平常時の取り組みから考える、後悔しないBCP

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2013-09-26 11:00

[PR]東日本大震災以降、BCPやDRは重要な経営課題だ。だが、導入した企業からは有事の際適切に実行できるか不安の 声も多い。確実な事業継続の為に平常時から企業がなすべき事は。ベンダー×ユーザー対談を開催した。

 2011年の東日本大震災以降、BCP(事業継続計画)やDR(ディザスタリカバリ)は、重要な経営課題の1つとなっている。だが実際に導入したり検討に着手した企業からは、「有事の際に計画どおりにアクションを実行できなかった」、「バックアップはあるけれど実際にリストアできるかは分からない」などといった声もよく聞かれるのが実情だ。

 こうなってしまう背景は何なのか。BCP策定の難しさはどこにあるのか。確実な事業継続のために平常時から企業がなすべき事は--。

 これらを明らかにし、改めてBCPのあり方を見直そうと、今回ベンダー×ユーザー対談を開催した。ベンダーとしては日立ソリューションズ。自社としても震災被害を経験した立場だ。一方は、企業に対し幅広いITコンサルティングを手がける日本仮想化技術の宮原 徹氏。こちらは利用者側の実情を知り尽くした、まさにユーザー代表だ。

対談参加者


日立ソリューションズ
本 俊也氏
社会システム事業部
第3本部
第1部
主任技師

日立ソリューションズ
岡村 光昭氏
プロダクトソリューション事業部
コンテンツソリューション本部
第3部
主任技師

日本仮想化技術
宮原 徹氏
代表取締役社長 兼 CEO

計画どおりに実行できなかったBCPの反省と、そのワケ

宮原: 経営課題として強く意識されるようになったBCPやDRですが、ユーザー企業に話を聞くと、必ずしもうまく行っているわけではないケースも多いようです。まずは、ベンダーとしては、その辺りをどう認識していらっしゃいますか。


本: おっしゃる通りだと思います。私は社内外に対してBCPの策定支援を担当していますが、実際に「BCP発動時に計画どおりのアクションを起こせない」という点は大きな課題になっています。BCPを策定していた仙台のグループ会社であっても、震災時には業務再開までに想定以上の時間がかかってしまい、大きな反省を残す結果となったのです。

宮原: 原因はなんだったのですか。

本: 二重化の対象が基幹システムのみだったことが背景にありました。実際の復旧には、受発注伝票などを扱う基幹システムだけでなく、実際に受発注の業務を行うためのPCやメールサーバ、文書管理サーバといった周辺システムが重要です。BCP策定のなかで、「普段の業務をどう復旧するか」という視点が欠けていたということです。


岡村: 私はバックアップソリューションを担当していますが、IT部門から業務内容が把握しづらくなっている事情も関係していると思います。業務内容やその優先順位がきちんと把握できていないと、どの業務のどのシステムやデータをバックアップするかという優先順位がつけにくくなります。これは、「バックアップは取っているものの、実際にリストアできるか分からない」という課題にもつながります。

宮原: 最近は、仮想環境やクラウドの利用が増えていますし、企業が取り扱うデータも急増しています。何をどうバックアップするかはますます難しくなっていますよね。

岡村: そうですね。これまでバックアップと言えば、とりあえずデータのみを全てコピーし、遠隔地などに保管しておくだけ。という、何かあった時の"保険"としての意味あいが強かったと感じます。バックアップ対象のシステムやデータ量が少ないうちはそれでもリストアできる場合がありますが、今は、大量のデータやシステムの複雑化が原因で、リストアできない事態に陥ることも考えられます。単純なデータのバックアップだけでなく、システムも含めて、確実にリストアできることが求められています。


宮原: ユーザーにとっては、コストも重要ですよね。単純にすべての機器を冗長化して2倍のコストをかけるわけにはいかないので、仮想化やクラウドをうまく使いたい。しかし、仮想化やクラウドの利用を進めると、システムやその復旧手順が複雑になっていき、コストも想定通りには下がらない。じゃあ、どうすればいいのかと多くの企業が困っています。

本: 確かにコストについては、投資効果をどう評価するのか、経営者とIT部門の間で意思を共有するうえでも重要になります。どの業務の停止が事業に対してどのくらいインパクトがあるかについて分析(ビジネスインパクト分析:BIA)したり、リスクの洗い出し(リスクアセスメント:RA)をする必要がありますが、うまくできていないように思います。

岡村: 分析やリスクの洗い出しは、どのくらいの時間で復旧するか(RTO: 目標復旧時間)やどの時点まで復旧するか(RPO: 目標復旧時点)の設計にも関わります。できるだけ早く復旧したいというニーズは多いのですが、何をどこまでいつまでに復旧するか、具体的な目標まで落とし込まれていないことが多いようです。

宮原: いろいろと出てきましたが、課題を整理して、それぞれどんな対策をとればいいのかを知りたいですね。

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