2025年、SAPの保守期限が終了! 今あるシステムを安心して使い続け、 移行に備えるために検討したい“クラウド化”という決断

 SAP Business Suite 7(SAP)の保守期限が、2020年から2025年まで延長された。しかし、2020年1月14日には「Microsoft Windows Server 2008」が、2019年7月9日には「Microsoft SQL Server 2008」の保守期限が終了する。保守期限に影響されることなく、SAPを安心して使い続けていくためには、どうすればよいのだろうか。

 インターネットイニシアティブ(IIJ)クラウド本部 エンタープライズソリューション1部 ERPソリューション課長の五十嵐直樹氏、および日本マイクロソフト デジタルトランスフォーメーション事業本部 エンタープライズクラウドアーキテクト技術本部 クラウドソリューションアーキテクトの井上和英氏のSAPソリューションのプロフェッショナルの二人にSAPの2025年問題について聞いた。

IIJとマイクロソフトの堅固なパートナーシップ

--現在、日本マイクロソフトとIIJでどのようなビジネスを展開しているのでしょう。


五十嵐直樹氏
インターネットイニシアティブ(IIJ)
クラウド 本部エンタープライズソリューション1部 ERPソリューション課長

五十嵐氏(以下敬称略)IIJでは2014年7月に、クラウドサービスである「IIJ GIO(ジオ)」と、マイクロソフトのエンタープライズ レベルのクラウド コンピューティング プラットフォームである「Microsoft Azure」を連携したマルチクラウド環境をお客様に提供する戦略的な協業を行っています。

 また2015年1月より、「IIJクラウドエクスチェンジサービス for Microsoft」の提供を開始しています。IIJクラウドエクスチェンジサービス for Microsoftは、お客様の拠点とAzureを閉域網で接続するサービスです。さらに同じ年には、「クラウドソリューションプロバイダー(CSP)」プログラムに参加するなど、IIJ GIOとAzureの組み合わせによる、さまざまなビジネスを展開しています。

 こうした取り組みにより、2016年6月に米国Microsoftの「2016 Microsoft Worldwide Partner Award」で、「Hosting Partner of the Year」を日本企業として初めて受賞しています。また、日本マイクロソフトの「Microsoft Partner of the Year 2017」で、Hostingアワード」および「Hybrid Cloud & Infrastructure Platformアワード」を2年連続で受賞しています。

井上氏(以下敬称略)IIJは、プライベートクラウドにIIJ GIOを、パブリッククラウドにAzureをと、うまくすみ分けをして、ビジネスを展開してもらえる重要なパートナー企業です。SAPとSQL Serverの組み合わせを、Azureで稼働させる場合、システムの構築や運用・保守でサポートが必要ですが、安心してお任せできるのがIIJです。

2025年に保守期限が終了するSAPの影響とは

--2025年にSAPの保守期限が終了しますが、顧客企業にとってどのような影響があるのでしょう。

五十嵐SAPの保守期限が終了するにあたり、SAPジャパンとしては、2015年に発表された「SAP S/4HANA」に移行してほしいと考えています。しかし既存のSAPユーザーは、SAP S/4HANAに移行するという判断を、簡単に下すのは困難な状況です。その理由は、SAP S/4HANAの製品体系が、大きく変化し続けているためです。

 SAPでは2011年6月に、SAP S/4HANAの中核技術であるインメモリデータベース「SAP HANA」の提供を開始し、既存のSAP環境は、SAP HANA上でそのまま動作するという戦略を展開していました。しかしSAP HANAは、まだ新しいデータベースなので、1年に1度はメジャーバージョンアップが行われ、アーキテクチャが大きく変更になっています。

 データベースが変更になると、SAP HANAの新機能の活用を含め、アプリケーション及び業務オペレーションをすべて再検証しなければなりません。また、これまでにSAP上で数千本のアドオン開発をしているお客様もいます。特に日本企業では、アドオン開発の割合が高く、これがSAP S/4HANAへの移行の最大の足かせとなっています。


井上和英氏
日本マイクロソフト
デジタルトランスフォーメーション事業本部
エンタープライズクラウドアーキテクト技術本部
クラウドソリューションアーキテクト

井上現在、SAP HANAを導入している日本企業のほとんどは新規導入であり、既存のSAPをSAP S/4HANAに移行した日本企業はほとんどいません。現状でSAP S/4HANAに移行するためには、大規模なシステム改修や業務改革が必要になります。極端にいえば、スクラップ&ビルドも考えなければなりません。


※クリックすると拡大画像が見られます

 そのためSAPを導入しているお客様は、SAP S/4HANAに移行すべきか、既存のSAPとSQL Serverの組み合わせを使い続けるかで悩んでいます。お客様の多くは、アドオン開発の影響により、2025年までは既存のシステム環境を使い続けたいと考えています。ただし、2025年まで既存のSAPを使い続けるためには、OSやデータベースなどのインフラが問題になります。

 たとえば、SAPをオンプレミスで稼働している場合、2025年までにハードウェアの更改が1~2回必要になります。オンプレミス環境を、Azureに移行することで、ハードウェアの初期導入コストはもちろん、運用・保守コストも不要になり、運用・管理作業からも解放されるなど、ハードウェアの更改の問題を解消できます。

2025年に向けSAPユーザーが検討すべきこと

提供:株式会社インターネットイニシアティブ / 日本マイクロソフト株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年6月30日
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