。Google、Apple、マイクロソフト、Amazon.com、Facebook、そしてジョンソン・エンド・ジョンソンである。この6社の中で唯一、ジョンソン・エンド・ジョンソンだけが従来型の企業である。このように破壊的イノベーションを生み出す、新しい企業が次々と登場しているのが現状である」。

 企業の時価評価額が10億ドルを超える「ユニコーン企業」は、2016年に126社あるといわれている。そのうち58%は、プラットフォームビジネスで成功した企業である。米国では、76社のユニコーン企業のうち44%がプラットフォームビジネスで、アジアでは、36社のユニコーン企業の86%がプラットフォームビジネスである。Rajiv氏は、「プラットフォームビジネスは、アジアがけん引しているといっても過言ではない」と話す。

 プラットフォームビジネスは、従来型の企業にも、大きな潮流をもたらす。たとえば、マリオットホテルは、今後、不動産を所有することなくホテル事業を成功させたAirbnbといかに競合していくのかを考えなければならない。米国の大手書店チェーン、ボーダーズでさえ、オンライン販売では、Amazon.comに敗れ、絶滅の道をたどったのだ。

 Rajiv氏は、「ウェブサイトさえあればスタートできるプラットフォームビジネスは、非常に優れたビジネスモデルといえる。ただし、プラットフォームビジネスをスタートする場合、自分たちでプラットフォームを構築するプラットフォーマーになるのか、他社のプラットフォームを利用してビジネスをするのかを見極め、新しいビジネスに参入しなければならない」と話す。

 「プラットフォームにより、市場参入時間を短縮できる。従来型の企業にとって、これは非常に重要で、大きなメリットである。もう1つのメリットは、まったく別の新しい分野にビジネスを拡大できることである。たとえば、Uberがファーストフード市場に進出したとしても、Amazon.comがレストランを始めたとしても、もはやだれも驚かないだろう」(Rajiv氏)。

提供:株式会社エイチシーエル・ジャパン
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年3月31日
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