拡大の一途をたどるキャッシュレス決済市場
いま日本国内では、「~~ペイ」と称するキャッシュレス決済の種類が急増している。金融機関からリテール、EC、さらにはベンチャー企業に至るまで様々な事業者が参入し、その種類はすでに20を越え、市場は群雄割拠の状態になりつつある。

TIS株式会社 サービス事業統括本部
ペイメントサービスユニット
ペイメントプラットフォームサービス部 エキスパート
前田嘉久氏
「キャッシュレス決済は、購買データの獲得やマーケティングの活用など、事業者が顧客の囲い込みを目的に、ここ数年で急速に普及し始めました。2018年4月には経済産業省が『キャッシュレス・ビジョン』を策定し、2025年までにキャッシュレス決済比率を40%程度に引き上げることを目指す『支払い方改革宣言』を掲げたこともあり、各社とも大規模な投資を行って熾烈な顧客獲得競争が繰り広げられています。今後はさらに利用が増加し、近い将来にはQRコード決済をはじめとする電子決済が当たり前に利用できる世の中になろうとしています」と話すのは、TIS サービス事業統括本部 ペイメントサービスユニット ペイメントプラットフォームサービス部 エキスパート 前田嘉久氏だ。
しかし一方で、サービス化を急ぐあまりにインシデントも発生しており、事業者間ではセキュリティへの関心も高まりつつある。経済産業省は、こうしたインシデントがキャッシュレス化の妨げにならないように改めてガイドラインの徹底を各事業者へ通達。ここに来てより強固なセキュリティを担保したシステムが求められるようになった。
TISの経験・知見・技術を結集した「PAYCIERGE」
そうしたなかで注目を集めているのが、TISのデジタル決済プラットフォーム「PAYCIERGE(ペイシェルジュ)」だ。PAYCIERGEは、TISが長年にわたって培ってきたカード業界向けソリューションの経験、知見、技術の集大成とも言うべきサービス基盤。サービスの信頼性と強固なセキュリティを兼ね備えたソリューションとして、業界の評価が高いサービスだ。
TISは、高い可用性を持つサービス基盤を十分に活かすアプリケーション開発の技術力、長年にわたる顧客との取引の中で獲得した業務知識や運用ノウハウを駆使し、PAYCIERGEを作り上げている。

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同部門の渡辺優子氏は、「PAYCIERGEは、年間8億件弱のトランザクション、年間4兆円規模の取り扱いを安全に処理しています。2018年には、そうした実績が国際ペイメントブランドのVISAから認められ、世界でサービス品質の高い6社のみに与えられる『Global Service Quality Award』を受賞しています」と、その高い実績を紹介してくれた。
このようにキャッシュレス決済の取引が増加するにつれ、事業者のミッションクリティカルな業務を支えるPAYCIERGEのサービス基盤には、決して止まることのないシステムが求められている。それを実現するために、TISがPAYCIERGEに採用したのが、フォールトトレラントサーバー「HPE Integrity NonStop Server」(以下、NonStop Server)だ。