朝日新聞社、シスコシステムズのIPコミュニケーションを導入

~新聞制作の"生命線"であるホットラインをIPフォンへと移行~

シスコシステムズ合同会社

2005-06-28 00:00

 インターネット向けネットワーキング機器ベンダーの最大手であるシスコシステムズ株式会社(代表取締役社長:黒澤 保樹、資本金:22億2千万円、住所:東京都港区赤坂2-14-27、以下「シスコ」)は、朝日新聞社(代表取締役社長:秋山 耿太郎、資本金6億5000万円、住所:東京都中央区築地5-3-2)が、シスコのIPコミュニケーションを導入したことを発表しました。

 朝日新聞社が今回IPコミュニケーションを導入したのは、全国5拠点の本社・支社・本部と21工場を接続する"ホットライン"においてです。ホットラインとは各本社、工場間を接続した直通電話のことであり、記事制作から印刷、新聞の配送に至るまでを迅速に遂行するために不可欠な新聞社の"生命線"ともいえるコミュニケーションシステムです。即時性が求められることはもちろんのこと、使用頻度も極めて高いため、常に"電話が通じる"状態を維持できる高い信頼性が求められます。これまでのホットラインは、専用のボタン付き電話機と制御装置、TDMによって構成され、拠点間は専用線で接続されていました。朝日新聞社ではこのシステムを全面的にIP化し、電話機をシスコのIPフォン、制御装置を「Cisco CallManager」、拠点間通信をIPネットワークへと移行します。

 朝日新聞社がこのホットラインをIPコミュニケーションへと移行した背景には、ネットワークシステムの全面的な刷新があります。同社では2001年4月から「ATOM (Asahi TOtal system of Multimedia)」プロジェクトを推進しており、従来のホストシステムをベースとしていた新聞制作システムをオープン化することで、多様なメディアを通じて読者に情報を提供できる次期システムを構築しています。これに伴い全社ネットワークシステムも、既存の専用線を中心としたものから、IPネットワークへと移行。2003年に「ATOMネット」と呼ばれる社内ネットワークを完成させています。専用線は現在も利用されていますが、今後段階的に利用を縮小し、1~2年のうちにIPネットワークへと移行する計画です。今回のホットラインのIP化も専用線から「ATOMネット」への移行に伴って行われるものです。

 「Cisco CallManager」とIPフォンの導入は2005年5月から始まっており、6月までに工場への展開、その後は本社への展開を行い、7月中頃までに本番稼働を開始する予定です。最終的に全国5拠点の本社・支社・本部と21工場に対し、合計約280台のIPフォンが設置されることになっています。


【ネットワーク システムの概要】

 朝日新聞社では、2003年に下記図に示す通り「ATOMネット」を完成させており、ホットラインもこの上で稼働することになっています。「Cisco CallManager」は、東京本社に4台、大阪本社に2台導入され、大阪が東京をバックアップする構成が取られています。

 ホットラインで使用するIPフォンとしては、「Cisco IP Phone 7970G」と「Cisco IP Phone 7912G」が採用されています。「Cisco IP Phone 7970G」はカラータッチパッド付きの多機能IPフォンであり、主にカラータッチパッドの画面を使ってホットラインの回線制御を行うために本社/支社/本部に導入されています。「Cisco IP Phone 7912G」は東京/大阪本社と工場に導入されており、主にホットラインの通話用に使用されることになっています。

 なおホットラインには、特定の電話機同士を"つなぎっぱなし"にできる機能や、複数の電話機と同時に通話できる機能が必要になりますが、IPフォンでこれらの機能を実現するためのアプリケーションの開発は、シスコIPコミュニケーションのCTDP(Cisco Technology Developer Program)パートナーである日本ユニシスグループのネットワークインテグレーター ユニアデックス株式会社(代表取締役社長:福永 努、資本金:7億5000万円、住所:東京都江東区豊洲1-1-1)が行いました。


【ホットラインのIP化で期待されるメリット】

(1)システム管理の一元化/集中化
 IPネットワークに接続可能な場所に設置されたIPフォンであれば、遠隔地の「Cisco CallManager」でも呼制御が可能です。そのためサーバーや運用管理の人員を特定の拠点に集中し、管理・保守を一元化できます。

(2)ホットラインの新設が容易
 IPネットワークに接続可能な場所であれば、どこにでも新たにホットラインを設置できます。また設定変更も、Webブラウザによってどこからでも行うことが可能です。障害対応やアップグレードに伴いIPフォンを交換する場合でも、IPフォンの既存設定はサーバーから自動的にダウンロードできます。


(3)大幅なコスト削減が可能
 通信回線としては2003年から利用されている「ATOMネット」を利用するため、専用線に費やされていた回線料金が不要になります。また専用機器の保守料も不要になり、運用管理コストも管理の一元化によって大幅に削減できます。朝日新聞社によれば、ホットライン維持コストは従来の3分の2になり、年間700万円以上の節減になると試算されているといいます。


【朝日新聞社について】

 朝日新聞社は日本を代表する新聞社であり、朝日新聞の発行や出版事業、電子メディアの提供など、複数のメディアによる情報提供を行っています。これらの活動は1952年に制定された「朝日新聞綱領」の理念に基づいて展開されており、客観的で公正、敏速なニュース報道と、進歩的で中正な評論、多角的で掘り下げた解説を目指した紙面編集を推進することで、日本のオピニオンリーダーとして"国民と共に歩んでいく"という姿勢を貫いています。朝日新聞社の会社概要・詳細は以下のWebサイトでご参照いただけます。
(リンク »)


【シスコシステムズ株式会社について】

 シスコシステムズ株式会社は、インターネット/イントラネットの基盤となるネットワーク関連機器を提供する世界的なプロバイダ米国Cisco Systems Inc.(NASDAQ:CSCO)の日本法人です。ルータ「Cisco」シリーズ、スイッチ「Catalyst」シリーズ等のハードウェアから、世界のデファクト・スタンダードとなっているネットワークOS「Cisco IOS」、IPテレフォニー、ワイヤレス、ストレージ、セキュリティ、ネットワークドホーム、オプティカル等アドバンスド・テクノロジー分野のソリューション・製品まで幅広くかつ多国籍に提供しております。シスコシステムズは、企業・団体・組織の生産性向上をお手伝いするために、NVO(Networked Virtual Organization)を提唱しています。シスコシステムズ株式会社の会社概要・詳細は以下のWebサイトでご参照頂けます。
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*Cisco、Cisco IOS、Cisco Systems、CatalystおよびCisco Systemsのロゴマークは、米国およびその他の地域における、Cisco Systems Inc.及び関係会社の登録商標です。その他、記載されている製品名、社名は各社の商標または登録商標です。
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