「ビー!ビー!ビー!」
MDMポリス・ステーションの司令室にサイレンが鳴り響く。これは緊急通報のサインだ。
MDM (Mobile Device Management)ポリスとは、企業を悩ますモバイル機器の普及に対処し、あるべき対策をアドバイスするために設立した特務機関。企業の情報システムにスマートフォンやタブレットを導入するケースが日々増加しているが、こうしたモバイル端末も企業のIT資産でありながら、一般的なPCで使っているこれまでの手法やツールでは管理しきれないのが現状だ。
この日持ち込まれたのも、救いを求める企業の悲鳴だ。
【オペレーター】どうしましたか?
【通報者】たたた助けてください!ボ、ボスが、ささ3000台のアレを導入するから、その運用が、2か月が、体制が、構築が!!そんな急にどうしろと。もう、まったく想像も!!!うわー!
今回の通報者は…情報システム部 B氏
とある商社の情報システム担当者。もともと総務部だが、PCを自作した経験があるというだけで「IT」に関係する企画と管理を任される大変な立場だ。そんな彼に今回、過去最大級の難題が舞い降りたのだ。
【オペレータ】3000台がどうしたのですか?落ち着いて続けてください。
【通報者B氏】スー、ハー、どど導入するのはスマートフォンです。せ、せ先週、弊社のグローバル経営会議で意思決定と情報共有のスピードを高めようということで、スマートフォンを用いた情報システムを導入することが決まったんです。その開始予定が、なんと今月中!それまでにスマートフォンの運用体制を整えないといけないんです!こんな短期間ではサーバの手配すら間に合いません!なによりもスキルある人員もノウハウもありません!無理です。ゼッタイムリ!
「話は聞かせてもらった!われわれMDMポリスが出るしかないようだな!!」
Act.0--ポリス登場!
【J】ニュースサイトでもう報道されてるぞ、その一括導入の話は。ビジネスに先手を打つ、思い切った決断じゃないか。スマートフォンやタブレットは持ち運びに便利で、膨大なカタログや様々な情報も収められるし、営業や経営者には必須アイテムになってきたな。
【B氏】だからそんなに、のんびりした話じゃないんですよ!失敗したら確実に、思い切り責められますよ、私は!なにより時間がないんです時間が!人もいないし。
【P】うーん、確かに経営陣が思い切って導入を決めたはいいものの、運用管理体制まで考えていなかった、最近多いパターンね。確かに今からサーバを立ててシステムを構築していたら、絶対間に合わないわね。なるほど調べによれば、すでにPCの管理はJP1で行っているのね。
【J】よし、状況はよくわかった。大丈夫、心配無用だ。そんな時の、我々MDMポリスだ。
【P】さっそく、現場に急行よ!
解説しよう! SaaSでMDMを行う利点は?
ここのところ、スマートフォンやタブレットを導入する企業が増えてきています。企業で使われるスマートフォンやタブレットは重要な業務上のデータが入った立派な企業のIT資産ですので、PC同様に管理していかなくてはなりません。そこでMDM製品の出番!
MDM製品とはスマートフォン・タブレットなどの資産管理・セキュリティ管理を実現するための製品です。MDM製品には自社内にMDMサーバを立てるオンプレミス型とベンダーが用意したMDMサーバを利用するSaaS型の2つに分けられます。この2つを企業の要件に合わせて選択することになります。
オンプレミス型は“機密性を重視するため外部サービスには任せられない”“構築の時間余裕がある”かつ“専門スタッフが充実している”といった環境に適用できますが、 環境構築や運用で導入企業に負担が多くかかります。しかも、現在スマートフォンなどのOSは頻繁に更新されていますので、オンプレミス型では更新のたびにMDMの動作確認を行い、設定を変えなくてはならないので運用管理者の負担もかかります。
しかし、SaaS型なら動作環境の確認や設定などは全てベンダー側で対応するので、一切負担がかかりません。なによりも、すぐに利用を開始できますし、スモールスタートで始めることができるのがメリットです。
(オンプレでの構築で問題を解決した前回のストーリーも、ぜひご覧下さい)