4つのシナリオでどんな移行でも完全支援――日本ビジネスシステムズ

パターン2:"いいとこ取り"のハイブリッド環境へ
――クラウド+オンプレミスへの移行

 今、もっとも注目されているのが、オンプレミスとクラウドの"いいとこ取り"をした「ハイブリッド環境」である。基幹系システムはオンプレミス、情報系システムはクラウドで運用することで、一定の堅牢性を担保しつつ、迅速かつ柔軟なスケールアウトができる。「ビジネス競争力強化」の観点からも、得られるメリットは大きい。

 笠原氏は、「すでに一部の環境をクラウドで運用しているお客様が、サポート終了を機にオンプレミスとクラウドの管理を統合し、システムの最適化を図るケースが多い」と語る。

 同氏によると、段階的にクラウドを導入した結果、つぎはぎでオンプレミスとクラウドの統合ができていないハイブリッドの運用に悩んでいるユーザーは多いという。「例えば、プライベートクラウド(オンプレミス)環境は、VMwareの『vCenter』で管理し、パブリッククラウドは『Azure』を利用、さらにグループウェアはSaaS型の『サイボウズ ガルーン』を導入し、それぞれが個別の管理画面で運用しているケースもあります」(笠原氏)

 このような場合に力を発揮するのが、マイクロソフトのシステム管理ソリューション「System Center」である。JBSでは「System Centerソリューション」として、同製品の導入支援サービスを提供している。

 System Centerは、パブリッククラウド、プライベートクラウドなどに分散しているIT基盤をはじめ、クライアント端末などの各種デバイスを、一元的に管理するものだ。最新版である「System Center 2012 R2」は、8つのコンポーネント(アプリケーション)から構成されており、それぞれを単独でも、連携させても利用できる。「インフラストラクチャーのプロビジョニング」「インフラストラクチャーのモニタリング」「自動化とセルフサービス」「ITサービス管理」「アプリケーション パフォーマンス監視」といった、リソース管理や課金、ジョブの自動化などを網羅する。

パターン2/基幹系システムはオンプレミス、情報系システムはクラウドで運用するハイブリッド環境への移行。効率的な環境構築は、「System Center 2012 R2」がキモになる
パターン2/基幹系システムはオンプレミス、情報系システムはクラウドで運用するハイブリッド環境への移行。効率的な環境構築は、「System Center 2012 R2」がキモになる

 例えば、JBSが構築運用サービスを提供しているコンポーネントの1つ「System Center Orchestrator」は、システム運用管理に伴うITプロセスを自動実行するものだ。その中に包含されている自動化ツールの「Runbook」は、繰り返し発生する定常的なIT運用管理プロセスを自動化する。笠原氏は、「System Centerの最大の特徴は、運用が自動化できること。特に最新版は、各コンポーネント間の連携がシームレスになり、以前のバージョンとは比較にならない程、使い勝手が向上しています」と評価する。

 実はSystem Centerのライセンスは、スイートライセンスに包含されていることが多い。笠原氏も「われわれのお客様の中には、すでにWindows Server 2012/2012 R2やAzure、Office 365を利用しており、System Centerのライセンスをお持ちの方もいらっしゃいます。しかし、それを気がつかないで、別途運用管理及び自動化ツールを購入し、その管理を他ベンダーにアウトソースしているケースもある。そうしたお客様には、System Centerで運用管理/運用自動化の実現を支援するサービスを提供しています」と説明する。

 もう1つ、ハイブリッド環境で忘れてはならないのが、Azureの存在である。オンデマンドのセルフサービス型で、ユーザーはネットワークを通じて、必要な時に必要な量のコンピューティングリソースを従量課金制で利用できる。新規プロジェクトの開発や検証、ステージング環境、アプリケーション/モバイルサービスの開発環境を必要としている企業にとっては、有用な基盤だろう。

 笠原氏は、「開発/検証環境の調達は、システム部門にとって苦労の多い作業でした。しかしAzureを利用すれば、必要なときに即座に必要な環境を使用できます。実際、JBSもお客様の環境を検証するためにAzureを使用しています」と語る。

 またAzureでは、「Azure Active Directory」が提供されている。そのため、オンプレミスで運用しているActive DirectoryとAzure Active Directoryで統合ID管理が可能になるなど、ハイブリッド環境でもIDを一元管理でき、ユーザーはオンプレミスシステムに加え、クラウドアプリへも簡単にアクセスできるようになる。

 なお、JBSではAzure開発/検証環境利用サービスも、ソリューション・メニューとして提供している。現時点において移行ポリシーが定まっていない企業は、ぜひ検討してほしい。

すべて自社サーバで運用しなければならない理由がある

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