NoSQL処理も、SQL処理も より高性能、高信頼、スケーラブルに

Oracle製品との統合・連携も大きく進展

 杉山氏による解説は、MySQL Clusterの新版「7.4.3 General Availability(GA)」(今年2月28日リリース)や、MySQL商用版の強化ポイントにも及んだ。

 このうち、MySQL Clusterは、アクティブ-アクティブ構成のデータベース・クラスタを実現するソフトウェアだが、7.4では、その性能・可用性がともに向上している。まず、「データベースからの読み込み(Read-Only)」性能が、前バージョン(7.3)の1.5倍近く向上しており、「読み込み/書き込み(Read-Write)」性能にしても1.4倍近くまでアップしている。また、データ・ノードのリスタートやローリング・リスタートのスピードについても、前バージョンの1.5倍近く高速化している。

 さらに、MySQL Clusterでは、トランザクションの矛盾を検知することが可能なほか、矛盾を自動で解決する機能も備えている。また、既存のアプリケーションやデータベース・スキーマに変更を加えることなくクラウド化が図れるという利点もあるようだ。

 一方、MySQLの商用版としては、エントリー版の「MySQL Standard Edition」と企業向けの「MySQL Enterprise Edition(EE)」、および「MySQL Cluster Carrier Grade Edition」などが提供されている。

 このうち、MySQL EEでの主な強化ポイントとして杉山氏が掲げたのは、オラクルの統合管理ツール「Oracle Enterprise Manager」におけるMySQLサポートと、バックアップ/セキュリティ機能の強化だ。

 オラクルではこれまでも、MySQL(商用版)と他のオラクル製品との統合化を図ってきたが、Oracle Enterprise ManagerでのMySQL対応も、その方針の一貫として行われたものだ。これにより、Oracle Enterprise Managerから、Oracle DatabaseとMySQLを一括して管理することが可能になった(下図参照)。


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 また、MySQL EEでは、高速なバックアップリカバリや差分バックアップをサポートした「MySQL Enterprise Backup」と、暗号化機能の「MySQL Enterprise Encryption」が利用できる。

 MySQL Enterprise Backupは、MySQLのバックアップ/リストア性能を劇的に高めるもので、その利用により、MySQLのバックアップ性能は通常の49倍に、リストア性能は80倍に高速化されるという。

 さらに、MySQL Enterprise Encryptionは、1024ビットの暗号化をサポートする技術だが、その大きな特徴は、「プライベート・キー」と、それをベースに生成した「パブリック・キー」を個別に管理できる点にある。言い換えれば、暗号化のためのパブリック・キーを使う組織・担当者と、復号のためのプライベート・キーを扱う管理組織・管理者とを明確に区分けし、機密情報の安全な運用を実現することができるわけだ。これにより、例えば、暗号化した機密データを保管したテープ・メディアが紛失・盗難の被害に遭っても、データ内容が外部に漏れるリスクは大きく軽減されることになる。

 MySQLとその関連プロダクトについては、上述した以外にも多くの機能強化・性能改善が行われており、今年2月からMySQL(コミュニティ版)イメージが、Dockerベース・コンポーネントのリポジトリ「Docker Hub Registry」上でも利用可能になるという。

 巨大ネット企業や大手メーカーが名を連ねる強力なユーザー・コミュニティと、データベースのリーディング・カンパニー、オラクルによって強化・先鋭化が絶え間なく行われるMySQL。その動向には是非、今後も注目されたい。

提供:日本オラクル株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2015年4月17日
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