No.R03S0156
『スマートグリッド向け新プロトコル「IEEE 1888」の全容と省エネ戦略2011』
[東大グリーンICTプロジェクトの「IEEE 1888システム」と節電対策の実践]
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出版日 2011年9月
価格
89,250円(税込)(CD-ROMタイプ)
99,750円(税込)(印刷+CD-ROM)
ページ数 A4判 324ページ
発行<調査・編集> (株)インプレスR&D
■概要■
東日本大震災は、深刻な電力・エネルギー危機を引き起こし、日本における企業・産業・社会活動に対して、これまでとはまったく異なる次元から、BCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)を確立する必要性があることをつきつけた。
こうした背景のもとに、東大グリーンICTプロジェクト(GUTP)では、新しく標準化されたスマートグリッド向けの標準プロトコル「IEEE 1888プロトコル」を用いた世界初のマルチベンダシステムを工学部2号館に構築。それを構成する機器の相互接続試験も成功し、全学的な展開が開始されている。すでに、電力消費が年間最大となる2011年7月には、対前年同月比の30%の電力削減に成功し、今後の展開が国の内外から大きな注目を集めている。
このIEEE 1888プロトコルは、東大グリーンICTプロジェクトが開発したFIAP(設備情報アクセス・プロトコル)をベースに、中国と共同でIEEE(米国電子電気学会)に提案し2011年2月に標準化されたばかりのプロトコルである。この新プロトコルよって、これまでベンダごとに構築されていたビル設備システムを統合し、マルチベンダ環境で効率的に構築・運用できるようになった。
このIEEE 1888プロトコルは、具体的には、
(1)オフィスに導入されているセンサーや空調設備からの情報を送受信する各「フィールドバス」(ZigBeeやBACnet等によるフィールドバス)からのデータを、
(2)ゲートウェイ経由でデータベースやデータ蓄積装置、アプリケーションユニットと相互接続して連携させ、
(3)これらのデータによって、システムの運用状況の診断や、エネルギーの使用状況などの分析を行って制御し、「見える化」も可能とする、
IP上で動作するアプリケーションプロトコル(レイヤ7)である。
本書は、電力・エネルギー危機に挑む、スマートグリッド組織「東大グリーンICTプロジェクト」の「IEEE 1888」システムを活用した節電対策の具体例を見ながら、新しいビジネスの可能性と展開を解説していく。
[付録]には、IEEE 1888を実践的に活用できるよう「IEEE 1888プログラマーズスタートマニュアル(クライアント編)」も掲載している。
本書は、スマートグリッドシリーズ第8弾。
-CONTENTS-
はじめに
<1>電力・エネルギー危機に挑む東大グリーンICTプロジェクトの全体像
=節電対策と新ビジネスを目指す日本型スマートグリッド=
1.日本初の実践的な「スマートグリッド組織」の誕生
・米国から盛り上がったスマートグリッド
・東京大学に「グリーン東大工学部プロジェクト」設立
-まず東大工学部の組織としてスタート
-全学組織「東大グリーンICTプロジェクト」への発展と標準化活動の展開
2.工学部組織「グリーン東大工学部プロジェクト」のプロフィールと活動
3.全学的組織「東大グリーンICTプロジェクト」(GUTP)へ発展
4.GUTPの組織構成と各ワーキンググループ(WG)の役割
5.「日々のくらし系」の省エネを狙うグリーン東大プロジェクト
・実証実験の対象
・日本のエネルギー消費量の分析
・「日々のくらし系」の省エネ化を重視するグリーン東大プロジェクト
6.建物の東大の50億円の電気代を20%削減へ
7.グリーン東大プロジェクトが目指したゴール
8.グリーン東大工学部2号館のシステム構成図
・既存システムと追加システムを統合
・370カ所から、1,660のデータを収集し制御
・ITの省エネとITによる省エネWGと実証実験
・空調の温度や照明の調節を遠隔から制御
・蛍光灯すべてにIPv6アドレスを割り当て、1本1本を制御!
・HD-PLCによる電力計測システム
9.東大グリーンICTプロジェクトが「見える化システム」を構築
10.「東大グリーンICTプロジェクト」の7つの目標
11.東大グリーンICTプロジェクトの成果を公開
・公開されたGUTPプロジェクトのシステム例
・3階の電気系会議室2のカメラ、センサーなど
・10階のフロアに電力表示端末を設置(統合型建物運用状況の見える化)
12.「電力危機対策チーム」を設立し本格的な電力削減へ
・対前年比30%の電力削減を
・東京大学の電力消費の特徴
<2>IEEE 1888システムの構築と新しい展開
=CCP/FIAPの開発からIEEE 1888プロトコルの標準化まで=
1.IEEE 1888プロトコルの基本構造は「Live E!プロジェクト」第2フェーズのアーキテクチャ
2.CCPプロトコル(共通通信プロトコル)の策定と標準化
3.FIAPプロトコルの策定と標準化
・FIAPの基本構成:4つのコンポーネント
・FIAPの具体的なアーキテクチャ
4.東大グリーンICTプロジェクト:10個の標準化戦略
5.IETFに対する標準化活動の展開
6.スマートグリッドに関するIETFにおける標準化の動向
7.スマートグリッドに関するNISTにおける標準化
・NIST傘下の「SGIPのB2G」と連携
・NISTはスマートグリッド「リリース2.0」を策定へ
8.ASHRAEとの連携と標準化の提案
9.IPSOやThe Green Gridなどとの連携
・IPv6を推進するIPSO
・The Green Gridとの連携
・ETSIとの連携
・IPv6 Forumとの連携
・SBC(Smart Building Consortium)標準への後方支援
10.中国と共同で取組んだIEEE 1888の標準化
・中日緑色ITプロジェクトの発足
・2010年6月:IEEE P1888ワーキンググループ(WG)設立
・IEEE 1888の標準化への取り組みの歴史
・IEEE-SAが北京オフィスを開設(2010年6月)
・FIAPとIEEE 1888の関係
11.新プロトコル「IEEE 1888」によるシステムの構築へ
・東日本大震災直前に「IEEE 1888システム」の構築を完了
12.IEEE 1888はアプリケーション層のプロトコル
・SOAPの上で動作するプロトコル
・IEEE 1888の拡張仕様:P1888.1、P1888.2、P1888.3で審議開始
・IEEE 1888プロトコルの特徴
13.IEEE 1888システム構築の2つの設計思想
・IPバックボーンを基本にゲートウェイを活用した設計
・データベースを考慮した設計
・IEEE 1888システムによる設計・構築
14.世界初のIEEE 1888システムの接続実験
・マルチベンダ間での相互接続の検証
・中国で実装した機器も相互接続へ
・今回の相互接続と実験への参加企業:10の企業・団体
・横浜市の金沢産業団地でもIEEE 1888システムが稼働
・大きな海外からの反響
15.今後のポイント:電力削減・クラウド技術・見える化
・電力消費:2011年の夏に前年比30%削減
・クラウド技術の100%活用と停電対策
・東大キャンパスの電力使用情報をスマートフォンで「見える化」
16.東大のIEEE 1888システムが与える全国的なインパクト
17.まとめ:IEEE 1888システムに関するプロトコルの相関関係
<3>IEEE 1888システムの構築法とその適用事例
=スマートグリッド(グリーンICT)実現への道=
1.IEEE 1888プロトコル誕生の背景
・問題点1:相互接続性
・問題点2:ベンダ独自手法
・グリーンICT技術の社会インフラ化を目指す「IEEE 1888」
2.IEEE 1888が目指すシステムのイメージ像
・IEEE 1888システムのアーキテクチャ
-ゲートウェイ
-ストレージ
-アプリケーション
・中小規模施設をつなぐ通信インフラの形態
-施設側のネットワーク
-サービス事業者
・家庭をつなぐ通信インフラの形態
-家庭側のネットワーク
-サービス事業者(家庭向け事業者)
3.IEEE 1888でのシステム構築方法の基本
・オフィス・施設・工場の節電管理サービス
-配布および設置する電力メーター
-電力消費パターンの分析
-トレンドをグラフ化する対象
-顧客の利用イメージ
・システム構築に必要なIEEE 1888製品の選定
-電力計測キット
-IEEE 1888ストレージ
-電力パターン分析アプリ
-トレンド表示アプリ
・システムの設計からと構築までの流れ
-システム全体の設計
-ポイント表の設計
-ストレージサーバの設定
-パターン分析アプリの設定
-トレンド表示アプリの設定
-電力計測キットの設置工事
-トレンド表示閲覧用ID/PW発行
-IEEE 1888システムの評価検証
・IEEE 1888システムの考察
4.IEEE 1888システムに関連する技術とその関連性
・フィールドバス関連の技術
・無線センサーネットワークの技術
・インターネット関連の技術
-SNMP
-oBIX
-BACnet/WS
5.IEEE 1888システムの導入事例
・東京大学主要5キャンパスの電力消費見える化システム
・東京大学工学部2号館電力デマンド制御システム
・IEEE 1888デバイスの開発用SDKのリリース
<4>IEEE 1888システムに使用されるデバイス群とその特徴
1.IEEE 1888デバイスとその特徴
2.IEEE 1888 GW(ゲートウェイ)編
・LonTalk-to-1888変換GW:LonWorks観測データをIEEE 1888でオンライン化
・BACnet-to-1888変換GW:BACnet観測データをIEEE 1888でオンライン化
・ZigBee-to-1888変換GW:ZigBee観測データをIEEE 1888でオンライン化
・SNMP-to-1888変換GW:SNMP出力データをIEEE 1888で収集可能に
・CSV-to-1888変換GW
・IEEE 1888汎用観測GW:デジタル・アナログ信号をIEEE 1888で収集可能に
3.IEEE 1888 Storage(ストレージ)編
・大容量ハイパフォーマンスStorage:複数施設の計測データ保管はこれ1台でOK
・ハイレベル分析機能搭載Storage:データの多様な分析処理が必要な用途に最適
・小規模オフィス環境向けStorage:ちょっとした省エネ計画の必需品
・IEEE 1888 Storageサービス:Storage機能のクラウド化
4.IEEE 1888アプリ編
・簡易監視(SCADA)アプリケーション:設備・エネルギー管理の必需品
・データ加工分析アプリケーション:収集したデータからの情報抽出に利用
・ヘルスチェック・アプリケーション:動作の監視体制・運用サポート体制の整備に
・MS Excel連携アプリケーション:Excelへのデータ読み込みを自動化
・電力デマンド制御アプリケーション:テナントビルでのピーク電力抑制も
5.IEEE 1888デバイスの今後の展開
<5>IEEE 1888システムの構成と「見える化」の実現
=データの測定法と収集システムの実践的活用=
1.東大グリーンICTプロジェクトが構築したIEEE 1888システム
2.既存システム:工学部2号館に竣工時に設置された5系統のシステム
・動力監視制御、代表EHP(電気空調)監視、電力使用量計測機能
・電気ビルマルチ空調(EHP)集中リモコン
・ガスビルマルチ空調(GHP)集中リモコン
・照明監視制御機能
・集中検針システム
3.IEEE 1888システムの構成(1):既存システムとの接続
・動力監視制御、代表EHP(電気空調)監視、電力使用量計測機能
・電気ビルマルチ空調(EHP)集中リモコン
・ガスビルマルチ空調(GHP)集中リモコン
・照明監視制御機能
・集中検針システム
4.IEEE 1888システムの構成(2):データの測定と収集システム
・電力使用量計測(有線系)
・電力使用量測定(無線系)
・センサー系システム
・カメラを用いた動態管理システム
5.IEEE 1888システムの構成(3):制御アプリケーション
・スケジュール連動管理システム
・KIOSK型タッチパネル端末
6.デジタルタッチパネル型の空調制御端末
・デジタルサイネージシステム
7.クラウド型スマートメーター表示システム
8.東大主要キャンパスの消費電力の見える化システム
・東大の5つの主要キャンパスと電力供給
・IEEE 1888で規定された3層構造
<6>IEEE 1888システムとその節電対策の具体例
=見える化/見せる化からサーバの移設まで=
1.東大グリーンICTプロジェクトの節電対策の適用分野
2.節電対策・停電対策の長期的戦略と考え方
3.【短期的な節電対策1】:電力使用量のオンラインリアルタイム見える化と表示例
・「見える化」(=PULL型)の目的と効果
【事例1】金沢産業団地の例
【事例2】中島工機の「見える化」の例
【事例3】ユビテック社の「見える化」と制御の例
【事例4】東京大学の「見える化」の例
-東大・本郷キャンパス全体の見える化
-東大・本郷キャンパス内の各建屋・棟ごとの見える化
-東大・工学部2号館での館内設備の「見える化」と「見せる化」
4.【短期的な節電対策2】:高効率照明への取り換え
・LED照明化
-大塚商会 飯田橋本社ビルでの事例
-サンワサプライ倉庫の事例
-東京大学本郷キャンパス工学部2号館2Fサブウェイ店舗の事例
-東京大学 本郷キャンパス工学部2号館10F江崎教授室の事例
5.【短期的な節電対策3】:ガス空調の利用
6.【短期的な節電対策4】:100V電源タップでの電力使用量モニタリング
7.【短期的な節電対策5】:コンピュータ関連の節電対策の方法
・PC(パソコン)の動作モードの管理・制御
・サーバの仮想化・集約化
-HPの節電事例
-東京大学 江崎研究室の例
-大塚商会の評価事例
・サーバの移設
-ガス空調室の利用
-データセンターへの移設
-60Hz帯への移設・移動:WIDEプロジェクトの事例
-デスクトップパソコンおよびサーバのノートPC化
-サーバルーム内の工夫
8.【短期的な節電対策6】:ディスプレイの見直し
-【短期的な節電対策1】:オンラインでリアルタイムモニタリングシステムの導入
-【短期的な節電対策2】:パソコンの動作モードの管理・制御
-【短期的な節電対策3】:照明の効率化
9.【参考資料】今後の電力削減を実現するための参考資料
・2010年度の電力使用量の実績
・2010年度の電力使用量と節電の状況
<付録 IEEE 1888 Programmers’ Startup Manual(クライアント編)>
1.概要
2.機器の構成
3.サーバのWSDL
4.FETCH(最新値の読み出し)
・概要
・Javaサンプルコード
-SOAP通信用 FIAPWSStubの作成
-プログラム
-実行結果
・Visual C#(Visual Studio 2008)サンプルコード
-SOAP通信用スタブの作成
-プログラム
-実行結果
-通信オブジェクト内容の表示方法
・PHP5サンプルコード
-スタブ生成スクリプト
-プログラム
-実行結果
5.FETCH(トレンドデータの読み出し)
・概要
・Javaサンプルコード
-SOAP通信用 FIAPWSStubの作成
-プログラム
-実行結果
・Visual C# (Visual Studio 2008) サンプルコード
-SOAP通信用スタブの作成
-プログラム
-実行結果
・PHP5サンプルコード
-スタブ生成スクリプト
-環境設定
-プログラム
-実行結果
6.WRITE(データの書き込み)
・概要
・Javaサンプルコード
-通信用スタブの生成
-プログラム
-実行結果
・Visual C#(Visual Studio 2008)サンプルコード
-通信用スタブの生成
-プログラム
-実行結果
・C言語サンプルコード(Linuxプラットフォーム向け)
-概要
-プログラム
-実行結果
7.現在、fiap-dev.gutp.ic.i.u-tokyo.ac.jpが管理するポイントIDのリスト
<スマートグリッド用語集>
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■「12 電池業界の実態と将来展望」
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■「スマートホーム、スマートグリッド、スマートシティ市場(英語版)」
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■「海藻バイオ燃料」
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■「ヨウ素の化学と最新応用技術」
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■「世界のマイクログリッドと再生可能エネルギー2011」
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■「計測・モニタリング技術」
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■「2011年版 世界のスマートグリッド2.0と日本企業の取り組み動向」
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■「先端テクノロジーによる未来市場創造戦略に関する調査」
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■「太陽電池の耐久性向上と材料評価」
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■「’11 燃料電池・水素業界の将来展望」
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