OSDLとLiPSが、モバイルLinuxの普及を加速する取り組みで協調

オープンソースの協業により、端末メーカーやオペレータに閉鎖的なプロプライエタリのシステムに替わるオープンな選択肢を提供

Open Source Development Labs

2006-08-15 08:00

オレゴン州ビーバートン & フランス イシー・レ・ムリノー発 Linux OSの利用をモバイル端末へ拡大しようと取り組む2つの推進団体である、米オープン・ソース・デベロップメント・ラボ(Open Source Development Labs、以下 OSDL)とLinux Phone Standards Forum (以下 LiPS)は、世界のLinuxベースの携帯電話やモバイル端末の普及をさらに促進するために正式な取り決めができたことを発表いたします。
両者は、モバイル市場におけるフラグメンテーションを軽減し、収入機会を増大させることが可能なオープンで柔軟かつカスタマイズ可能なLinuxベースのソリューションを業界に提供するために精力的に協業していきます。
これにより、OSDLはカーネルとOSレベルに焦点を当て、LiPSはアプリケーションとサービスレイヤに取り組み、それぞれの団体の活動利点を最大化することができます。

協業のフレームワークとしては、両団体のメンバーミーティングにお互いに参加したり、要求や仕様のリファレンスを重複しないように双方向に共有したり、また、Linuxベースのモバイル端末に対する共通の要求仕様の策定などについても協業していきます。

OSDLのCEOであるStuart Cohenは次のようにコメントしています。
「モバイルLinuxが成功を収めていることにより、それぞれの団体の取り組みが重複しないように、OSDLメンバーやその他の業界関係者など、団体間で相互に取り組む必要があります。ベンダ、ユーザ、開発者、および団体が、それぞれのゴールを目指してお互いに協業することにより、その他のモバイルデバイス向けOSに対して競争力の高い位置を高めることができる機能の充実したモバイルLinuxプラットフォームを生み出すことでしょう。」

最近数ヶ月間、モバイルLinuxは著しく成長しています。The Diffusion Groupは、Linuxは、2010年までにSymbian OSベースのスマートフォンを凌ぐほどに成長し続けると予測しています。そして、コスト削減、パフォーマンス向上、技術の拡張、ならびに柔軟性向上のために、Linuxおよびオープンソースソフトウェアを利用したいと考えているハンドセットメーカーからの注目を集めています。

LiPS のプレジデントであるHaila Wangは次のようにコメントしています。
「Linuxとそのアプリケーションにより、より機能の高いモバイル端末を提供できるようになり、柔軟性が高まり、市場投入までの時間を短縮でき、コスト削減できるということは疑う余地のないことです。
問題は、どうやってそれを実現するかです。市場の分裂を避けるために重要なのが協業や共同の取り組みであり、LiPSは、オープンソースソフトウェアをモバイル端末における重要な構成要素にするために、統一された完成度の高い仕様の開発に向けて、OSDLや他の組織・会社と協業しています。」

Access/PalmSource のエンジニアリング担当シニア・バイスプレジデントであるMike Kelley氏は次のようにコメントしています。
「Access/PalmSourceは、LiPSとOSDLの両方を強力に支援してきました。当社は、モバイル市場におけるLinuxの将来性は非常に高いと確信しています。共通のプラットフォームの実現を目指すために業界内の分裂を少なくすれば今後もLinuxの採用がさらに加速されますから、そのためにもOSDLとLiPSの協業は重要なことです。」

OSDLは、同メンバーの要求に応えて、2005年10月にモバイルLinuxイニシアチブ(MLI:Mobile Linux Initiative)を発表し、カーネルレベルのギャップ解析や要求仕様の策定を中心に活動しています。OSDLのMLIは、カーネルレベルやOSへの要求に対するギャップを特定し、ソリューションを検討することに重点を置いています。OSDLは、LinuxカーネルやOSに関する協業を最大化する中心的な役割を果たしています。

LiPS Forumは、固定端末、携帯端末、および複合端末でのLinuxの採用を加速するために、2005年11月に設立されました。共通のLinuxベースのサービスやAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を定義することで、LiPS仕様により、アプリケーションやサービスがあらゆるタイプのLinux電話端末に提供され、相互運用性やLinuxの採用が促進されます。LiPS Forumは、チップセットやターミナルのメーカー、サードパーティのソフトウェアベンダ、ならびにオペレータを含み、モバイル業界のエコシステムから現在20社以上がメンバーとして参加しています。

用語解説

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■ LiPS Forumについて
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(リンク »)

LiPS Forum (Linux Phone Standards Forum)は、各種アプリケーションやユーザレベルサービスの開発や展開にもっとも影響があるLinuxベースのサービスやAPIを標準化するための業界のリーダーによるコンソーシアムです。LiPS Forumの創設メンバーは、ARM Ltd、Cellon International、Esmertec、France Telecom、Orange、FSM Labs、Huawei Technologies、Jaluna、MIZI Research, Inc.、MontaVista Software, Inc.、Open-Plug や ACCESS の子会社であるPalmSource, Incです。
LiPSへの参加申込み join@lipsforum.org
報道関係者お問い合せ先 press@lipsforum.org

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■OSDLについて
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(リンク ») (英語)
(リンク ») (日本語)
OSDL(Open Source Development Labs)は、Linux開発者であるLinus Torvaldsが所属しており、Linuxの成長とエンタープライズでのLinux採用を促進することを目的としています。2000年にCA、富士通、日立、HP、IBM、インテルならびにNECにより設立され、LinuxユーザならびにIT業界のリーダー企業から成るグローバルなコンソーシアムにサポートされたNPO(非営利団体)です。OSDLは、通信、エンタープライズデータセンタおよび企業のデスクトップなどで利用されるLinuxに関する業界全体にわたる取り組みを支援しています。

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