12月上旬にサンノゼで行われたAdvancedTCAサミットにおいて、ベンダと開発者はこのアーキテクチャの普及が期待ほど大きくはないことに狼狽し、2005年実績と2006年の出荷予測に反映された「いくらか活気のない」出荷状況をみて、市場の可能性や需要に関していくつかの疑問を投げかけた。ベンチャーデベロップメント社のEric Gulliksen氏とPICMGのJoe Pavlat氏は、この実績は決して活気のなさを示すものではなく、実質上、ライフサイクルの初期段階の時点で、これまでの規格によるアーキテクチャの普及率を十分に上回っていると指摘した。
AdvancedTCAベースの仕様(PICMG3.0)は2002年に発表されたばかりで、バックプレーンリンク技術(スイッチ)による接続部分は2003年になって初めてリリースされた。そして2006年にようやくAdvancedTCAは実現可能な態勢が整うまで、ほぼ3年かかることになる。VMEが確立するのに約10年、CompactPCIは5年以上かかったように。
2006年の出荷総額予測2億9130万USドルは、このアーキテクチャの需要と確立を示すに十分に大きな数字ではないだろうか、それとも本当に「活気のない」状況を表すものだろうか?
2005年5月に行ったベンチャーデベロップメント社の商用コンピュータボード市場全般に関する調査レポート「組込みリアルタイムアプリケーション向け商用コンピュータボード調査プログラム」によれば、組込み商用コンピュータボード(全標準規格ボードとアーキテクチャ)の世界市場総額は、2006年に41億7800万USドルになるだろう。2006年AdvancedTCA出荷予測はこの市場総額のちょうど7%弱である。
AdvancedTCAとMicroTCAは、パッシブバックプレーンアーキテクチャである。前述の商用コンピュータボード調査では、パッシブバックプレーンシステムにおけるスロットカードとメザニンカードの世界出荷予測が31億8800万USドルで、2006年AdvancedTCA出荷予測はこの市場総額の9%以上である。これは決して新興のアーキテクチャとエコシステムにとって精彩のない数値とはいえない。
期待と現実の乖離は、業界とメディアの誇大広告によっておこる。扇情的なタイトルによって、あたかも一夜にしてAdvancedTCAが「世界をおおいつくす」かのごとくに信じさせた。そんなはずはないのである。普及は突然起こるのではなく、進化論的にゆるやかにおこるのである。現実には、業界の誇大広告にもかかわらず、ベンチャーデベロップメント社と信頼できる機関によって行われた調査が示すように、多くのキャリアはいまだATCAの本当の重要性に気づいておらず、また気づいていても確信するにいたってはいないのである。
それでもベンチャーデベロップメント社は、ATCA/MicroTCA環境で使用するATCAブレードとAMC/PMCメザニンカードの出荷額が2009年に19億1800万USドルまで伸び、AdvancedTCAとMicroTCAは継続的に成長すると予測している。これは全標準規格の組込み商用コンピュータボード市場の約34%、スロットとメザニンカード市場の45%に匹敵する。ベンチャーデベロップメント社は、「精彩のない数値」とは思ってはいない!
◆調査レポート
ATCA、マイクロTCAコンポーネント、ソリューション
Advanced Telecom Computing Architecture (ATCA) and MicroTCA Components and Solutions
Global Market Assessment
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