日立情報では、RFID システムの導入を総合的に支援するRFIDトータルソリューション「Chipin/Innovation(チップイン/イノベーション)」を2003年より提供しています。また2006年には、ステンレス製のアンテナでICチップを保護した金属製タグを活用するRFIDソリューション「Chipin/Metal(チップイン/メタル)」の提供を開始しました。金属性タグは、雨水や紫外線に対して耐久性に優れ、高電圧や衝撃などの負荷がかかる環境でも利用できるため、工具・成形金型・建設部材の管理、機械・プラントの保守・点検など、金属素材や屋外機器へのRFID活用を提案しています。
従来の金属製タグは、取り付け方法として、日立情報ではネジ留めやブラインドリベット留め(注)を推奨してきました。しかし、ネジ留めやブラインドリベット留めの場合、対象となる金属体に取り付け用の穴を精密に準備する作業が必要であり、取り付けが容易ではないほか、取り付け後も脱落の恐れがありました。そのため、金属製タグ活用を希望するお客様からは、より容易かつ強固に取り付けるために、溶接可能な金属製タグの開発要望が寄せられていました。
溶接は、ネジ留めやリベット留めに比べ脱落しにくく、取り付けも容易です。しかし、溶接を実現するためには、溶接時の高温や電流に耐える構造が必要となります。
こうした背景を踏まえ、日立情報は、これまで培ってきた金属製タグ加工技術を駆使し、これらの課題を解決した「溶接できる金属製タグ」の開発に成功しました。溶接を可能にしたことで、煩雑な穴あけ作業が不要となり、容易・確実なタグの取り付けを実現できます。外装には頑丈な金属素材を使用し、サンドブラスト(砂を吹きかけて機器を洗浄する方法)する機械や高圧水洗浄を行う容器などへの取り付けも可能です。また、サイズも小型(22mm×24mm×5.3mm)で、取り付け場所を選ばず、屋外や過酷な環境下で使用される機器や設備の管理にご利用頂けます。
さらに、機器・設備管理用のソフトウエアパッケージ(Chipin/Fixtute-Lite)を併せて開発し、タグ、リーダ・ライタ、ソフトウエアをワンストップで提供するメタルタグソリューションの提供を行います。
今後日立情報は、プラントや機械、建造物などの保守点検、金属容器の回収管理などでRFIDの活用分野を開拓するとともに、国内・中国市場をターゲットに2011年7月より販売を開始する予定です。今後3年間で 50万個~100万個の需要創出を図ってまいります。
なお、本製品は、2011年5月11日(水)~13日(金)に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される、「第6回オフィスセキュリティEXPO」の日立化成工業株式会社のブースに参考出展致します。
(注)ブラインドリベット留め:
リベット留めは穴に金属の鋲を入れたあと、頭をつぶして結合させる方法。穴の片側から作業できるタイプの鋲をブラインドリベットと言う。
【溶接できる金属製タグの特徴】
(1)溶接により金属体に直接取り付けることが可能です
(2)外装には丈夫な金属素材を採用。衝撃や紫外線に強く、丈夫で壊れにくいタグです
(3)サンドブラスト、高圧水洗浄にも耐えます
(4)国際標準規格(ISO/IEC18000-6 Type C)に準拠しています
【適用分野】
(1)プラント、建造物の点検・保守
プラント設備のパイプ支持金具、各種メータ、バルブや建設部材に金属製タグを取り付け、保守や点検に役立てることができます。点検した実際の場所や日時・作業者名などの履歴を管理することができるほか、建築物内部の建材管理や検査に活用することもできます。
(2)建設機械、車両、農機具の管理
過酷な環境で使用される建設機械、フォークリフト、車両、農業用機械などの保守、部品の修理管理に活用することができます。ハンディリーダをかざすだけで、製造元、製造番号、製造年月日、仕様、修理履歴などを速やかに参照することが可能になります。
(3)食品、薬品、燃料などの容器管理
頻繁に洗浄消毒が必要な食品容器や薬品容器、燃料などのボンベ・タンクなどへ取り付け、納品先からの回収管理や容器の点検管理などに活用できます。
関連サイト:RFID トータルソリューシン「Chipin/Innovation(チップイン/イノベーション)」
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