リアルタイム経営を支える BI/ERP一大革新の行方【後編】SAP HANA の性能と運用効率をさらにアップする秘訣とは?

システム検証の実施で、SAP + Power が実現する革新性を実際に目の当たりに

怒賀:ところで、SAPとIBMの共同でコンピテンス・センターを運営されているとのお話も伺っております。これはどのような機能を持ったセンターなのですか。

松舘:SAPでは元来、パートナーとの協業の中でコンピテンス・センターを展開するというスタイルを採用しており、IBMのコンピテンス・センターも、当社の本社内に設置し、PoC(システム検証)施設としてお客様やシステムインテグレーター様に活用いただいています。


日本IBM
グローバルISVソリューションズ
コンピテンシーセンター担当部長
江口 仁志氏

江口:SAPのコンピテンス・センターはもともと、「製品の品質保証を行うための施設」という色合いが濃かったのですが、現在では、「新しい技術をどう活用すると、何が得られるのか」の検証の軸足が移っています。そうしたPoCの取り組みに、IBMも全面的に協力させていただいています。ご存じのように、コンピテンス・センターでの検証には、大きく2つの種類あります。1つは技術検証で、もう1つは、「ビジネスの観点から投資対効果があるのか」、「本当にビジネス課題が解決できるのか」といった「新技術の適用によるさらなるイノベーション」の検証です。SAPとIBMは、その双方をサービスとして提供しているということです。

怒賀:SAP HANAに関して、そのセンターでの具体的な成果は何かありますか。

江口:現在、テスト出荷中のSAP S/4HANAに対して、IBMが持つSAP ERPのテンプレートを適応させています。また、コンピテンス・センターでは、IBM製以外のテンプレートの検証も可能ですので、すでにいくつかのSIerが自社テンプレートの稼働検証を行っています。また、ある国内自動社メーカーが、SAP HANAとIBM Power Systemsを用いて大量のセンサー・データを分析し、期待どおりの結果が得られるかどうかを検証されています。

 ですから、SAP HANAの検証に関心をお持ちのお客様には、是非、広くご活用いただきたいと考えています。また、弊社ではSAP HANAを含むSAP業務変革アセスメントも提供していますので、SAP環境の最適化にご興味をお持ちのお客様にも、お役立ていただけると考えています。

怒賀:北米でもNTTデータがすでに「SAP HANA on IBM POWER」を採用したとのお話もありますが。

江口:確かにそうです。IBM Power Systems版のSAP HANAについては、今年8月に国内での出荷を始動させた状況にありますが、NTTデータは、早期ユーザーとしてご登録いただいた25社の中の1社で、出荷前からさまざまな検証を進めておられました。性能と信頼性の観点から、「SAP HANA on Power Systems」のを欲する強い声が、NTT データのお客様からあったからではないでしょうか。 実際、NTTデータ では、 1 週間足らずで Power Systems 環境で SAP HANA を立ち上げるとともに、大幅なパフォーマンス向上を検証で実証し、いくつかの事例では、照会実行時間を「数分」から「数秒」に短縮することにも成功されています。

怒賀:最後に、SAP HANA on IBM POWERに対する皆さんの期待・展望について、改めてまとめていただきたいのですが。

松舘:SAP HANAを2010年12月にリリースしてから約5年が経過していますが、現時点(今年第2四半期時点)のユーザー数は約7,200。SAP製品のインストール・ベース(約30万社)に比べると、まだまだ少ない数字です。その背後には、インメモリDBの信頼性や可用性に対するお客様の「漠然とした不安感」があります。つまり、「インメモリDBは本当に大丈夫なのか」、「システムダウンで、重要なデータがすべて失われてしまったりしないのか」といった不安を抱く方が、まだ少なくないというわけです。そうした不安の大多数は、「誤解」や「認識不足」によるものですが、IBM Power SystemsでSAP HANAが動くとなれば、SAP HANAの信頼性や可用性を巡るお客様の不安は解消されるはずです。加えて、IBMにはコグニティブ・コンピューティング「Watson」など極めて先進的で、興味深い技術があります。その技術とSAP HANAとを連携させることによって、さまざまな領域に向けた新しいBIの仕組みも作れるのではないかと考えています。

 S/4HANAは現在、会計などの一部の領域をカバーしていますが、今年末には販売管理や在庫管理といったロジスティックス系のモジュールもS/4HANAとしてリリースされ、いよいよ「SAP HANAによるSAP ERPシステムのシンプル化」が本格的に動き始めます。

 そうした革新の流れに、高信頼・高可用のIBM Power Systemsが拍車をかけてくれるものと期待しています。


ノベル
SUSE事業部
テクニカルセールスマネージャー
羽田 勝治氏

羽田氏:SUSEは製品の信頼性を徹底的に追求する会社です。ですから、SUSE Linuxならば、S/4HANAを含めたSAP製品に対するお客様の要求を満たしていくことができると確信しています。信頼性・可用性の観点からSAP HANAのインフラとしてIBM Power Systemsが選ばれた際には、必ずSUSE LinuxがOSとして選択される――そんな流れをかたち作っていきたいと考えています。

江口:お二方からIBM Power Systemsに対するご期待をいただきましたが、「SAP HANA on IBM Power」の重要なポイントは、IAサーバを使う以外に道がなかったSAP HANAのお客様に新しい選択肢を提供したことにあります。繰り返すようですが、IBM Power Systemsは高性能・高可用であり、これからも進化を続け、性能もますます高められていきます。そうした技術革新の価値を活かしながら、今後もさまざまな選択肢をS/4HANA、SAP HANAをはじめとするSAPアプリケーションをお使いのお客様に、ご提供・ご提案してきます。

提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2015年12月31日
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