IP化が進む現場を人的スキルに頼らず品質を確立する!――音響エンジニアリングのヤマハサウンドシステムの選択

SFPやPoEなどへの対応も評価して
「LinkRunner AT2000」を採用

 髙久氏の業務は、新しく採用された規格や技術を使用したシステム構築の検討や検証などだ。検証結果を元に社内へ技術情報を展開し、次世代のシステム構築につなげていく、いわば技術の橋渡し役といったところである。そして、新たにIPネットワークに関する検査機器が必要となった際にも、その選定を担当した。

LRAT-2000_Front-Hand_h:LinkRunner AT2000 LRAT-2000_Front-Hand_h:LinkRunner AT2000
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 このとき必須とした要件は、「インターフェースのリンクアップ状態が見ることができること」「DHCPクライアントとして動作すること」「固定IPを設定できること」「Pingテストが行えること」だったという。また、さらに可能であれば、「1000Base-SXもテストできること」「タグVLANへPingテストが行えること」「スイッチのPoE給電状態が確認できること」なども考慮したとのことだ。

 こうして出会ったのが、ネットスカウトの「LinkRunner AT2000」だった。髙久氏は、本製品を以下のように評価している。

 「最初は展示会で見たと記憶しています。電源を入れてすぐに利用できる点なども、まさに当社の使い方に適していると判断しました。検討した中にはクラウド接続を前提としていて施設内のクローズドな音響用IPネットワークには使えない製品もありましたが、LinkRunnerはWANテストをオフにすれば問題なく対応できます。基本機能を十分に満たしていることはもちろんですが、SFPモジュールが挿入できることや、PoE負荷テストが行えることなどもポイントですね。また、この構成でケーブルテストが行えることも、現場で活躍できると思いました。それから、耐久性や携帯性もあり、現場スタッフが扱いを気にせず済みます」

 SFPが必要になるのは、大規模施設ならではの要件といえよう。こうした施設では、舞台とミキサー室までの経路が100メートル以上離れており、多くは伝送距離を稼げる光ファイバーで結ぶことになる。また、PoEに関しては、音響機器もPoE対応した製品が発表されており、採用される見込みがあるとの想定から重視したという。

 「LinkRunner AT2000のTruePower PoE試験機能は、他にはない機能です。我々はこの機能を使い、エクステンダの段数をどこまで増やせるかといった試験も実施しました。現場で必要になる可能性があったからです。その結果、末端に供給される電力をしっかり把握でき、最終的に過大負荷により供給オフになるところまで確認できました」(髙久氏)

検査に要する時間が大幅に短縮され、
評価方法の均一化も実現

 ヤマハサウンドシステムでは現在、4台のLinkRunner AT2000を運用している。主に東京都内の事業所に配備し、必要に応じて現場へ派遣しているとのことだ。本製品の導入により、現場での検査に要する時間は大幅に短縮された。

 「電源ONから一連のテストを終えるまでの時間は30秒もかかりません、10秒くらいでしょうか。PCでテストする場合は、現場の状況や作業者のスキルによって大きく異なり、早くて1分、長いときには10分くらいになったので、全く違いますね。そして、施設内には1口2口といった少数ポートがあちこちに配置されているため、施設全体でみればその差が数十倍にもなるのです」と、髙久氏はその効率性を評価している。

 また、現場によってIPアドレスの割り当て方式が固定IPかDHCPかという違いや、検査する項目が異なる場合もあるが、あらかじめLinkRunner AT2000に各種プロファイルを保存しておくことで、測定条件の設定ミス予防に役立っているという。

 「テスト結果は本体の画面に表示されていますから、画面を切り替える必要もありません。本製品は機能が限定的ですし、プロファイルを用いることで測定条件が安定します。そのため、PCの個体差や個人スキルによる差が、テスト結果に影響せず、何人もの作業者がテストを実行しても同じ測定条件になり、同じ結果を確認することが可能になります。時間の短縮と同時に、評価方法の均一化にも効果がありましたね。ただ、閉じたネットワークのためクラウドを利用できず、テスト結果を50件しか本体に保存できないので、結果の取り扱いについては工夫が必要です」(髙久氏)

無線LANの確認には「AirCheck G2」を活用。「OneTouch AT G2」の導入も検討。

インフォメーション
提供:ネットスカウトシステムズジャパン株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2017年7月31日
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