働き方改革が叫ばれるようになってから約2年。すでに改革が進んでいる企業も増えてきている。しかし、単に短時間労働を進めるだけでは、これまでの業務量はこなせない。いかに集中して効率よく生産性を上げていくかが重要だ。
生産性を上げるうえで、いちばん効果的なのは、オフィス内だけでなく外出先でも作業できる、いわゆるモバイルワーク可能なマシンを導入することだろう。ある程度ハイパフォーマンスで、どこでも仕事をこなせるモビリティに優れ、使い勝手のいい10万円以上の「プレミアムモバイルノートPC」を選びたい。
今回、主要メーカーで同様のスペックを備えた「プレミアムモバイルノートPC」を5製品ピックアップし、さまざまな視点で検証。より生産性を高めるポイントに注目してみた結果、もっともユニークな存在として浮かび上がってきたのが、マイクロソフト「Surface Laptop 2」だ。
INDEX
パフォーマンスだけではなく起動時間にも着目
今回評価した「プレミアムモバイルノートPC」5製品の基本スペック
マイクロソフト Surface Laptop 2 |
パナソニック Let's note LV (CF-LV7RDCVS) |
レノボ ThinkPad X1 Carbon |
日本HP EliteBook 830 G5 |
デル Latitude 7390 |
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OS | Windows 10 Pro | Windows 10 Pro | Windows 10 Pro | Windows 10 Pro | Windows 10 Pro |
CPU | Core i5-8350U(1.7GHz/最大3.6GHz) | Core i5-8350U(1.7GHz/最大3.6GHz) | Core i5-8250U(1.6GHz/最大3.4GHz) | Core i5-8250U(1.6GHz/最大3.4GHz) | Core i5-8250U(1.6GHz/最大3.4GHz) |
vPro対応 | × | ◯ | × | × | × |
メモリー | 8GB | 8GB | 8GB | 8GB | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD (PCIe 3.0x2) | 256GB SSD (SATA) | 256GB SSD (PCIe 3.0x4) | 256GB SSD (PCIe 3.0x4) | 256GB SSD (PCIe 3.0x4) |
ディスプレイ | 13.5インチ液晶(2256×1504ドット) | 14インチ液晶(1920×1080ドット) | 14インチ液晶(1920×1080ドット) | 13.3インチ液晶(1920×1080ドット) | 13.3インチ液晶(1920×1080ドット) |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 | Intel UHD Graphics 620 | Intel UHD Graphics 620 | Intel UHD Graphics 620 | Intel UHD Graphics 620 |
指紋センサー | × | × | ◯ | ◯ | ◯ |
顔認証 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
価格(税別) | 14万4800円 | 22万3300円 | 25万5000円 | 18万5000円 | 27万7200円 |
取り上げた「プレミアムモバイルノートPC」5製品は上記スペック表の通り。CPUにCore i5-8350Uもしくは8250Uを採用しメモリーは8GBを搭載。モバイル性と広い画面を併せ持つ13~14インチ液晶のモデルを選んでいる。
CPUの性能が表れる「CINEBENCH R20」は、動作周波数の低いCore i5-8250Uを採用した「ThinkPad X1 Carbon」がCore i5-8350Uマシンを上回る結果になった。この辺りはうまくチューニングされているのだろう。
また、スペック表を見てもわかるとおり、ストレージはすべて256GBのSSDだが、接続インターフェースが異なる。このため、読み書き速度は大きく違ってくる。ストレージの性能を測る「CrystalDiskMark 6.0」で計測したところ、シーケンシャルリード/ライトの性能が高かったのが「EliteBook 830 G5」。リード性能は3500MB/sを超える。
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一方で、Windowsの起動時間も計測してみたところ、SSDのシーケンシャルリードが1632.7MB/sだった「Surface Laptop 2」が約10.66秒と唯一10秒台を記録した。ストレージ性能やCPUパフォーマンスだけでは計れない、速度差が生じることもある。起動時間が短いことは、集中力を途切れさせずストレスなく作業に入れるので、マシン選びの重要なポイントとなりうるだろう。