インターネットエクスチェンジ

用語の解説

インターネットエクスチェンジとは

(インターネットエクスチェンジ)

 インターネットサービスプロバイダ(ISP)のネットワークを相互に接続し、トラフィックを中継する場所、またはその機能。

「インターネット相互接続点」とも呼ばれ、「IX(アイ・エックス)」と略される。 インターネットでは、データは「バケツリレー式」で運ばれていく/くるというイメージがあるが、実際にリレーする場所がIXである。

 本来、インターネットの仕組みからいえば、ISPは必ずしもIXに接続しなければならないというわけではない。 ISP同士が直接相互接続を行なえばよいからだ。 だが、この場合、ISP自体が中継点になるため、各ISPは接続数ぶんの通信回線を確保する必要があり、また別のISPのトラフィックを中継するという余計な負荷もかぶることになる。 したがって、すべてのISPが直接接続するのはコスト的にも効率的にも非現実的で、IXのような中継機能が必要とされている。

 IXでは通常、ISP同士が「対等に」接続することが前提で、経路情報を交換し効率的なトラフィックの運搬を行なう。 これを「(パブリック)ピアリング」といい、IX施設内のハブやスイッチに、ISPが持ち込んだルータがスター型に接続されるようになっている。 なお、ISPがIXを介さずに直接接続することを特に「プライベートピアリング」というが、これは一部の大手ISPが行なっている程度でそれほど一般的ではない。

 国内では、1994年から慶應大学を中心としたWIDEプロジェクトにより、ISPの相互接続実験が行なわれ、「NSPIXP(エヌ・エス・ピー・アイ・エックス・ピー)」というIXが運営されている。 現在はNSPIXP-2が東京に、NSPIXP-3が大阪に設置され、多くのISPによって利用されている。 また、1997年ごろからはKDDによる「Japan IX(JPIX)」や、TTNETによる「メディアエクスチェンジ(MEX)」といった商用IXの運営も始まっている。

 だが、IXのほとんどが東京に集中しているため、地方のISPのトラフィックは地方内のルーティングであっても、大手ISPを介していったん東京を経由しなければならないという問題が生じている。 これは通信コストの無駄であり、そこで地方内のトラフィックはその地方でさばける仕組み「地域IX」の設置が進められている。 代表的な地域IXには、TRIX(東北)、Y-NIX(山梨)、TKiX(東海)などがある。

用語解説出典   powered by. アスキーデジタル用語辞典

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