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発足間近のASEAN経済共同体 —これからのASEANビジネスで成功するための勘所

AEC統合に向けて何に取り組むべきか

 今後も成長を続けるASEANで日本企業が成功するには、リスクを踏まえた戦略の立案と実行が欠かせない。特に、AECの統合は未確定の部分も多く、現在よりも臨機応変な対応が求められることになりそうだ。

 「ロードマップに沿って2015年末に100%計画が実施されることは難しいでしょう。そもそもASEAN諸国は文化や民族、習俗の違いがあり、EUほど一体的ではありません。GDPも30倍の格差があるほどです。2015年中に新たな目標が設定され、2020年あたりにはほぼ完成すると見られています。そこに至る過程で国ごとの役割分担も明確になっていくはずです」(同氏)

 AEC統合でASEANに単一の市場がすぐにできるわけではない。一方、市場ができあがったときに影響がほとんどないというわけでもない。実際、進められるところから進んでいるのが現状であり、注意していないと乗り遅れてしまうという状況なのだ。日本企業にとっては、こうしたASEANの不明確さや多様性にどう対応するかがカギになる。

 穂高氏は、「ASEANの多様性は、それ自体リスクにとらえられますが、一方でリスクを分散しやすいという考え方にもつながります。ASEAN特有の事情をプラスに転化していくことが大切です」と話す。

ASEANで重要性を増すクラウドサービス

 AECがそうした状況にある中で、IIJでは2014年からシンガポールでクラウドサービス「IIJ GIO Singaporeサービス」を開始。さらに、この5月にはインドネシアへもサービスを拡大し、ASEAN進出企業のビジネスをITインフラの面で支えている。基本的には、ASEAN 10を陸と海に分け、シンガポールとインドネシアから提供する2本立てのクラウドサービスで、ASEAN地域全体をカバーしている。清水氏は、ASEAN地域のネットワーク状況について、こう説明する。


IIJ
グローバル事業本部
グローバル企画部長
清水博氏

 「かつては、ASEAN内でも国を超えるとネットワークが突然遅くなるなどの問題が多かったのですが、ASEAN経済統合を見据えて各国とも遅延は解消し始めています。IIJの調査では、シンガポールとタイのバンコク間のネットワークの遅延は東京-九州間と同程度なので、運用サイドとしては全く問題ありません」(同氏)

 たとえば、シンガポールのクラウドサービスをタイから利用すれば、タイ国内でデータを扱っているのと同じように違和感なく使えることになる。これは、BCP対策や、タイの洪水対策としても有効で、実際にこうした利用を行っている企業は少なくないという。あるタイの顧客は、シンガポールのクラウドにサーバを構築・運用しており、今後もASEAN各国からのアクセス増加を想定している。

 また、シンガポールのクラウドをASEAN全域で利用する「基盤」として運用するケースも多い。IIJは、シンガポールの拠点にインターネットバックボーンのノードを持っている。シンガポールのノードは、日本への接続性が高いだけでなく、シンガポールからASEAN諸国に対する接続性も高い。そのため、ASEAN地域で利用するシステムをシンガポールに集めるという動きが進んでいる。

シンガポールでIT統括拠点の動き

 清水氏によると、近年注目できるのは、ASEANの"クロスボーダー"の動きだ。ASEANは国によってIT事情がさまざまに異なるため、それぞれの国に拠点展開して、システムを構築するケースが多かった。それを、シンガポールのIT基盤をハブとして、各国をまたぐようにシステムを構成するアプローチに変わってきたという。

 「たとえば、タイからインドネシアへ急遽、増産体制を構築するといったビジネス側からの要請があります。また、タイの従業員を周辺国のラオスに支援するといったことも増えています。そうした周辺国のダイナミックな活動をサポートするために、周辺地域をカバーするIT拠点としてのシンガポールの重要性が再認識されている面があります」(同氏)

 最近では、資生堂やニコンなどに代表されるように、シンガポールにITやマーケティングの統括拠点を設ける動きも活発化している。シンガポールをIT部門の地域統括拠点として強化することで、AEC統合を見据えた市場に対し、ビッグデータなどを駆使した高度な販売施策やマーケティング施策を実施する基盤にもなる。

 「シンガポールをASEANを統括する拠点とする日本企業に対しては、ゲートウェイの統一化や日本とのクラウド基盤の冗長化、ASEANに散らばるシステムの統合といった面で支援を行っています。シンガポールはITリテラシーが高いという利点があります。IIJでは、クラウドサービスに加え、コロケーションとのセット販売によるハイブリッド構成など柔軟な構築運用ができるようにしています」(同氏)

 野村総合研究所が2014年に実施した、東南アジア進出日系企業を対象とした調査によれば、シンガポールの地域統括本社の60%にIT専門部隊を設置している。しかもその半分は、シンガポールだけでなく、ASEANの地域全体の統括拠点として活動しているという。シンガポールのIT拠点は、ASEANビジネス成功のカギを握ると言ってもいいだろう。

 ASEANビジネスは、日本企業の今後のグローバル展開の要だ。ビジネスの展望とITの役割について、ほんのさわりの部分しか紹介できなかったが、セミナーでは、ビジネスとIT地域統括拠点の抱えている問題や傾向、運用事例など、その全貌が明かされる予定だ。

 穂高氏による現地ビジネスの解説、IIJによる実例を基にしたシステム構築のポイントのほか、ASEANの中小規模の日本企業事業所向けの会計システムをクラウド型で提供するビジネス・アソシエイツ、シンガポールでの内部統制強化の動きに対応するセキュリティソリューションを展開するNRIセキュアテクノロジーズの講演も予定している。

 グローバル展開を検討している企業の担当者、海外進出で現在悩みを抱えている担当者など、ASEANビジネスに関心のある方はぜひご参加いただきたい。

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ASEAN ITセミナー(東京会場、ライブ配信も実施)

インフォメーション
お問合せ先

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)
グローバル事業本部 グローバル企画部
global-marketing@iij.ad.jp

提供:株式会社インターネットイニシアティブ
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2016年4月8日
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