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リアルタイム経営を支える ERP&BI一大革新の行方【前編】ビジネスのリアルタイム分析に必要な企業ITの構造とインフラとは?

特別インタビュー:【SAP】×【ノベル】×【IBM】

「いま、自社のビジネスはどのような状況にあるのか、更なる成長のために今どんなアクションが必要なのか」――。この経営上のシンプルな問いかけに瞬時に答えを出すことが企業ITの大きな役割の一つだろう。だが、システムは複雑化し、データ量は肥大化する中で、その実現がますます困難になっているのが現実だ。この問題に解を出すべく、SAPは、インメモリ・データベース技術「SAP HANA」をテコに、基幹業務システム(ERP)とビジネス・インテリジェンス(BI)システムのドラスティックな構造改革を推し進めている。果たして、SAP HANAによる変革は企業のデータ活用のあり方をどう変容させるのか。また、この変革を実現するためにはITインフラに何を求められるのか。その解を示すべく、日本IBM、SAP、そしてノベルの3社がZDNet Japanのインタビューに臨んだ。ここではその取材内容を前後編の2回に分けて紹介する。

あらゆるシステムでデータをリアルタイムに回す価値

 今回の取材に応じていただいたのは、SAPジャパン プラットフォーム事業本部ビジネス開発部でプリンシパルソリューションアーキテクトとして活躍する松舘 学氏と、ノベル SUSE事業部のテクニカルセールスマネージャー、羽田 勝治氏、そして、日本IBM グローバルISVソリューションズ コンピテンシーセンター担当部長の江口 仁志氏だ。ZDNet Japan編集長、怒賀新也の問いかけに答える格好で、3氏の話は、企業ITの構造改革を実現するうえでのSAP HANAの役割と、その稼動プラットフォーム選択において検討すべき重要な視点を軸に多方面に及んでいる。これまで、IAサーバでのみ稼働してきたSAP HANA。そのインフラとして、IBM Power Systemsが加わったことは、SAP HANAが目指すIT改革のシナリオにどのような変化をもたらすのか。また、IBM Power Systemsは、SAP HANAのパワーをどう高めるのか――。3氏が語る。

怒賀:まずは話のきっかけとして、「SAP HANA」が企業ITの何をどう変えようとしているのかについて、松舘さんに改めてご説明いただきたいのですが。


SAPジャパン
プラットフォーム事業本部ビジネス開発部
プリンシパルソリューションアーキテクト
松舘 学氏

松舘氏(以下、敬称略):SAP HANAが目指しているのは、複雑化した企業システムをシンプル化し、あらゆる業務システムのデータをリアルタイムに回していくことです。

 SAPがERP製品を世に送り出したそもそもの目的も、ビジネス・データをリアルタイムに処理し、経営に生かすことにあり、当初はそれが実現できていたんです。

 ところが、企業システムの拡張と多様化、そしてデータ量の肥大化が進行するにつれて、ERPやSCM、CRM、データ・ウェアハウス(DWH)/データマートといったシステムの間でデータをリアルタイムに連携していくことが困難になりました。結果、経営判断を下すために必要なアウトプットを得るために、さまざまなシステムを見て回らなくてはならず、データの鮮度が落ちてしまうのです。また、SAP製品自体も、機能の拡張や製品の多様化、データ量の増大、データ構造の複雑化といった流れの中で、リアルタイム性を確保する上で課題が出てきていました。そんな状況下、SAP創業者の一人であるハッソ・プラットナーが決断した抜本的な打開策こそが、が、SAP HANAの開発だったわけです。つまり、SAP HANAは、「リアルタイムにすべてのシステムデータを回す」というSAP創業当時からの彼の考えを再度具現化するために生まれたのです。

怒賀:そう考えれば、SAP全製品のデータベース・プラットフォームとしてSAP HANAが採用されるのは既定路線だったわけですね。

松舘:そう言えます。SAP HANAは当初、データ分析用途に特化したカラム型のインメモリDBに過ぎませんでした。ですが、今日のSAP HANAは、SQLの更新・削除・挿入の処理をすべて記録する独自技術(デルタストレージ)の実装などにより、カラム型DBが苦手としてきたOLTPにも対応し、エンタープライズDBに求められる機能をほぼ網羅的にサポートするまでに進化しています。インメモリDB基盤であるSAP HANAには、インメモリDBを中核に、開発環境や統計解析エンジンが統合されています。つまり、アナリティクス系ワークロードも含め、さまざまなアプリケーションをSAP HANAベースで開発できる環境がすでに整えられているのです。さらに、SAP HANAに最適化された次世代ERP「SAP S/4HANA」の導入においては、ERP系、CRM系、BI系の各SAP製品のSAP HANAへの移行を並行して実施されるお客様が増えてきており、いずれは、すべてのSAPモジュールがHANADBプラットフォームで動作する構想を持ちながら、お客様へのご提案活動を進めています。 


※クリックすると拡大画像が見られます

怒賀:システムのデータベースをSAP HANAに統一することで、ユーザー企業には具体的にどんなメリットが生まれるのですか。

松舘:1つは、システム全体やデータベースのアーキテクチャがシンプルになります。例えば、通常のリレーショナルDBで売上分析を行おうとすると、製品コード別、あるいは営業支店別といったさまざまな軸で中間テーブル(マテリアライズド・ビュー)を事前に作成しておく必要があります。対するSAP HANAでは、元の明細書テーブルだけで売上分析が高速に回せます。つまり、基本的に中間テーブルを作る必要がなく、データベースの構造を簡素化できるのです。また、中間テーブルが不要になれば、更新処理も明細書テーブルに対して一回行えば済むようになり、アプリケーション・ロジックもシンプル化されます。つまり、SAP HANAを使うと、データベース構造、アプリケーション構造がともにシンプル化され、レスポンス性能が大幅に高められます。これは、ビジネス・経営観点から言えば、「いま、自社のビジネスで何が起きているか」を正しくかつリアルタイムに把握し、迅速な経営判断、ビジネス判断が可能になるということを意味します。たとえば、「1日前のCRMデータから集計した結果を用いてBI分析を実施するのに1日かかり・・・」というふうにデータを回していけば、その鮮度はどんどん落ちていき、結果的に経営判断の遅れや判断ミスで、ビジネス上の痛手を被るリスクもあります。しかし、リアルタイムデータの活用で、正しい経営判断を即時に下すことができれば、企業競争力の向上に直結するのです。

SAP HANAの価値をさらに高める方法とは

提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2015年12月31日
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