IT部門キーマン650人緊急調査! クラウドの新潮流~ITR舘野氏が分析する、「失敗しないクラウド」の条件~

ビジネスをドライブするクラウド活用とは?

 以上、クラウド事業者を選択する際のポイントとして2つを挙げてきたが、最後の3つ目として舘野氏が挙げるのが、企業のクラウド活用の目的を理解し、ビジネスをドライブするクラウドをいかに構築するかという点だ。この観点で関心が高まっているのがシステム統合である。

 「クラウドのビジネス効果を追求するために、今後はシステム統合がさらに加速します。今回の調査で、特に旺盛な意欲が見られたのがサーバとアプリケーションの領域です。

システム統合への取り組み状況

今後のシステム統合領域として、「サーバ」と「アプリケーション」を挙げた回答が多い。サーバとアプリケーションについての統合意欲は高く、これがプライベートクラウド志向を強めていると考えることもできる

 拠点ごとに置いているサーバやアプリケーションを統合することで、運用コスト削減と同時にビジネスのスピードをアップさせることができます。例えば、エリアや事業部ごとに異なる販売管理システム、顧客管理システムなどが動いている企業は少なくありません。これをグローバルで統合すれば、何らかの機能追加を求められたときにも最小限の修正で迅速に対応できます」

 加えて、グローバルで同じ経営指標をすぐに参照できるのも、システム統合の重要なメリット。つまり、経営の見える化である。

 システム統合を一気にクラウド上で実施することも可能だが、「多くの企業は、物理環境⇒仮想統合⇒クラウド化という手順を踏んで統合したいと考えています」と舘野氏。当然、クラウド事業者はこうしたニーズに対応する必要がある。そこで、求められるのは統合や移行を支援する能力だけではない。

 「特にグローバルでシステムを統合する場合、そのサービスを世界中のユーザーが快適に使えるような環境を用意しなければなりません。つまり、クラウド事業者にとって、アプリケーションやインフラを中心とした、統合後のデリバリー能力は非常に重要。この点も含めたトータルなサポート力が問われます」(舘野氏)

 2000年代前半からシステムのシンプル化、あるいは統合に取り組んだ海外企業に比べて、日本企業はこの面での取り組みが遅れている。つまり、クラウドをトリガーにしたシステム統合は、多くの企業でこれから本番。最大の成果を上げるために、自社ニーズにあったクラウド戦略を立て、その戦略に沿った事業者を選定すること。これがクラウド利用を成功させるための、重要なテーマだと言えるだろう。

まとめ クラウド事業者の選択のポイント

1.企業の持つ懸念/不安の払拭へ"本気"で取り組んでいるかどうか
⇒セキュリティやマイグレーションなどのサービス提供に力をいれているか
2.企業のニーズに対応して、クラウドの制約を取り払う努力をしているか
⇒必要なサービスを、国内外のどこでも、必要な形で使えるサービスを提供できるか
3.ビジネスをドライブする仕掛けとしてクラウドを捉えているか
⇒ビジネス効果を最大化するために、トータルに企業を支援できるか
提供:エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2012年8月16日
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