「SRIインターナショナル社との今回の研究提携により、研究や欠陥解析を行う方々に、より改良された技術をお届けできるでしょう。」とSRIインターナショナル日本代表唐津治夢は述べました。「この機器はSRI社のFRASTA技術の進歩に役立つでしょう。そして、エリオニクス社は、走査型電子顕微鏡の機能を改良・拡張する方法について、新しいアイデアを得ることができます。」
FRASTAとは、複合破面のトポグラフィー解析を行う技術ですが、顕微鏡レベルで詳細に破損の起きたようすを再現できます。30年近く前に発明されたこの技術は、SRI社首監研究員小林隆夫により研究が続けられています。FRASTAは、さまざまな不具合の問題にソリューションを提供してきました。現在の活動は、航空機装備品の寿命を予測するための計算モデルに必要な、微小破壊発生データを生成することに力を注いでいます。SRI社研究員や技術者はまた、材料科学・マイクロエレクトロニクス・生物学など他の多くの分野の問題解決にも、このSEMを使う予定です。
「以前のSEM社は焦点深度の深い高解像度画像を作成していましたが、表面トポグラフィーの数値化はしていませんでした。」とSRI社の小林隆夫は述べました。「現在まで、FRASTAには光学顕微鏡で可能な解像度、つまり約1000倍の解像度という制限がありました。エリオニクス社のSEMは、10~300,000倍の倍率でトポグラフィーの特徴を描き、定量的な三次元トポロジーマップを作ったり、繊細で超微小な性質のものだけでなく、複雑で粗い表面のコントラスト画像などを作成したりすることができます。
現在のSRI研究プロジェクトでは、圧力容器やパイプラインに使用される鋼鉄の微細構造が、高圧水素ガスにどう反応して脆化するかという水素経済関連の重要な安全課題に取り組んでいますが、このプロジェクトには高解像度機能が必要です。その答えが、サブミクロンの領域にあると予想されているからです。
「エリオニクス社は、今回のSRIインターナショナル社との提携に期待しています。」とエリオニクス社社長の本目精吾氏は述べました。「弊社のSEMは、DVDやフィルム表面、およびウルトラスムース表面仕上げの評価で、その力を証明してきました。弊社は、粗い表面を扱う能力の開発を考えていますが、SRI社への機器提供により、他の技術分野への利用拡大ができることを期待しています。
SRI社のFRASTA技術のライセンスは、米国NASAと日本企業3社(三菱重工、大阪ガス、中部電力)に認可されています。追加ライセンスもご利用可能です。FRASTAについての詳しい情報は、 (リンク ») にあります。
SRIインターナショナル社について
シリコンバレーに本拠をおくSRIインターナショナル社( www.sri.com )は、世界をリードする独立研究・技術開発団体です。SRIは1946年にスタンフォード大学によりStanford Research Instituteとして設立され、1970年に独立しました。そして60年以上にわたり、お客様やパートナーの戦略的ニーズを満たし続けています。おそらくコンピューター・マウスとインタラクティブ・コンピューティングの発明で最も有名なSRIは、ネットワーキングと通信、ロボット工学、新薬発見・開発、先進素材、大気研究、教育研究、経済開発、国防など多くの分野でも主要な進歩に関与しています。この非営利機関は、政府機関・企業・団体のために、顧客スポンサーシップによる研究開発を実施しています。SRI社は、その技術のライセンス取得、戦略的アライアンスの形成、企業分割による子会社の設立なども行っています。2007年のSRI社の連結売上高は約4.50億米ドルでした(営利目的の100%子会社Sarnoff Corporationを含む)。
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