「Ansible」がIT運用管理負担の呪縛から 企業・組織を解き放つ

レッドハットのIT自動化プラットフォーム「Ansible」に対する注目度が高まっている。背後には、ITの運用管理負荷を可能な限り低減させ、ビジネス要求に対するITの対応力を増したいというユーザーのニーズがある。では具体的に、Ansibleは企業ITにどのようなイノベーションをもたらすのだろうか。また、他の構成管理/自動化ツールと何がどう異なるのか──。米国レッドハットでAnsibleエンジニアリングを担当するシニアディレクター、ティム・クレイマー氏に話を聞く。

シンプル、パワフル、エージェントレス

 ご存知の方も多くおられると思うが、「Ansible」は、レッドハットが2015年に買収したアンシブル社のソフトウェアだ。全体は、実行可能な手順書兼設計書の「Ansible Playbook」、オープンソースソフトウェア(OSS)として提供されている自動化処理の実行エンジン「Ansible Core」と、IT自動化プラットフォーム「Ansible Tower」の3つから成る。

 Ansibleの基本的な特徴は、一連の作業内容を記述する「Playbook」を用いて、対象システムの構成変更・設定変更などの処理を自動化できる点にある。

 このPlaybookの記述に用いられる言語は特殊なものではなく、IT部門のエンジニアならば、誰もが記述内容を理解できるように実装された、平易で、シンプルな言語だ。また、構成管理/自動化対象に対するコマンド発行やその結果の確認などは、対象システムの外部インタフェースに合わせて作られたモジュールを通じて行われる。そのため、制御対象にエージェントをインストールする必要はない。

 「Ansibleの特徴は、簡単に使えるシンプルさと、大規模環境にも対応できるパワフルさ、そしてエージェントレスによる高い接続性の3つです。なかでも、エージェントレスであることは、他の自動化ツールにはなかなか見られない大きなアドバンテージと言えます」と、米国レッドハット Ansibleエンジニアリング担当シニアディレクター、ティム・クレイマー氏は話す。

Ansibleの特徴 Ansibleの特徴
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 確かに、エージェントレスであれば、エージェントがインストールできないようなシステムや機器にも自動化の手を行き届かせることができる。言い換えれば、外部からの操作を受け付けるインタフェースと、それに対応するモジュールが用意されているシステムならば、パブリッククラウド上のサービスからLED照明装置に至るまで、すべてをAnsibleによる自動化の対象にすることができるのである。また、エージェント自体のメンテナンスも不要になるため、セキュリティリスクや管理負担を低減することも可能になる。

ティム・クレイマー(Tim Cramer)氏
米国レッドハット
Ansibleエンジニアリング
シニアディレクター
ティム・クレイマー(Tim Cramer)氏

 Ansibleと機器の外部インタフェースをつなぐモジュールについては、レッドハットが提供・管理しているモジュールをはじめ、機器ベンダーが自社製品向けに開発したもの、さらには、コミュニティで開発されているものがある。

 これらのモジュールは、Ansibleのユーザーの裾野と開発コミュニティの拡大に伴い増大し、現在も「増え続けています」と、クレイマー氏は言う。

 実際、サーバのみならず、ネットワーク機器についても多くのベンダーがモジュール開発に参加しており、Ansibleが対応するネットワーク・プラットフォームはすでに29種に上り、モジュール数も280に達している。これらを加えて、Ansibleのモジュール数は全体で1,000を超えているという。さらにレッドハットでは、モジュールの品質維持を目的に、開発者自身がテスト/保守が行える仕組みも用意している。

Ansibleの活用を支えるAnsible Tower

提供:レッドハット株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2017年10月31日
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