本年7月の完全デジタル化を間近に控え、放送業界は大きな転換期を迎えており、急ピッチでデジタル化による新しいサービスやビジネスの展開が模索されています。その中で、デジタルデータ放送は放送と通信を融合する唯一のメディアであり、放送サービスに新たな付加価値を提供するものと期待されています。
しかしながら、地上デジタル放送開始時期(2003年頃~)のデータ放送システムは、高度な技術力や難解な業界規格に関する知識がなければ利用できないことに加えて、価格が数億円と高価だったことから、キー局を中心とした導入に留まり、多くの地方局は系列キー局のコンテンツを利用するための最低限のシステムを導入するだけで独自のデータ放送送出機能を持たずに今日に至っており、十分なデータ放送サービスができない状況にあります。
これに対して「DataCaster M3」は、低コストで導入でき、操作性が高く簡単に運用可能なことから、地方放送局、ケーブルテレビ局は、各地の独自性を活かした付加価値の高いデータ放送サービスを実現し、地方独自の新しいビジネスモデル発掘が可能となります。
また、データ放送設備を所有する放送局でも既存システムの多額な運用・保守の費用や作業負担が課題となっており、システムの見直し時期を迎えています。「DataCaster M3」は、コスト削減はもちろんのこと、煩雑な作業から解放することで、サービス提供までの効率向上やコンテンツの質の向上にも寄与します。
「DataCaster M3」は、特に、地方放送局やケーブルテレビ局から高く評価されていることから、メディアキャストでは、昨年末までに既に数局から先行受注しており、今回の出荷開始により、さらに多くの地方放送局、ケーブルテレビ局に向けて積極的に販売していく予定です。
また、データ放送のコンテンツ制作や制作教育、ならびにデータ放送に関する各種システム開発や既存システムとの連携に関する技術サポートなども提供していきます。
◆「DataCaster M3」を構成する主な標準機能
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◇制作機能
BMLプログラミングから、デバック、プレビューまでの機能を搭載したBMLオーサリング環境。
1. 地上デジタルデータ放送固定受信機用BML編集ツール「Foliage typeA(フォーリッジ タイプエー)」
2. 地上ワンセグデータ放送用BML編集ツール「Foliage typeC(フォーリッジ タイプシー)」
高度な技術を習得することなく直感的なGUI操作で容易にBCMLコンテンツ制作が可能で、画像減色/圧縮機能も搭載しており、1つのソフトで制作コスト削減と共にシームレスで効率的な制作環境が実現します。
◇送出機能
メディアキャストのデータ放送送出技術をベースに、外部システムから送られてくるニュースやイベント情報など随時更新される情報を、BCMLで記述した画面コンテンツにリアルタイムに合成し、データ放送規格(ARIB規格)に準拠した伝送信号(トランスポートストリーム)としてデジタル放送用多重化装置(MUX装置)へ出力し、ワンセグ端末やデジタルテレビに送出できるデータ放送システムです。
また、イベントメッセージ発火機能やルート証明機能も標準機能として搭載しており、オプションにより二重化構成も構築可能です。
◇運用機能 (CMS : Content Management System)
メディアキャストの情報入力システム技術である「Contribute (コントリビュート)」をベースに、人手を割くことなく情報更新が可能な自動更新機能と、専門知識を持つ担当者が不在でもWebブラウザ経由の簡単な操作だけで入力が可能な手動入力機能、そして更新される情報(テキスト、画像)を自動的にARIB規格のフォーマットへ変換される機能を搭載し、最小限のスタッフで運用可能な情報更新システムです。
◆ オプション
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・二重化構成
■「DataCaster M3」の販売について
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出荷開始:2011年1月20日
販売価格:1,300万円~ (オプションを除く)
用語解説
※1 BML (Broadcast Markup Language
ARIBが策定した放送規定に準拠したXMLベースのデータ放送向けページ記述言語
※2 ARIB (Association of Radio Industries and Business) 社団法人電波産業会
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