大規模成功事例に見る導入成功の「王道」とは
‐‐ ここからはより具体的な、VDI導入の進め方についてお聞きしたいと思います。
藤沼ベンダー側としては、お客様が「なぜ」VDIを求めているのかを、はじめの段階でしっかり理解することが重要だと考えています。動機としては「セキュリティを強化したい」というものもあれば、一歩進んで「ワークスタイル変革」プロジェクトの一環として検討を始めるケースもある。昨年はWindows XPのサポート終了に合わせて、「既存のアプリケーションを延命する」手段としてVDIを使いたいというお客様もいらっしゃいました。
そうした「お客様のニーズ」を明確に理解することで、最もふさわしい製品や機能、構成を導き出すことが可能になります。基本的なことかもしれませんが、VDIの活用範囲が広がりを見せている現在、その重要性はさらに高まっていると感じています。
‐‐ そうした取り組みを通じて、民間企業でも「VMware Horizon」を大規模に採用された製造業のお客様がいらっしゃるなど成功事例も広まっているようです。
藤沼はい、ご指摘のように民間企業でもデスクトップ仮想化は広まっております。全社規模・千台~数千台規模でVMware Horizonを導入するプロジェクトも手がけました。
福島導入されるお客様も最近は、事前にエンドユーザーが利用するシステムの使い勝手が業務に与える影響について、よく考えられている場合が増えてきていますね。例えばベンダーが提案したサイジングが適切か、パフォーマンスの問題はないか、といった点を随時検証して、評価されるお客様もいらっしゃいました。
藤沼ベンダーにとって、サイジングの提案は腕の見せどころですよね。こうしたお客様に対してNECとしては、合理的な根拠をきちんと示した上で、サイジングの提案を行える。これは非常に意味の大きいことなのです。求められている性能を出すためには、最低限どんな機器が必要で、それらをどう構成すればいいのかを考える点で、蓄積されたノウハウが活きてくるのです。
NECは以前からデスクトップ仮想化の独自パッケージを持っていましたし、多数のデスクトップ仮想化ソリューションを長年にわたり提供・構築してきました。これにより蓄積されたノウハウは数多く多岐にわたりますので、その実績に裏付けられた「サイジング精度の高さ」が、NECをご選択される決め手になるケースは多いです。
また弊社では、求められている可用性とパフォーマンスを両立するために、ストレージの構成やRAIDの組み方まで検討して提案をしています。NEC社内には、VDI検証体制が作られています。そこでは、実運用において性能問題が起こらないように、実際のVDI環境でサイジング検証を実施することで、ストレージ構成やサーバ構成の標準化を進めています。このような体制があるというのもNECの強みのひとつです。