中小規模システム向けのサーバ仮想化を、迅速かつ容易に実現
UCP かんたん仮想化モデルは、「仮想化サーバ数4~64程度の中小規模の仮想サーバ環境を、コストや時間をかけずに導入、運用したい」と望む企業にとって、最適な製品だ。
では、その優位性を導入と運用管理の観点から見ていこう。UCP かんたん仮想化モデルは、他のUCP製品ラインアップと同様に、事前検証済みのサーバ、ストレージ、ネットワーク、サーバ仮想化ソフトウェアから、システム要件に応じて最適なものを組み合わせ、基本設定を済ませた状態で提供される。

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ハードウェアの標準構成だが、次の表に示すように、2台の仮想化サーバ(ラックマウント/ブレード)をはじめ、管理サーバ、ストレージ、そしてネットワークスイッチと、必要なコンポーネントがすべて揃えられている。
UCP かんたん仮想化モデルの標準構成
仮想化サーバ |
管理サーバ |
ストレージ |
ネットワークスイッチ |
ラックマウントサーバ(HA8000×2) |
ラックマウントサーバ(HA8000×1) |
エントリークラス(BR1200/1650×1) |
日立製IPスイッチ×1 |
仮想化サーバには、小規模エントリーサーバから基幹業務までをカバーする「日立アドバンストサーバHA8000シリーズ」、「BladeSymphony BS500」を用意。8台までの増設に対応するほか、仮想化の規模に合わせてCPUやメモリー、ディスク容量の構成変更も可能だ。同様にストレージも、エントリークラスの「BR1200/1650」から、ミッドレンジクラスの「Hitachi Unified Storage 100シリーズ」まで、導入規模に応じて選択できる。
仮想化ソフトウェアも、最新の「VMware vSphere 5」のほか、「Microsoft Windows Server 2012 Hyper-V」を選択でき、多様なサーバ仮想化ニーズに対応する。
導入時の設定は、日立から提供される簡単なヒアリングシートに記入するだけでよい。このヒアリングシートを基に、仮想化サーバ数やストレージの論理ボリューム数、コンピューティングリソースの割当てなど、必要な設定が施されたうえで納入される。事前のアセスメント調査や煩雑な設計・検証作業が不要となるため、通常であれば数か月を要する仮想化サーバの導入期間を、最短10営業日まで短縮している。
サーバ仮想化の運用負荷を抑制するツールやサービスも充実
一方で、導入後の運用もスムーズに行えるよう、UCP かんたん仮想化モデルではさまざまなツールやサービスメニューを用意している。その一つが、仮想化サーバでも物理サーバと変わらない操作性を提供する専用の管理ソフトウェア「VM Simple Console utility」だ。
一般に仮想化サーバの運用で用いられる管理ツールは操作が複雑であり、初心者には敷居が高いことも運用時の不安要素となっていた。これに対してVM Simple Console utility は、直感的に利用できるシンプルなGUIの管理画面を用意。一つの画面から仮想マシンと仮想化サーバを一元管理できるのだ。電源のON/OFFや、リモートコンソールといった基本操作が行えるほか、スケジュール機能を利用した仮想/物理サーバの自動起動やシャットダウンもサポート。これにより、既存の物理サーバと同様の運用が可能となる。また、電源のON/OFFなど、限られた操作のみを行うデータセンターのオペレーターであっても、特別なスキルを習得せずに日常業務を遂行できるようになる。
なお、UCP かんたん仮想化モデルは「VMware vCenter」などの管理ツールを併用できるので、仮想化サーバへのCPUリソースの割当てやメモリー容量の追加、仮想マシンの複製といった本格的なオペレーションにも対応する。
また、日々の操作、運用を効率化できるよう、最低限必要な情報がまとめられた各種運用支援マニュアルを用意するほか、システム管理者向けにオンサイトによるトレーニングも提供。簡単な運用マニュアルを用い、実機を交えた操作方法の教育が行われるので、サーバ仮想化が未経験のシステム担当者でも、安心して運用に携われるようになる。