HP Integrity Superdome Xが「ビッグデータ」「HPC」「基幹システム」を変える
日本ヒューレット・パッカード株式会社
HPサーバー事業統括本部
エンタープライズサーバー
ビジネス開発部
プロダクトマネージャー
日野創氏
日本ヒューレット・パッカード株式会社
プリセールス統括本部
サーバー技術二部
ミッションクリティカルエバンジェリスト
藤川智博氏
この日最後のセッション「オープンミッションクリティカルという新たな発想」に登壇したのは、日本HPのHPサーバー事業統括本部 日野創氏と、プリセールス統括本部でミッションクリティカルエバンジェリストを務める藤川智博氏である。
「HP Integrity Superdome Xは、HPが3年の歳月をかけて完成させた戦略製品です。"ビッグデータのリアルタイム解析"に代表される新しいミッションクリティカルワークロードに応える、超高速インメモリ処理プラットフォームです。サポートOSはLinuxです。」(日野氏)
日野氏は、具体的なHP Integrity Superdome Xの適用領域として「ビッグデータ」「HPC」「基幹システム」を挙げ、それを可能にする資質は「240コア/12TBメモリが実現する高性能」「業界最高クラスの信頼性」「標準のLinuxが稼働可能なオープン性」であるとした。
リニアな性能向上とx86サーバーの常識を超えた高信頼性
続いて藤川氏が、テキサス州ダラスにあるHPのサーバー開発拠点に3カ月滞在し、開発陣と共同作業をした体験を交えて次のように語った。
「HP Integrity Superdome Xの大きな特長に、HPが独自に開発したチップセット『XNC2』の搭載があります。サーバーブレードを横断して16CPUを高速かつワンホップ(迂回なし)で接続し、リニアなスケールアップを可能にしています」
HP Integrity Superdome Xでは、実際に4ソケットから8ソケットへのスケールアップで1.95倍、8ソケットから16ソケットで1.89倍という性能向上を実現している。また、ビッグデータ解析のパフォーマンスベンチマーク「Graph500」では、他サーバー製品の約1/3のコア数で同等の性能を発揮することを実証した※。コアあたりの性能では圧倒的と言える数値を叩き出している。
※HP Superdome X の値は九州大学ならびに JST CREST の協力による2014年11月28日現在の検証値です
「次に信頼性ですが、ハイエンドのHP-UXサーバーHP Integrity Superdome 2のRAS機能を、x86 サーバーとLinux の環境で実現することをコンセプトとしています。たとえば、PCIカードのエラーを検知した際に、アプリケーションに影響を与えることのないよう封じ込め、自動修復を図る『PCI Error Recovery機能』を備えています」(藤川氏)
ここで藤川氏は、「一般的なx86サーバー」と「HP Integrity Superdome X」で、ハードウェア障害が発生した時の挙動をムービーで紹介した。FTPファイル転送中に「PCIカードエラー」を意図的に発生させるデモである。まず「一般的なx86サーバー」では、PCIカードエラーによってシステムがクラッシュし、サーバーが再起動する様子が映し出された。
「これに対してHP Integrity Superdome Xでは、エラーが発生してもクラッシュせずに封じ込めています。ファイル転送を一時停止させ、バックグラウンドで自動的に復旧を試みます。そして、リカバリが完了するとファイル転送が再開されます。もちろんログも収集しています」(藤川氏)
こうした高度なリカバリ機能の実装は、ハードウェア、ファームウェア、OSが連携して初めて可能になる。Linuxを独自に改変して機能を実装する例もあるが、これではオープン性・標準性が担保できず利用できるアプリケーションが限定されてしまう。
「HPは、HP Integrity Superdome XのRAS機能を開発・実装するにあたってインテル、Linuxコミュニティと緊密に協業し、それぞれ標準機能・標準Linuxとして利用できるようにしました。ですから、HP Integrity Superdome X上で稼働するLinuxはまぎれもなく"標準Linux"なのです」(藤川氏)
「高性能」「高信頼性」「オープン性」――そのすべてを備えたHP Integrity Superdome Xは、システム性能の限界やコストの壁を打ち破るポテンシャルを秘めている。
「ビッグデータ、HPC、基幹システム領域にとどまらず、HP Integrity Superdome Xが様々な領域で不可能を可能にします。今こそ『やろうとしても、できなかった』お客様のビジネスアイディアを、ぜひ実現していただきたいと思います」(日野氏)