ITエンジニアが絶対に押さえないといけない
Red Hat Enterprise Linux 8 ~ 見逃し禁止 あなたの知識は最新へ ~

 昨年からのコロナ禍によりリモートワークやオンライン会議、非接触型のサービス提供などビジネススタイルの変革が起きています。ITの活用がビジネスに大きな影響を及ぼすことを、より一層実感されている方も多いのではないでしょうか? また、パブリッククラウドやSaaSの活用により、新たなサービスを短期で提供開始できている企業も少なくありません。

 今後、新たなサービスの爆発的な増加が予想されています。企業としてサービスを提供する際には、サービスを開始して終わりではなく、以後のメンテナンスや運用を視野に入れる必要があります。セキュリティ対策やシステム運用の負担を減らした上で、ハイブリットクラウドやマルチクラウド環境を活用することが求められます。そこで、今回は、オンプレミス、主要パブリッククラウド環境、仮想化環境、コンテナのいずれでも利用できて共通のノウハウを生かせる他、運用の自動化についても充実した機能を提供するRed Hat Enterprise Linux 8についてご紹介します。

Red Hat Enterprise Linuxとは?

 Red Hat Enterprise Linux(以下RHEL)は企業向けのLinux製品で、メジャーバージョンについて初期出荷から10年間の長期サポートが特徴です。単にソフトウェアの集まりを提供するものではなく、多数のサービスが1つの製品にまとまっています。

  • 新旧バージョンのソフトウェアへのアクセス
  • 多数の公式ドキュメント、ナレッジベース、脆弱性情報などのドキュメント
  • 障害につながりうる設定・ログ・統計情報などの自動診断
  • 問い合わせ回数無制限のサポート
  • 迅速なセキュリティ修正の提供
  • 機能拡張リクエストの受け付け
  • 知財訴訟対策

 Red Hatは現在国内のLinuxサーバーオペレーティングシステム市場で約80%のシェアをもっています(図1)。ダウンロードして利用するだけであれば無償のLinuxディストリビューションが多数ある中で「サポートが必要なシーンであればRed Hatが一番」という図式が成立しています。

 Red HatではRHELを補完する製品として幅広いトレーニング、高度な専門性をもつコンサルティングサービス、さらに運用管理製品としてRed Hat SatelliteやRed Hat Ansible Automation Platformを提供しています。特にRed Hat Ansible Automation Platform に関しては、日本でも多くのお客様にご活用頂いています。機能や事例に関してはAnsible ポータルサイトをご確認ください。

RHELの各バージョンについて現在の状況を教えてください

 RHELには2002年に出荷された2.1からはじまり、3, 4, 5, 6, 7, 8と7つのバージョンが存在します。この中でRHEL 2.1と3は既にサポートが終了しています。RHEL 4, 5, 6は「延長ライフフェーズ」と呼ばれるフェーズになっていて、ソフトウェアのメンテナンスが終了しており、サポート窓口では既知のナレッジのご案内のみを行います。これらのバージョンを利用している場合には最新バージョンであるRHEL 8へのアップグレードをお勧めします。

 2020年11月でメンテナンスが終了したRHEL 6については、2024年6月まで最後のマイナーリリース(6.10)に対して限定的なメンテナンスとサポートを提供するExtended Lifecycle Support(以下 ELS)というアドオン製品を販売しています。今からELSを購入する場合には2020年12月までさかのぼっての購入が必要です。ELSの購入やRHEL 8へのアップグレードに関してはRHELを購入したレッドハットパートナー様までご相談ください。

図2:各RHELのリリース時期、ELS期間(wikipediaより) 図2:各RHELのリリース時期、ELS期間(wikipediaより)
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 2014年6月に出荷されたRHEL 7はメンテナンスサポート中で、新規ハードウェアへの対応および機能拡張は既に終了しており、メンテナンスが2024年6月まで行われます。現時点では最も多く利用されているバージョンですが、メンテナンスはあと3年少々ですので、新規システム構築ではRHEL 8が主に利用されます。

 今回紹介するRHEL 8は、2019年5月に出荷されたRHELの最新バージョンです。RHEL 7の出荷からRHEL 8の出荷までの間に、約5年の期間がありました。この間に企業でのニーズや利用状況も大きく変化しており、RHEL 8はそれらに適応するために機能や提供方式が強化されています。大きな変化としては以下のものがあげられます。

  • パブリッククラウド上での利用や仮想マシンイメージからのデプロイが一般化
  • コンテナによるアプリケーション配備の爆発的な普及
  • DevOps形式でのソフトウェア開発が一般化
  • OSS開発・利用のペースが速くなり、最新バージョンを利用したいニーズが企業でも増加
  • ソフトウェア開発者など専任の運用管理者以外による管理操作の機会が増加

具体的にRHEL 8はどのような点が変化したのでしょうか?

 まずリリースポリシーが変わりました。RHEL 7までは「予定された作業が完成したらリリースする」というポリシーでしたが、RHEL 8からはメジャーバージョンは3年おき、マイナーリリースは半年おきにリリースされるという時間ベースのリリースポリシーが発表され、計画を立てやすくなりました。執筆時点(2021年3月)の最新リリースは8.3で、2021年5月に8.4が出荷予定です。少し気が早いですが、RHEL 9は2022年に出荷される予定です。

図3:RHEL 8のリリースおよびメンテナンス予定 図3:RHEL 8のリリースおよびメンテナンス予定
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 RHEL 7から5年近く経ってのリリースですから、その間にOSSコミュニティで行われた開発の成果をとりこんでおり、改善や変更の量は膨大です。パッケージの入れ替えや設定項目などを含めた注意点はドキュメント「RHEL 8の導入における検討事項」にまとまっていますので、RHEL 7から8への移行を計画されている方はご一読いただければと思います。

 Red Hatが特に力を入れた部分としては、アプリケーション開発者が最新のツールを利用できるようにすること、システム構築・運用自動化の強化、構築・運用時に必要な情報を提示することで負担を減らすこと、セキュリティです。RHEL 8.3からはデータセンター外での利用を考慮したRHEL for Edgeという技術も登場しています。

 RHEL 6から7への移行ではsystemdが導入され、基本的なサービス管理のしくみが変わりました。そのため同じ作業を行うために新しい考え方が必要となり、導入のハードルとなるケースがありました。RHEL 7から8への移行では新機能やツールの入れ替えは多くありますが、systemd導入のように大きなハードルとなるものはないと考えています。既存のRHEL 7システムを検査し、問題がなければRHEL 8へアップグレードするインプレースアップグレードのツールも提供しています。

提供:レッドハット株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2022年3月31日
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