マルチクラウドのコンセプト
ネットアップでは現在、「Unbound Cloud(アンバウンド・クラウド)」というコンセプトを打ち出している。
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これは、企業・組織内の「プライベート・クラウド」と、クラウドサービス・プロバイダーが提供する「オーダーメイド型パブリッククラウド」、さらには、Azureや「Amazon Web Services(AWS)」に代表される「ハイパースケーラー型クラウド」の3つをシームレスにつなぐというものだ。目指しているのは、プライベート、オーダーメイド、ハイパースケーラーという3タイプのクラウド間で、アプリケーション/データを(システムのパワーがオンの状態で)自在に配備したり、行き来させたりすることができるハイブリッド・プラットフォームの実現だ。単純化して言えば、3タイプのクラウドをあたかも1つのプラットフォームとして機能させることがUnbound Cloudの目指すところとなる。
Unbound Cloudを体現するソリューション
ネットアップではすでに、Unbound Cloudのコンセプトを体現するソリューションを提供している。1つは、「FlexPod」だ。
これは、ネットアップのストレージ システムと、シスコ システムズのサーバ「Cisco Unified Computing System」、およびネットワーク・スイッチ「Cisco Nexus」シリーズで構成される垂直統合型のプライベート・クラウド基盤だ。
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事前検証済みのソリューションとして提供されるため、導入工数・コストの大幅な削減を実現。すでに世界4,100社・組織への導入実績があり、事前検証済みのシステム構成のタイプも50種以上に及んでいる。
マイクロソフトは現在、事前構成済みのプライベート・クラウド・ソリューションを、ハードウェア・パートナーと共同で提供する「Microsoft Private Cloud Fast Track」(以下、Fast Track)の取り組みを推進している。FlexPodは、Fast Track最新仕様(v4)準拠の認定も受けており、「Windows Server 2012 R2」や「Microsoft System Center 2012 R2」との連携が保証されている。
そのFlexPodを含むプライベートクラウド基盤とAzureとのつなぎを確保するのが、「NetApp Private Storage for Microsoft Azure」と呼ばれるサービスである。
このサービスは、ネットアップのストレージを、ユーザー専用の(つまりは、プライベートの)ストレージとしてAzureに直結させ、そのストレージとプライベート・クラウド配下のネットアップ・ストレージとを連携させるというものだ。